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ニュース 医療介護最新ニュース 2020/07/27

変形性肘関節症[私の治療] 和田卓郎済生会小樽病院病院長解説

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介護のみらいラボ編集部コメント

介護現場でも目にする変形性肘関節症。どのような症状が起き、医師はどのように治療するのか。手術後などリハビリ時に介護職員がストレッチを助けるべく手を添えて動かす(他動)するのは良いのか悪いのか?リハビリに詳しい済生会小樽病院院長の和田卓郎先生が解説します。

変形性肘関節症とは

一次性:肘関節に軟骨変性,骨棘形成,関節面の不適合が生じ,疼痛,可動域制限などの機能障害を呈する病態である。肘を酷使する労働,スポーツによるオーバーユースが原因になることが多い。
二次性:肘関節内骨折,離断性骨軟骨炎(野球肘),化膿性関節炎,関節リウマチなどの外傷や炎症性疾患に伴い二次性に発生する。

▶診断のポイント

【症状】
肘関節の疼痛,可動域制限,ロッキング。屈曲制限のため洗顔,食事,ワイシャツのボタンかけなどの動作が困難になる。肘部管症候群を合併することが多く,環指・小指のしびれ,握力低下がみられる。

【画像所見】
単純X線像では,骨棘形成,遊離体,関節裂隙の狭小化が認められる。CT,特に3次元CTは骨棘,遊離体の局在を把握するのに有用である(図)

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▶私の治療方針・処方の組み立て方

保存治療として局所の安静,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与,関節内ステロイド注射を行い,関節滑膜炎の消退による症状の改善を期待する。保存治療を行っても,日常生活動作,労働,スポーツに支障をきたす例では手術を行う。遊離体切除,骨棘切除を行い,疼痛と可動域改善をめざす。スポーツ選手などでは,早期競技復帰をめざし肘関節鏡視下の低侵襲手術も行われる。

▶治療の実際

【保存治療】
一手目 :局所安静を指導する。シーネ固定を行ってもよい
モーラス®パップXR120mg(ケトプロフェン)1日2回(貼付),ロキソニン®60mg錠(ロキソプロフェン)1回1錠1日3回(毎食後)併用

二手目 :〈一手目に追加〉リンデロン®懸濁注(ベタメタゾン酢酸エステル2mg/ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム0.66mg配合)2.5mg,カルボカイン®アンプル注1%(メピバカイン)併用
1mLの関節内注射を行い,滑膜炎の消退および症状の改善を期待する。頻回の関節内注射は勧められない。炎症の消退後にはストレッチングや筋力強化のリハビリテーションを行う

【手術療法】
遊離体の嵌頓による疼痛,可動域制限のため,日常生活,仕事,スポーツに支障をきたす例では手術治療を行う。原因となる遊離体,骨棘を切開手術,または鏡視下手術で切除する。尺骨神経麻痺を合併する例では,神経剥離術や神経移動術を併用する。

【術後リハビリテーション】
ストレッチング,自動運動を中心としたリハビリテーションを行い,無理なく徐々に可動域改善を図る。暴力的な他動運動は異所性骨化を引き起こす危険があり,禁忌である。

参考:

▶ 和田卓郎:スポーツ傷害のリハビリテーション. 第2版. 山下敏彦, 他, 編. 金原出版, 2017, p416-42.

和田卓郎(済生会小樽病院病院長)

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出典:医事新報社

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