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ニュース 医療介護最新ニュース 2021/01/05

ウイルスが運んで来たもの 安曇野赤十字病院病院長 中野 武先生

介護のみらいラボ編集部コメント

2021年の幕開けも、新型コロナウイルスの流行で、緊急事態宣言を出すか出さないかという緊迫した情勢で始まりました。そのようなコロナ禍の中、各地の医療介護関係者は、職場と家でどのように過ごしているのでしょうか。
安曇野赤十字病院の中の先生は、カミュの名作「ペスト」は今読んでも人々の動向などは変わらないと言います。

昨年はコロナ禍で外出が減り、自宅で読書する機会が増えた1年でした。そして評判となった書籍を再読してみました。アルベール・カミュの「ペスト」、ダニエル・デフォーの「ペストの記憶」などの作品です。また、パンデミックを扱った小松左京の「復活の日」、これは50年以上前の作品です。学生時代に細菌学の授業で紹介され、読んだ記憶があります。映画化されたのは自分が医者になってからでしょうか。

「ペストの記憶」や「ペスト」を読むと300年以上前のロンドン、そして70年前オランでの語り手H・Fや医師ベルナール・リウーの眼前の光景は、国内外でいま起こっているものと変わりません。不安や恐怖の中で、流言飛語、自暴自棄な行動、買占めや売り惜しみ、モラル崩壊、詐欺などの犯罪。もちろん、感染流行で発揮される人の勇気、優しさ、美しさがあります。科学や技術は格段に進歩したものの、人間の本質は変化していないようです。そして、感染者への偏見や差別の問題があります。医療スタッフの子どもさんが登園を断られたとの話も聞きました。ウイルスは様々な物を運んできました。不安の増大で潜んでいた社会の負の側面が姿を現すようです。

国際的人道支援団体である日本赤十字社は、災害や紛争、感染症流行時に国内外で救援活動を行っています。今回の大型クルーズ船の救護・防疫活動もその1つです。それらの活動の中で「こころのケア」を担当する臨床心理士をはじめとしたスタッフが、その経験を生かしてサポートガイド集「こころの健康を保つ」を作成しました。さらに「ウイルスの次にやってくるもの」「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」など、アニメ動画も誕生しました。不安や偏見の起こる仕組み、対処法に触れています。日本赤十字社のホームページや検索サイトから閲覧可能です。私たちは職場で共有し地域へ発信しています。皆様にご紹介いたします。

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出典:介護のニュースサイトJOINT

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