介護職の賃上げ、財源は被保険者年齢の30歳への引き下げで 介事連 処遇改善加算の再考も
《 全国介護事業者連盟・斉藤正行理事長(2021年6月撮影) 》
岸田文雄首相が重要施策に位置付ける公的価格の抜本的な見直しによる介護職の賃上げについて、全国介護事業者連盟が12日に政府へ要望書を提出した。【Joint編集部】
継続的で十分な賃上げに欠かせない財源の確保策に言及。現行で40歳以上となっている介護保険の被保険者の年齢を、新たに30歳以上へ引き下げてはどうかと提言した。保険料を徴収する範囲を拡大し、その増収分を介護報酬の引き上げの原資にするという考え方だ。
ただ若い世代、子育て世代の負担を更に重くすることには慎重論が根強い。同様の意見は過去に何度も出ているが、政府は採用を見送り続けてきた経緯がある。
全国介護事業者連盟はこのほか、要望書の中で賃上げの具体策にも触れた。既存の「処遇改善加算」とは異なる仕組みを検討するよう呼びかけている。
「従業員の給与規定に関する事項は、企業経営の根幹に関わること。過分な加算額や細かな取り決めは介護事業者の経営の独自性に影響を及ぼす」と指摘。「事業者の裁量権の拡大を前提とした制度設計を」と注文した。
あわせて、個々の事業所の実情に応じた柔軟な分配を認めること、ケアマネジャーらも賃上げの対象に含めることなども併せて要請した。
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介護のみらいラボ編集部コメント
全国介護事業者連盟が11月12日、岸田文雄首相が重要施策に位置付ける公的価格の抜本的な見直しによる「介護職の賃上げ」についてに政府へ要望書を提出しました。要望書では継続的で十分な賃上げに欠かせない財源の確保策に言及されており、現行40歳以上となっている介護保険の被保険者の年齢を、新たに30歳以上へ引き下げてはどうかと提言されています。保険料を徴収する範囲を拡大し、その増収分を介護報酬の引き上げの原資にするという考え方です。しかし、若い世代、子育て世代の負担を更に重くすることには慎重論が根強く、政府はこれまで採用を見送り続けてきた経緯があります。