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放課後等デイサービスに必要な資格や優遇されやすい資格を徹底解説

公開日:2023.12.04 更新日:2023.12.04
放課後等デイサービスに必要な資格や優遇されやすい資格を徹底解説

放課後等デイサービスは、放課後や長期休みに訓練や作業活動、レクリエーションなどを行う、障害のある子どもを対象としたサービスです。障害のある子ども一人ひとりだけでなく、その保護者もサポートし、居場所づくりや自立の促進を目的として活動します。そのため、放課後等デイサービスでは保育士や児童指導員など資格保持者の配置基準があります。これらの資格を保有する方は、放課後等デイサービスの就職にあたって優遇されやすいでしょう。

この記事では放課後等デイサービスの配置基準となる資格や、就職にあたって優遇されやすい資格を解説します。

1. 放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、障害を持つ就学児童をサポートするサービスです。夏休みなどの長期休暇中や放課後に、生活能力向上のために必要な訓練を提供することで、障害を持つ児童の自立を促進するとともに居場所づくりを行います。

④ この法律で、放課後等デイサービスとは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学している障害児につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。

(引用:e-gov 法令検索「児童福祉法 第六条の二の二」
/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000164 引用日2023/10/30)

放課後等デイサービスの内容は、自立した日常生活のために必要な訓練のほか、創作や作業といった活動、地域交流の機会の提供などです。用意された多様なメニューの中から、本人の希望を踏まえたサービスを提供します。

1-1. 放課後等デイサービスの仕事内容

放課後等デイサービスの仕事内容の1つは、児童への支援です。

放課後等デイサービスでは、障害特性を理解しているスタッフが児童一人ひとりに合わせた個別支援計画を作成し、必要な支援や療育プログラムを行います。具体的には、コミュニケーションスキルの習得支援や学習指導、創作・作業といった活動の補助などです。また、学校や自宅までの送り迎えも放課後等デイサービスの職員の仕事となります。

放課後等デイサービスにおいては、児童の保護者への支援も大切な仕事の1つです。例として、職員は子育ての悩みへの相談対応や、児童のケアの一時的な代行などを行います。保護者への支援を行うことで保護者が児童に向き合うゆとりを回復できれば、児童の発達によい影響を与えるでしょう。

2. 放課後等デイサービスで働くときに必要な資格

放課後等デイサービスの管理者は、事業が円滑に進むよう効率的な人員配置を行う必要があります。放課後等デイサービスに定められた人員配置基準は以下の通りです。

・管理者
・児童指導員・保育士が10:2以上
・児童発達支援管理責任者1名以上

放課後等デイサービス事業所においては、指導員又は保育士、児童発達支援管理責任者、機能訓練担当職員(機能訓練を行う場合)の配置が必須であり、重症心身障害児に対して放課後等デイサービスを行う場合は、指導員又は保育士に替えて、児童指導員又は保育士、さらに嘱託医、看護師、機能訓練担当職員の配置を行い、医療的ケア等の体制を整える必要がある。

(引用:厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000082829.pdf 引用日2023/10/30)

各自治体が定めた経過措置期間として、最長で2023年4月までは児童指導員や保育士の代わりに2年以上の障害福祉サービス経験者を配置できました。しかし、2023年5月以降は児童指導員および保育士のどちらかのみが配置可能です。

(出典:兵庫県「障害児入所・通所支援における人員基準(経過措置終了)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/2203_5.pdf

保育士・児童発達支援管理責任者・児童指導員は資格が必要な人員となります。それぞれの資格の取得要件や仕事内容・役割について解説します。

2-1. 保育士

保育士は、児童福祉法で定められた国家資格です。保育に関する専門的な知識・スキルをもって、子どもの保育や保護者への子育て支援・助言・指導を行います。

保育士
資格取得要件 ・指定保育士養成施設の卒業、もしくは保育士試験に合格する
・保育士試験の受験要件として以下のいずれかを満たす
 -養成課程のある大学や短大、または専門学校で2年以上の課程を修了
 -児童福祉施設において5年以上(高校卒業以上であれば2年以上)児童の保護に従事
仕事内容・役割 ・個別支援計画に基づく児童への支援
・児童の送迎
・事務作業

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「保育士」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/131

保育士資格を取得するルートの1つとして、厚生労働大臣が指定する「指定保育士養成施設」に通うことが挙げられます。指定保育士養成施設を卒業することで保育士資格を得ることが可能です。

指定保育士養成施設以外の大学・短期大学・専門学校卒業者は、保育士試験を受験し合格する必要があります。

最終学歴が高卒以上のケースでは、児童福祉施設で2,880時間以上勤務し、2年以上の実務経験を積むことで受験資格を得られます。もしくは、保育科を1996年3月31日以前に卒業しているか、保育科以外を1991年3月31日以前に卒業している場合は、実務期間なく保育士試験を受験可能です。

2-2. 児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は、障害を持つ児童の保育・療育に関する専門職の1つです。略して「児発管」とも呼ばれます。児童発達支援管理責任者はさまざまな障害児支援施設で働く職種であり、児童発達支援施設には1名以上の配置が義務付けられています。

児童発達支援管理責任者
資格取得要件 ・実務経験の要件を満たす
・以下の基礎研修を受講している
 -相談支援従事者初任者研修(講義部分の一部)
 -サービス管理責任者等研修(15時間以上)
・サービス管理責任者等実践研修(14.5時間以上)を修了する
仕事内容・役割 ・個別支援計画書の作成
・個別支援計画書に基づいた支援・療育が実施されているかどうかの管理

(出典:厚生労働省「001063301.pdf」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001063301.pdf#page=5

(出典:厚生労働省「05_障害児(入所・通所共通)」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000178211.pdf#page=3

児童発達支援管理責任者の資格を得るためには、以下の実務経験の要件について、いずれかを満たすことが必要です。

相談支援業務 身体障害あるいは精神障害がある方の相談支援業務に5年以上従事する
直接支援業務 身体障害あるいは精神障害がある方の介護業務等に8年以上(一部対象者は5年以上)従事する
国家資格 国家資格による業務経験5年以上かつ相談支援業務または直接支援業務に3年以上従事する

上記要件を満たした上で、基礎研修を修了し、OJTによる実務経験を2年以上積み、実践研修を修了することで児童発達支援管理責任者として就業できます。基礎研修および実践研修の内容は自治体ごとに異なるので、研修の詳細が知りたい場合は各自治体に問い合わせましょう。

児童発達支援管理責任者の資格取得要件はサービス管理責任者と共通しています。ただし、実務経験として、18歳未満の児童にサービスを提供した経験の有無が問われる点で異なります。既にサービス管理責任者として就業している方は、実務経験の要件を満たしていれば児童発達支援管理責任者としても働くことが可能です。

サービス管理責任者資格の取り方|取得の流れや更新研修についても解説

2-3. 児童指導員

児童指導員は、養護が必要な子どもが入所する施設等で子どもたちの育成・生活指導などを行う資格です。放課後等デイサービスにおいては、児童発達支援管理責任者の指示のもと、障害を持つ児童の支援を行います。

児童指導員
資格取得要件 ・以下のいずれかの要件を満たす
 -大学・大学院・養成校のいずれかで社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修する学部、学科を卒業
 -社会福祉士、精神保健福祉士、教員免許のいずれかの資格を取得
 -最終学歴が高校・短期大学の場合、児童福祉法に基づく事業所で2年以上かつ360日以上の実務経験
仕事内容・役割 ・障害を持つ児童への支援・日常生活の指導
・児童の集団生活への適応支援
・保護者からの相談対応

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「児童指導員」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/243

児童指導員は任用資格であり、研修制度や資格試験が定められていないのが特徴です。資格取得要件を満たした上で、児童指導員を配置する事業所に所属している間は児童指導員を名乗れます。上記の資格取得要件のほか、特定の資格を持っている場合も児童指導員として任命されることが可能です。

3. 放課後等デイサービスへの就職で優遇されやすい資格

社会福祉士・精神保健福祉士などの国家資格や教員免許を持っている場合、児童指導員としてすぐに働けます。 そのため、放課後等デイサービスへの就職で優遇される可能性があります。

社会福祉士・精神保健福祉士・教員免許の資格取得要件や内容は以下の通りです。

社会福祉士
資格取得要件 ・国家試験に合格する
・以下の要件のいずれかを満たす
 -大学・短大などを指定科目を履修して卒業
 -社会福祉士指定養成施設を卒業
社会福祉士は福祉に関するアドバイスや支援を行う専門職で、ソーシャルワーカーとも呼ばれます。「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格であり、福祉に関する高度な知識・スキルを有する仕事です。福祉や医療の相談援助の場において重要な役割を担う職業と言えます。

(出典:全国社会福祉協議会「社会福祉士」
/ https://www.shakyo.or.jp/guide/shikaku/setsumei/01.html

精神保健福祉士
資格取得要件 ・国家試験に合格する
・以下の要件のいずれかを満たす
 -大学を指定科目を履修して卒業
 -短大を卒業後、指定施設において1年または2年以上相談援助の業務に従事
 -社会福祉士指定養成施設を卒業
精神保健福祉士は、ソーシャルワーカーの内、精神保健福祉領域を担当する国家資格です。心の病や精神障害を抱えた方に対して支援や相談対応、社会参加に向けてのサポートなどを行います。

(出典:厚生労働省「精神保健福祉士について」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/seisinhoken/index.html

教員
資格取得要件 ・教職課程のある大学あるいは短大において必要な科目を取得し卒業する
・教員免許状の授与申請を行う
教員免許は、教育機関で教員として働くために必要な資格です。小学校・中学校・高等学校の教員免許を持っている場合は児童指導員として働くことが可能になります。

(出典:文部科学省「教員免許制度の概要」
/ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/20220913-mxt_kouhou02-1.pdf

上記のような資格を持っていれば、知識・スキルに説得力が生まれ、先輩・同僚や保護者からの評価が上がりやすい点も大きなメリットです。

また、作業療法士や言語聴覚士など機能訓練指導員として活動できる資格も、機能訓練を提供している放課後等デイサービスでは就職や転職の際に優遇される可能性があります。放課後等デイサービスで活躍したい方は、働く上で役立つ資格の取得を検討するとよいでしょう。

まとめ

放課後等デイサービスでは、人員配置基準として利用者さん10人につき保育士もしくは児童指導員が2名以上求められます。また、児童発達支援管理責任者を1名以上配置するよう定められています。

うち、児童指導員は社会福祉士・精神保健福祉士・教員免許のいずれかの資格を取得しているか、大学などで心理学をはじめとする科目を修了していれば取得可能な任用資格です。保育士や児童発達支援管理責任者資格のほか、社会福祉士・精神保健福祉士資格や教員免許を持っていれば、放課後等デイサービスの転職で優遇されやすいでしょう。

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※当記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています

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