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サービス管理責任者資格の取り方|取得の流れや更新研修についても解説

公開日:2023.03.19 更新日:2023.08.25
サービス管理責任者資格の取り方|取得の流れや更新研修についても解説

サービス管理責任者は、個別支援計画の作成と管理・スタッフへの指導・関係組織の調整といった幅広い業務をこなす必要があります。福祉支援施設やグループホームに配置が義務付けられており、取得によって施設で重宝される人材となれるでしょう。ただし、サービス管理責任者資格の取得にはさまざまな要件を満たす必要があります。

この記事ではサービス管理責任者を目指す方に向けて、資格取得に必要な実務経験や研修の内容について解説します。

1. サービス管理責任者の資格とは

サービス管理責任者とは、利用者の方により良い福祉サービスを提供できるよう、障害者福祉サービスの提供プロセスに責任を持つ職種です。 福祉支援施設やグループホームでは、サービス管理責任者の配置が義務付けられています。

サービス管理責任者になるために資格試験を受ける必要はありませんが、代わりに実務経験や研修受講といった要件を満たすことが求められます。

厚生労働省が定めるサービス管理責任者の仕事内容は以下です。

○ サービス管理責任者は、以下の役割を担う。
① 個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任
他のサービス提供職員に対する指導的役割

(引用:厚生労働省「障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者について」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000106771_1.pdf/引用日2023/2/21)

サービス管理責任者は個別支援計画の作成に加えて、利用者さんとその家族へ計画の内容を説明する役割や、支援プロセスを管理する役割があります。くわえて、スタッフのスケジュール管理や教育、技術的指導を行い、職場全体をまとめるのもサービス管理責任者の仕事です。また、医療機関とのやり取りや、日程の調整なども行う必要があります。

業務内容が幅広いため、サービス管理責任者には福祉に関する適切な知識や豊富な実務経験、高いコミュニケーション能力やマネジメント能力が求められます。

2. サービス管理責任者の資格の取り方

サービス管理責任者になるための要件は、以下の4つです。

●一定期間の実務経験
●サービス管理責任者基礎研修
●相談支援専門員初任者研修講義
●サービス管理責任者の実践研修

2018年度以前は要件となる研修は1つでしたが、段階的なスキルアップを図ることができるよう、2019年度以降は「基礎研修」と「実践研修」に研修が分けられました。また、実務経験のうち直接支援業務の必要期間が短縮されるといった変更も同時に行われています。

(出典:厚生労働省「相談支援専門員及びサービス管理責任者等の研修制度の見直しについて」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000195407.pdf

2-1. 一定期間の実務経験を積む

サービス管理責任者になるには、定められた実務内容を一定期間経験する必要があります。

業務範囲 必要年数
相談支援業務 5年以上
直接支援業務 8年以上
社会福祉主事任用資格等を有する者による相談支援または直接支援業務 5年以上
国家資格等の業務に3年以上従事している者による相談支援または直接支援業務 3年以上

(引用:兵庫県「実務経験一覧表(サービス管理責任者)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/sabikan_ichiran.pdf/引用日2023/2/21)

資格がない場合は5~8年の実務経験が要求されます。医師や看護師などの国家資格が必要な業務に従事している場合は、最短で3年の経験を積むことで実務要件を満たせます。

相談支援業務とは、身体・精神に障害がある方の相談に乗り、助言や支援を行う業務です。

直接支援業務とは、身体・精神に障害がある方に向けて食事、入浴、排泄などの介護をし、十分な生活能力が身につくように生活訓練などを行う業務です。

2-2. サービス管理責任者の基礎研修を受ける

サービス管理責任者への第一歩である基礎研修は、実務要件に2年満たない段階から受講できるようになります。

(引用:厚生労働省「相談支援専門員及びサービス管理責任者等の研修制度の見直しについて」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000195407.pdf

基礎研修の内容は「相談支援従事者研修の講義部分」と「サービス管理責任者基礎研修」の2つに分かれます。標準的なカリキュラムの内容は以下です。

【相談支援従事者研修の講義部分の標準的なカリキュラム】

科目 時間数
障害児者の地域支援と相談支援従事者(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)の役割に関する講義 5.0h
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の概要並びにサービス提供のプロセスに関する講義 3.0h
相談支援におけるケアマネジメント手法に関する講義 3.0h

(引用:熊本県「相談支援従事者研修の見直しについて」
/ https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/107510.pdf/引用日2023/2/21)

【サービス管理責任者基礎研修の標準的なカリキュラム】

科目 時間数
1, サービス管理責任者の基本姿勢とサービス提供のプロセスに関する講義 (7.5時間)
2, サービス提供プロセスの管理に関する演習 (7.5時間)
合計 15時間

(引用:東京都福祉保健局「サービス管理責任者研修事業の実施について」
/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf/引用日2023/2/21)

ただし、自治体によっては地域性、受講者の希望等を考慮して、カリキュラムの時間数や科目の追加を行うことがあります。受講前には研修を主催する自治体のカリキュラムを確認しましょう。

2つの研修を修了すれば、基礎研修修了者として、すでに事業所に配置されているサービス管理責任者から指導を受けつつ、2人目のサービス管理責任者として業務ができます。また、個別支援計画の原案を作成できるようになります。

・既に事業所にサビ児管が配置されている場合、基礎研修修了者を2人目以降に配置するサビ児管として配置することができます。
・実践研修受講前でも個別支援計画の原案の作成に係る業務を行うことができます。

(引用:福井県総合福祉相談所 障がい者支援課「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修制度の改正について」
/ https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/soudansyo/chikousou/sabikan_zissen_d/fil/seidonokaisei.pdf/引用日2023/2/21)

2-3. サービス管理責任者の実践研修を受ける

基礎研修後に最低2年の実務経験を積むことで、サービス管理責任者の実践研修が受講できます。

(2) サービス管理責任者実践研修

① 研修対象者

ア サービス管理責任者基礎研修を修了後、本研修の受講開始日前5年間に指定障害福祉サービス事業所等において通算して2年以上、相談支援の業務又は直接支援の業務に従事した者で、指定障害福祉サービス事業所においてサービス管理責任者として従事しているもの又は従事しようとするもの

イ 平成 31 年4月1日において改正前の指定障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者として厚生労働大臣が定めるもの等(平成 18 年厚生労働省告示第 544 号。以下「サービス管理責任者告示」という。)第1号イの(1)から(5)までのいずれかの規定に該当する者であって、同日以後に相談支援従事者初任者研修(講義部分)修了者となったもの(アに定める相談支援の業務又は直接支援の業務に従事した者に限る。)で、指定障害福祉サービス事業所においてサービス管理責任者として従事しているもの又は従事しようとするもの

ウ サービス管理責任者告示に定める期間内にサービス管理責任者更新研修の修了者とならなかった者で、指定障害福祉サービス事業所においてサービス管理責任者として従事しているもの又は従事しようとするもの。この場合にあっては、アに定める相談支援の業務又は直接支援の業務の従事者であることを要しない。

(引用:東京都福祉保健局「サービス管理責任者研修事業の実施について」
/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf/引用日2023/2/21)

実践研修の標準的なカリキュラムは14.5時間で、内容は以下です。

【サービス管理責任者実践研修の標準的なカリキュラム】

科目 時間数
1, 障害福祉の動向に関する講義 (1時間)
2, サービス提供に関する講義及び演習 (6.5時間)
3, 人材育成の手法に関する講義及び演習 (3.5時間)
4, 多職種及び地域連携に関する講義及び演習 (3.5時間)
合計 14.5時間

(引用:東京都福祉保健局「サービス管理責任者研修事業の実施について」
/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf/引用日2023/2/21)

基礎研修と同じく、自治体によってはカリキュラムの時間数や科目の追加が行われます。実際に研修を受ける前に、自治体に確認を取りましょう。

実践研修を修了すれば、サービス管理責任者の資格を取得でき、1人でサービス管理責任者としての業務を行えるようになります。

3. 資格取得後も定期的に更新研修を受ける必要あり

サービス管理責任者の資格を取得した後も、サービス管理責任者は5年ごとに更新研修を受ける必要があります。研修の対象になるのは、実践研修を終了してから5年以内に2年以上サービス管理責任者の業務に従事した方です。

(3) サービス管理責任者更新研修
① 研修対象者
ア サービス管理責任者実践研修を修了後、指定障害福祉サービス事業所等においてサービス管理責任者若しくは管理者として従事している者又は指定一般相談支援事業所若しくは指定特定相談支援事業所において相談支援専門員として従事している者で、指定障害福祉サービス事業所においてサービス管理責任者として従事しているもの又は従事しようとするもの
イ サービス管理責任者実践研修を修了後、本研修の受講開始日前5年間においてアの業務に通算して2年以上従事していた者で、指定障害福祉サービス事業所においてサービス管理責任者として従事しているもの又は従事しようとするもの

(引用:東京都福祉保健局「サービス管理責任者研修事業の実施について」
/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf/引用日2023/2/21)

5年以内に更新研修を受けられなかった方や、サービス管理責任者としての実務経験が2年に満たなかった方はサービス管理責任者の資格を失います。ただし、一度サービス管理責任者資格を取得していた方は、再度実践研修を受講することでサービス管理責任者として働けるようになります。

更新研修の標準的なカリキュラムは以下ですが、基礎研修・実践研修と同じく、自治体によってはカリキュラムの時間数や科目の追加が行われます。

【サービス管理責任者更新研修の標準的なカリキュラム】

科目 時間数
1, 障害福祉の動向に関する講義 (1時間)
2, サービス提供の自己検証に関する演習 (5時間)
3, サービスの質の向上と人材育成のためのスーパービジョンに関する講義及び演習 (7時間)
合計 13時間

(引用:東京都福祉保健局「サービス管理責任者研修事業の実施について」
/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf/引用日2023/2/21)

まとめ

サービス管理責任者とは、より良い障害者福祉サービスを提供するために、個別支援計画の作成や管理、スタッフへの指導、他の施設との連携を行う職種です。

サービス管理責任者の資格取得には要件が定められており、一定期間の実務経験を積み、基礎研修・実践研修を受講することでサービス管理責任者として働くことが可能です。ただし、その後も5年ごとに更新研修を受け続ける必要があります。

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※当記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています

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