春分とは?春分の日の風習や介護施設向きの食べ物・イベントを解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
春分(しゅんぶん)の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日であり、古くから季節の節目として親しまれています。また、春分の日を中日とした前後3日間は「春のお彼岸」と呼ばれ、ご先祖様をうやまい、家族の絆を深める時期となっています。介護施設でも、春分の日にちなんだ食事やイベントを取り入れることで、利用者さんに心豊かな時間を過ごしてもらえるのではないでしょうか。
この記事では、春分の日の由来や風習、介護施設で提供できるおすすめの食事、レクリエーションについて詳しく解説します。
1.春分とは?
春分には、太陽が真東から昇り真西に沈むため、昼と夜の時間がほぼ等しくなります。
春分は二十四節気(太陽の動きをもとに1年を24分割した暦)において、1年のはじまりの季節とされており、日本では毎年3月20日または21日にあたります。春分の日は1948年に「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として国民の祝日に制定されましたが、こちらは宮中行事である「春季皇霊祭」が由来だと言われています。
(出典:内閣府「「国民の祝日」について」)
2025年から2027年にかけての春分の日は以下の通りです。
| 2026年 | 3月20日(金) |
|---|---|
| 2027年 | 3月21日(日) |
| 2028年 | 3月20日(月) |
(出典:国立天文台「何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの?」)
天文学的には、春分=太陽が黄道上の「春分点」を通過する瞬間を指す言葉で、春分を含む日のことを「春分日」と呼びます。春分を過ぎると、北半球では冬から春へと季節が変わり、日照時間も徐々に長くなります。
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2.春分の日の風習
春分の日は、昔から春のはじまりと見なされており、種まきや農作業を始める日として重視されてきました。
また、春分の日を中日とした前後3日間は「春の彼岸」と呼ばれ、先祖供養やお墓参りを行う習慣があります。ちなみに、仏教では真西の方角に極楽浄土があるとされており、太陽が真西へと沈む春分の日や秋分の日は、現世と浄土が最も通じやすくと言われています。
以下では、春のお彼岸の風習について解説しましょう。
仏壇を掃除する
お彼岸は、ご先祖様や仏様を慰霊する大切な時期。そのため、春分の日を迎える前に仏壇を掃除し、ご先祖様や仏様への感謝を示すのが古くからの慣わしとなっています。掃除の際はご本尊や位牌に掃除の了承を得てから、柔らかい布などで汚れを拭き取ります。
また、仏壇に花や果物、お菓子(ほたもち)などをお供えするのもお彼岸の風習です。故人の好きだったものを供えても構いませんが、肉や魚などの殺生にかかわるもの、においの強いもの、酒類は避けましょう。地域や宗派によっては、御霊具膳と呼ばれる小型のお膳に、精進料理を載せて仏壇にお供えする場合もあります。
お墓参りをする
お彼岸には、家族そろってお墓参りをする風習もあります。お墓参りの風習としてはお盆が有名ですが、お彼岸のお墓参りには「ご先祖様に会いに行く」という意味があり、お盆のお墓参り(戻ってくるご先祖様を「お迎えする」ためのもの)とは、目的が異なります。
お墓参りをするのは、現世と浄土が最も通じやすくなる春分の日がベストとされていますが、お彼岸の期間中であれば問題ありません。遠方に住んでいる家族がいる場合などは、集まりやすい日を選ぶのがよいでしょう。なお、お墓参りをするのは午前中が好ましいとされていますが、これは「ほかの用事よりもお墓参りを優先することが、仏様を優先することにつながる」との理由からです。
ぼたもちを食べる
春のお彼岸にはぼたもち、秋のお彼岸にはおはぎを食べるのが一般的です。古代中国では、小豆には邪気を払う力があるとされており、日本でも昔から赤いものには特別な力があると考えられてきました。そのため、あんこを使ったもちは縁起がいいとされ、無病息災の願いを込めてお供えしたり、食べたりするようになったと言われています。
ぼたもちやおはぎを食べる風習は江戸時代に生まれたとされており、当時は「あんこで丸めたもちをくるんだもの」をぼたもち(春)、夜船(夏)、おはぎ(秋)、北窓(冬)と呼び分け、季節の変わり目に食べていたのだとか。しかし、次第に夏と冬にあんこもちを食べる風習はなくなり、現在ではぼたもちとおはぎだけが残っています。ちなみに、江戸時代の中期までは砂糖が希少だったため、ぼたもちは塩で味付けされるのが一般的でした。
(出典:農林水産省「春の和菓子ぼたもち」)
赤飯を炊く
春分の日に、小豆を使って赤飯を炊くのも古くからの伝統です。もち米と小豆はどちらも厄除けの力を持つとされているため、新しい季節における家族の健康や繁栄を願って、春分の日に赤飯が食べられてきました。なお、小豆は煮ると割れてしまい、切腹をイメージさせることから、武家の多かった関東地方では小豆の代わりささげ豆を使っていたそうです。
お祝い事のときに赤飯を食べるのは、中国から伝わった赤米(インディカ種)を蒸して、縁起物として神仏にささげた風習がもとになっています。しかし、時がたつにつれて小豆を入れたごはんが、祝儀用の食事として武家の間に浸透。江戸時代中期には赤米の代用品として小豆で色を付けた赤飯が広まり、神仏への捧げものやお祝い事の行事食として定着したとされています。
(出典:赤飯文化啓発協会「お赤飯の歴史」)
彼岸団子を供える
お彼岸には、米粉や上新粉で作った彼岸団子をお供えし、ご先祖様への感謝と家族の無病息災を祈ります。お供えした後は、家族で分け合って食べると、福を取り込み、厄除けができると言われています。
彼岸団子の供え方に明確な決まりがありませんが、6個・7個・13個のいずれかで供えられることが多く、それぞれ以下のような意味があるとされます。
| 6個 | 六道(生命が生まれ変わる6つの世界)を表す |
|---|---|
| 7個 | 六道からの解脱や、死後に閻魔大王の裁きが下される七七日(四十九日)を表す |
| 13個 | 死後、三十三回忌までご先祖様を守る十三仏にあやかる |
3.【介護施設向け】春分の日向きの食べ物・イベント
春分の日は、自然の恵みに感謝し、生命の尊さを見つめ直す大切な日です。介護施設でも、この機会に季節感を取り入れた行事や食事を提供し、利用者さんに春の訪れを感じてもらいましょう。
ここからは、春分の日にぴったりのイベントやレクリエーションのアイデアを4つ紹介します。
ぼたもち作り
ぼたもちを作るレクリエーションは、春分の日の定番レクです。利用者さんに懐かしさを感じてもらえるほか、手先を使う作業が手指のトレーニングにもなります。
・ぼたもち作りレクの流れ
| 1 | もち米は、あらかじめ炊いてつぶしておきます。扱いやすいように、一口サイズに分けておくとよいでしょう。あわせて、あんこ(こしあん)も適切な硬さに調整しておきます。嚥下能力が落ちている方がいる場合は、通常のもち米の代わりに、介護用食品を活用するのがおすすめです。 |
|---|---|
| 2 | 参加される方の人数分、手指消毒液や使い捨て手袋、エプロンを用意しましょう。 |
| 3 | 利用者さんに向けて、春分の日やぼたもちの由来について簡単に話した後、職員がデモンストレーションを行います。 |
| 4 | 利用者さんに実際にぼたもちを丸めてもらいます。あんこのほかに、きな粉や黒ごま、抹茶パウダーなどを用意しておくと、利用者さんが自分好みの味に仕上げられます。 |
| 5 | 昔の思い出や好きな食べ物についての話題を振り、みんなで会話を楽しみながらぼたもちを食べましょう。 |
彼岸団子作り
彼岸団子作りも利用者さんに人気のあるレクリエーションです。彼岸団子には、ぼたもちよりも粘性が低くのどに詰まりにくいという特徴があるので、嚥下機能に不安がある利用者さんが多い場合は、彼岸団子を使ったレクリエーションを企画するのがよいかもしれません。
彼岸団子を作るときは上新粉を使い、豆腐を混ぜるのがおすすめです。粘り気が少なく歯切れのよい団子になるので、より嚥下しやすくなるでしょう。豆腐が入っていると、口当たりもよくなります。
お墓参り
利用者さんにとって、自力でのお墓参りはリハビリテーションの目標にもなり、モチベーションアップにつながります。お墓参りができるようになれば、それまで外出に積極的ではなかった利用者さんが、「外に出たいと」前向きになる可能性もあります。
ただし、利用者さんの身体状況や墓地の立地・環境によっては、自力でのお墓参りが難しいことも考えられます。その場合は、オンラインのお墓参りを企画するのも1つの方法です。ご家族がお墓参りをする際、ビデオ通話で利用者さんとつながれば、遠隔でお墓参りに参加できるので、きっと喜んでもらえるはずです。
春分の日にまつわるクイズレク
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という春分の日の主旨にちなんで、動植物にまつわるクイズレクを実施するのも盛り上がるでしょう。以下に、クイズの一例を紹介します。
| 問題 | 回答 |
|---|---|
| 世界一背が高い動物はなんでしょう? | キリンで、背の高さは最大で5メートルに達します。キリンには9種類の亜種がいますが、模様が違うだけで体格はほとんど変わりません。 |
| 世界一速く飛ぶ鳥はなんでしょう? | ハヤブサです。急降下するときのスピードは、なんと時速389キロメートルに達します。なお、急降下ではなく、水平に空を飛ぶ速さがいちばん速いのはハリオアマツバメで、時速170キロメートルで空を飛びます。 |
| 世界一大きな生き物はなんでしょう? | 動物であれば、体長30メートルを超えるシロナガスクジラが世界最大です。ただし、範囲を生き物全体に広げるなら、キノコの一種であるオニナラタケが世界最大になります。オニナラタケは地下の「菌糸体」と呼ばれる部分でつながっており、大きさは7.8平方キロメートルにもおよびます。 |
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まとめ
春分の日のレクリエーションとして定番なのは、ぼたもち作りや彼岸団子作りです。また、春分の日にお墓参りする目標を立てれば、リハビリに取り組む利用者さんの意欲向上にもつながるでしょう。春分の日が「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日であることから、自然や生き物についてのクイズレクを実施するのもおすすめです。
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※当記事は2024年11月時点の情報をもとに作成しています
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