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ニュース 医療介護最新ニュース 2021/03/03

「科学的介護は介護職の専門性で評価高める好機」介護福祉士会及川会長

人に寄り添うプロという生き方.jpg

介護のみらいラボ編集部コメント

「ここが介護職の腕の見せ所」介護福祉士会及川会長はこう語りました。
新年度からの介護報酬改定では、自立支援・重度化防止の推進が大きな目標のひとつに掲げられ、ADL維持や褥瘡防止、おむつ不使用や寝たきり予防・回復にインセンティブ(加算)が設けられました。
これは介護職の専門的技能を活かし、しかも外部にそれを証明できるもので、介護職の評価を高めるチャンスだと言えそうです。

昨年から議論が重ねられてきた4月の介護報酬改定は、新たな単位数も公表されるなど具体像が明らかになりました。

※ この記事は日本介護福祉士会・及川ゆりこ会長へのインタビュー取材に基づいてJoint編集部が作成したものです。

自立支援・重度化防止の推進が柱の1つに据えられ、この視点に基づく施策が数多く盛り込まれています。

ご利用者のADLを維持する、口腔・栄養の状態を改善する、褥瘡の発生を防ぐ、おむつを使用しない、寝たきりにさせない − 。

介護現場にそうした取り組みを促すインセンティブが拡充されました。リハビリテーション、機能訓練、口腔、栄養の取り組みを一体的に進める考え方、あるいは「科学的介護」や「アウトカム評価」の考え方が以前より強めに押し出されたことも、今回の特筆すべきポイントだと言えるでしょう。

私はこうした流れを、介護福祉士にとって基本的にポジティブなものだと捉えています。我々が専門性を発揮できる機会が増える、と考えているからです。

一昔前だとこの手の話は、どちらかというとリハビリ専門職や栄養士、看護師などが主役となるスタイルが多い傾向にありました。ですが現在は、介護職が中心プレイヤーの1人としてより明確に位置付けられるようになりました。他の専門職の関与も引き続き大事な要素ですが、彼らと連携して介護職が取り組むスキームも明らかに増えてきています。

ここは介護職の腕の見せどころではないでしょうか。介護職のチームで中心的な役割を担う介護福祉士としても、十分に活躍していかなければいけないと認識しています。

高齢者の要介護認定率は必ずしも高くなく、国の統計では85歳を超えてようやく5割に至ると報告されています。実際、末永く元気に活躍されている方は地域に多くおられますし、適切な介入でそうした生活を取り戻す方も少なくありません。

自立支援・重度化防止の推進という視点には、まだまだ大きな可能性が秘められているのではないでしょうか。たくさんのご利用者に元気な状態になってもらえるよう、もっともっと追求していくべきだと考えています。もちろん、人生の最終段階へ向かっている方も含めご利用者には多様なニーズがあり、それぞれの生き方や尊厳を第一にすべきことは言うまでもありません。

我々にとって大切なのは、専門性の高い職業としての立ち位置を社会の中でしっかりと確立していくことです。単なるお手伝いさんのように扱われる現実が未だにあるのだとしたら、私はそれをなんとか覆していきたい。

自立支援・重度化防止、科学的介護などの方向性は、そうした大きな目標を実現していく1つの有力な道筋です。データベース(LIFE)やICTの有効活用も同じです。我々が持っている経験値にエビデンス、テクノロジーを加えれば、サービスの質も社会からの評価も一段と高まるのではないでしょうか。

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出典:介護のニュースサイトJOINT

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