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【今日は何の日?】8月30日=主人公はさそり?フジテレビが異色の時代劇ドラマを放送スタート(1959年)/ 雑学ネタ帳
《画像はイメージです》
66年前の1959(昭和34)年。3月の開局から約半年が過ぎたフジテレビで、なんと"動くさそり"が物語の中心となる異色の時代劇ドラマが放送スタートしました。
そのドラマは『風雲さそり谷』。毎週日曜の夜7時30分からの放送。フィルムで撮影されたテレビ映画ではなく、テレビ黎明期によくあった本番一発の生放送ドラマだった模様です。
角田喜久雄さんの『風雲将棋谷』と『緑眼童子』を原作とし、脚本家の知切光蔵さんが子どもにも楽しめるテレビドラマ用に脚色した物語となっています。その内容は天保時代、人里離れた信州の将棋谷と江戸を舞台とし、豊臣秀頼が残したと伝わる数百万両もの黄金をめぐるもの。主人公や悪党、さそりを操る魔術使い・さそり道人や遠山の金さんまで登場する盛り沢山なモノだったそうな。
さて、話題は何といっても動くさそりです。当時、映画やテレビ撮影でミニチュアを使用するのは珍しくなくなっていましたが、手足が自由自在に動く動物のミニチュアを使うのは初の試み。特にクローズアップ用に使われる大型のさそりは、特殊技術の第一人者といわれた円谷英二さん(当時58歳で東宝所属)に依頼して精巧なモノを制作。
さそりは特殊なスポンジ製。頭部にはリモコンが仕込まれており、遠隔操作までできるスグレモノ。その他、大勢のさそりは形状がよく似ている生きたザリガニを使用して、ウジャウジャと動く姿で薄気味悪さを演出したそうです。
当時の日本国内にはさそりがいなかったため、スタッフはさそりの動きを研究するため上野の科学博物館に出向いては研究を重ねる日々。8月25日には1回目の実験も済ませ、「あとは本番を待つだけ」と張り切っていたとか。
動くさそりの制作を担った円谷英二さんは「映画はワンカットずつ撮影できるので、トリックが容易だが、テレビのように通してやるのはどうか? 難しいと思う。しかしテレビもいろんな工夫が研究されていることだし、少々困難があっても、こういう試みは喜ぶべきことだと思う」と語っていたとか。
そんな円谷英二さんが東宝の出資とフジテレビの後押しによって円谷特技プロダクションを設立したのは4年後(63年)のこと。映画にテレビにと、大いに映像の技術革新を推進することとなります。
文 / 高木圭介
参照 : 昭和34年8月28日付の朝日新聞朝刊
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