Produce by マイナビ介護職 マイナビ介護職

介護の未来ラボ -根を張って未来へ伸びる-

ニュース 介護業界ニュース 2026/02/26

#インタビュー

ヘビメタを習って認知症を予防!?楽しく取り組めるボイトレメソッド「オジーメタル」に注目

iv260203_a.jpg

介護のみらいラボ編集部コメント

/

埼玉県川口市にあるSMDボーカル教室では、認知症の予防にもつながるボイストレーニングメソッド「オジーメタル」を取り入れたレッスンを提供しています。腹式呼吸や高音域シャウト発声、エアーギター・エアードラムの動きなどに取り組むことで、心身両面の健康保持・増進を目指す狙いです。オジーメタルの概要や具体的なレッスンの内容などについて、SMDボーカル教室の本山直人氏に話を聞いてみました。

ーー「オジーメタル」を取り入れたレッスンとは、どのようなものなのでしょうか。

「オジーメタル」は、ヘビーメタルの要素を取り入れた、心身の若返りや認知症予防を目指す高齢者向けのボイストレーニングメソッドです。レッスンでは、歌唱はもちろん、高音シャウトの発声練習、エアーギター・エアードラムの動きを使ったエクササイズなどを行います。さらに、若返りのための腹式呼吸、姿勢や歩き方の改善、ステージングまで実践的に指導することで、楽器のスケールやリズム感・ピッチ感覚も養います。

ちなみに、「オジーメタル」との名は、ヘビメタ界のレジェンドであるオジー・オズボーンの名前と、「おじいさん」のオジーをかけて付けたものです。当教室は、もともと子どもから大人まで幅広い年代の方が通ってくださっていますが、この「オジーメタル」を取り入れたレッスンを始めて以来、シニア世代の生徒さんがぐっと増えたと感じています。

ーーシニア世代の方は、どのようなきっかけで通い始める方が多いのですか。

シニア世代の生徒さんのタイプは、大きく2つに分かれます。ひとつは「歌が上手で、もっとスキルを伸ばしたい」という方。もうひとつは「歌に自信がなく、音痴を直したい」「趣味がなかったので新しく始めたい」という方です。単純に、歌が好きで楽しみたいという気持ちが原動力になっているケースがほとんどです。

また、老人ホームでの訪問イベントがきっかけで興味を持ち、教室に来るようになった方もいらっしゃいます。講師である私との相性や雰囲気を気に入ってくださる方が多く、長く続けてくださっているのはとても励みになりますね。年齢層は60代から80代まで幅広く、なかには88歳の方も通われています。

ーー「オジーメタル」を取り入れたレッスンの基本的な流れを教えてください。

レッスンは、まずその方が「上手に歌いたい」と思っている曲を丁寧に仕上げるところから始まります。例えば「川の流れのように」を歌いたい場合は、この曲を課題曲として練習しつつ、リズムトレーニングによって基礎を整えるイメージです。このステップに4ヶ月ほどかかることもあります。

曲がある程度歌えるようになったら、次に同じ曲をロック風にアレンジして挑戦します。「ロック調」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、すでに馴染みのある曲なので、テンポが速くなっても対応しやすく、新しいスタイルに挑戦する楽しさと達成感が生まれるのです。このステップでは、高い声を出すための体重移動や、身体の使い方も身につけていただきます。

その後は、リズムトレーニングや腹式呼吸、立って行うプランク、腕を大きく回すエアーギターなど、体幹や全身を使うエクササイズを取り入れます。エアーギターは肩甲骨まわりを大きく動かすため、肩こりの軽減につながることも多く、発声に大切な部位を効率よく刺激できるのです。もちろん、基本の動きに慣れ、「気持ちがいい」「もっと本格的にやりたい!」といった希望が生徒さんから出た場合は、よりレベルの高い曲やヘビーメタルの曲に挑戦することもあります。

レッスン中の本山さん

レッスン中の本山さん

ーーシニア世代の方は、ロックやヘビーメタルに抵抗がありそうなイメージがあります。どのようにレッスンに繋げているのでしょうか。

もちろん、最初からいきなりヘビーメタルに挑戦するわけではありません。まずは演歌など、生徒さんの馴染みのある曲から始めます。そこにリズムを少し速くしたり、伴奏のアレンジを変えていったりすると、雰囲気が一気に変わり、メタル風の曲として楽しめるようになります。歌そのものは同じでも、周りの音が変わることで、新しい刺激やワクワク感が生まれるのです。中には、最初から「ヘビーメタルを習いたい」という生徒さんもいらっしゃるため、そうした場合は初回から本格的な曲に挑戦します。それぞれの生徒さんのペースに合わせて、無理なく楽しめるように工夫していますね。

ーーエアーギター・エアードラムも、なんとなく取り組むハードルが高そうに感じます。

こちらも、無理にすすめることはありません。基本的には、生徒さんの興味や意欲を第一にしています。最初からエアーギターやエアードラムを取り入れるのではなく、まずは歌のレッスンのなかで、自然にリズムを身体で感じてもらうことから始めます。生徒さんの歌声に合わせて、私がエアーギターの動きでリズムを取ってみせると、次第に「楽しそう!」と感じてくださるようです。そのうえで、生徒さんからの希望があったり、楽しんで取り組んでいただけそうな様子が見られたりした場合に、簡単な動きから少しずつ取り入れています。ただし、興味がなさそうな方に無理にすすめることは絶対にしません。近くで見ているだけでも良い刺激になりますし、「先生が楽しそうにやっているのを見て、やっぱり自分も挑戦してみたくなった」という声をいただくこともあります。

例えば、立ち上がってゆっくり一回転する動きだけでも、高齢者にとっては大きなチャレンジです。最初は怖がる方も多いですが、少しずつステップを広げながら練習していくと、最終的にはスムーズに一回転できるようになります。レッスンに通うたびに、できることが増え、挑戦の幅が広がっていくイメージです。歌の世界にはゴールがありません。だからこそ、年齢に関係なく少しずつできることが増える喜びを感じながら、楽しんで続けてもらうことが何より大切ではないかと考えています。

ーー音楽経験が少ない方や、高齢で体力に自信がない方が受講する際に、意識していることはありますか。

無理をさせないことを最優先にしています。レッスン中に疲れている様子があれば、すぐに座って休んでいただき、座学に切り替えます。具体的には、歌い方のコツを説明したり、曲のイントロを聴いて当てるクイズをしたりと、身体を使わずに楽しめる内容に変更します。特に、イントロクイズは年代を問わず盛り上がる傾向にありますね。

また、リズムが取りにくい方や声を出しにくい方には、無理なく取り組める簡単なレッスンから始めるようにしています。当教室の生徒さんには、精神的な影響で言葉を発しにくくなっている方や、耳鼻咽喉科の先生から「ボイストレーニングを受けてみては」とすすめられて受講を決めた方もいらっしゃいます。そうした方々にも安心して参加していただけるよう、生徒さんの体調やご希望に合わせて内容を調整することは欠かせません。30年以上の指導経験を活かし、生徒さんの様子を細かく確認しながら、楽しみながら続けられる環境づくりを心がけています。

スピード転職情報収集だけでもOK

マイナビ介護職は、あなたの転職をしっかりサポート!介護職専任のキャリアアドバイザーがカウンセリングを行います。

はじめての転職で何から進めるべきかわからない、求人だけ見てみたい、そもそも転職活動をするか迷っている場合でも、キャリアアドバイザーがアドバイスいたします。

完全無料:アドバイザーに相談する

最新コラムなどをいち早くお届け!
公式LINEを友だちに追加する

お役立ち情報を配信中!
X(旧Twitter)公式アカウントをフォローする

介護職向けニュースを日々配信中!
公式Facebookをチェックする

SNSシェア

タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

EGGOの執筆・監修記事