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【今日は何の日?】8月24日=池袋西武「おわびセール」がパニックを引き起こす(1963年)/ 雑学ネタ帳
《画像はイメージです》
61年前の1963(昭和38)年。8月22日、東京・池袋駅東口の西武百貨店(堤清二社長)の7階から出火。この日は定休日だったものの、夜8時35分に鎮火するまで計1万2,679平方mを焼き、改装作業中の作業員や公休出勤していた店員ら7人が死亡する惨事となりました。
出火の原因は作業中だった15歳と18歳の少年作業員がタバコを吸った(※これも違法です)際に、燃えさしのマッチを捨てたところ、これが床にこぼれた消毒剤に引火し、一気に燃え広がったものと見られています。
西武百貨店では2日後のこの日、朝10時から消火作業中に濡れてしまった被災品などを中心とした「おわびセール」の開催を告知。これが火事のニュースと相まっては大反響を呼び、開店前の朝8時ごろから続々とお客さんが詰めかけます。このままでは店の周囲の歩道はもちろん、池袋駅の地下道までが人で溢れかえってしまうことを危惧した西武百貨店側では急きょ、30分繰り上げて朝9時30分に開店することにしました。
まず約3万人ものお客さん(※警察調べでは約1万人)を店内に入れ、残りは店員の制止で各入口にて待機してもらいます。店内に入ったお客さんは2、3、4階の男女肌着類、衣類雑貨売り場へと殺到。なにしろ婦人スーツが700円也、紳士上着が900円也の破格値とあり、店内はそれだけで大騒ぎのパニック状態に。不謹慎ではありますが、まさに"火事場"のような凄まじさだったとか...。
店内のあまりの混雑、パニックぶりに「とても商売にならない」と、各フロアの男性社員が続々と地下の本部へと飛び込み、継続は危険と報告。午前10時15分、ついに閉店の決断が下され、「閉店おわび」の貼り紙が店の内外へと貼り出されました。
これには出入り口で、入店できるのを今か今かと待ち受けていたお客さんが大激怒。「バカにするのもホドがある!」と金切り声が飛び交い、押し合いへし合いの大混乱。出入り口の扉はいち早く閉ざされ、けたたましいサイレン音とともにパトカーが続々と駆けつけました。
さらには午前10時ごろに「7階で天井が落ち、ケガ人が出た」という知らせを受けた消防署から救急車が駆けつけ、さらにさらに「2階の天井も落ちた」との噂までもが流れ始め、店の中と外ではさらなる大騒ぎに。これらはすべてデマでした。おそるべきは群集心理です。
下請け業者による火の不始末による火災、おわびセールでのパニック発生と踏んだり蹴ったりとなった西武百貨店の堤清二社長は「ガメツイ商魂と一言に片付けられるが、われわれはそんなつもりで店を開いたのではない。一日も早く開店するのがお客に対する義務だと思う。店に出かけて結局買物ができなかったお客には誠におわびの申し上げようもない」と語っていたそうな。
参照 : 昭和38年8月24日付の毎日新聞夕刊
文 / 高木圭介
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