介護職を円満退職するためのタイミングや伝え方、ポイントなどを紹介【経験談あり】
文/中村亜美(介護福祉士)「退職したいけどタイミングがわからない」「円満に辞められるか不安」。そんなふうに考えている介護職の方はいませんか?
退職に対する不安が解消できないままだと、いつまで経っても具体的な行動ができませんよね。その結果、退職がどんどんと先延ばしになり、転職の機会を失ってしまう可能性もあります。
この記事では、介護職の退職のタイミングや伝え方、円満退職のためのポイントを筆者の経験談を交えて紹介します。安心して退職の準備を進めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
1.退職する流れについて
退職するときには、伝えるタイミングと伝える相手がとても大切になります。ここではその2点について、くわしく解説しましょう。
退職を伝えるタイミングや時期
退職を伝えるのに望ましいタイミングは、1〜2か月前と言われています。1か月以上前であれば、引き継ぎをしたりかわりの職員を探したりする時間が、確保しやすいからです。ただし、退職を伝えるべき時期は、会社の就業規則によっても異なるため、基本的には就業規則にしたがって申告するようにしましょう。
また、多忙な時期を避けるのもポイントの1つです。特に年末や年度替わりの3月、夏季・冬期のボーナス時期は退職者が増えやすいため、引き止められる可能性があります。引き止めを避けたい場合は、それ以外の時期で退職を検討しましょう。
退職を伝える相手は?
退職の意思は、まず直属の上司に伝えるのがマナーです。介護課に所属していて直属の上司が介護主任であれば、介護主任に伝えましょう。
直属の上司を通り越して、先に施設長などの管理者に伝えてしまうと、直属の上司が「失礼だ」と感じ、反感をかってしまうおそれがあります。場合によっては、「スタッフのマネジメントができていない」と見られて、上司の評価が下がる可能性もあるでしょう。円満に退職するためにも、伝える順番には注意してください。
2.退職の伝え方
退職の伝え方は、事前に考えておきましょう。特に重要なのは退職理由です。本当の退職理由がネガティブな場合もありますが、退職を伝えるときは、ポジティブで引き止められないような理由にするのが理想です。
例えば、次のような理由を検討してみましょう。
・引っ越し
・ほかにやりたい仕事がある
・家庭の事情(育児や介護)
何度か退職を経験した筆者がおすすめするのは、「家庭の事情」です。「引っ越し」にしてしまうと、実際に引っ越しをしない場合にうそになってしまいます。「ほかにやりたい仕事がある」でも問題はありませんが、話が具体的でないとすぐに納得してもらいにくく、引き止められる可能性があります。
「家庭の事情」であれば、「やむを得ないこと」と認識されやすく、職場も引き止めにくいでしょう。
3.円満に退職をするためのポイント
筆者が考える「円満に退職をするためのポイント」は、大きく分けて次の4つです。
きちんとあいさつをする
退職前には、上司や同僚に感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。退職するというのは、スタッフが減ることでもあるので、上司や同僚に迷惑がかかる可能性があります。それを踏まえたうえできちんとあいさつし、感謝を伝えれば、気持ちよく見送ってもらえるはずです。
あいさつは退職の前日か当日に、お世話になった部署をまわるのが一般的です。その際、菓子折りなどを添えるのもよいでしょう。そうしたひと手間を惜しまないことで、好印象のまま退職できます。
引き継ぎができる期間を設ける
「退職を伝えるタイミング」でもお伝えしましたが、引き継ぎ期間を確保することはとても大切です。引き継ぎができていない状態で退職してしまうと、自身が管理・担当していた仕事の内容をほかの職員が把握できず、困る可能性があるからです。
担当していた利用者さんに、毎月行っていた取り組みなどがあれば、後任者に忘れずに引き継ぐようにしましょう。業務マニュアルを作成するなどして、職場が困らないようにしておくと、辞めた後も円満な関係でいられます。
悪口は決して言わない
退職する際、同僚に職場の悪口を言うのは避けたほうがよいでしょう。悪口を言われた側の同僚はまだ残って働くため、職場を悪く言われることに対して不快感を持つ可能性があります。
退職理由が職場の給与や人間関係などに対する不満であっても、口に出すのは避けてください。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、最後まで誠実に対応するのが大人のマナーです。
同僚には上司の後に伝える
退職のことを不用意に同僚に伝えるのもやめましょう。上司が知る前に情報が広まってしまうと、職場内の人間関係に悪影響をおよぼす場合があります。自分の意向に沿わない形でうわさが広がって、周囲の反感を買ったり、思わぬ引き止めにつながったりすることもあるでしょう。
円満に辞めたい場合は、最初に上司に報告(あるいは相談)し、その後、同僚に伝えるようにしましょう。
4.筆者の退職経験談
筆者も、過去に介護職員として退職した経験があります。そのなかで、退職を伝えるタイミングを間違えてしまったものの、結果的に円満退職できたエピソードを紹介します。
新卒で入職した介護施設を退職したときの話です。退職理由は、「遠くの町に引っ越して暮らしてみたい」という思いからでした。
しかし、その介護施設は人手不足で、家庭の事情や健康上の問題といった"致し方のない理由"でないと、退職を快く受け入れてもらえない雰囲気でした。
それでも、私は「早めに退職を申し出れば、引き継ぎの準備も十分にできるので受け入れてもらえるだろう」と考え、就業規則に記載してあった「2か月前」よりさらに早い4か月ほど前に退職を申し出ました。しかし、それが逆効果でした。タイミングが早すぎたために、上司に「本気で辞めたいわけではない」と捉えられ、何度となく引き止められたのです。
また、同僚にも情報が知れ渡ってしまい、しばらくはやりにくい雰囲気のまま過ごすことになりました。
ただ、早めに退職を伝えてよかった面もありました。引き継ぎや感謝を伝える時間がたっぷりとれたことから、結果的には同僚の理解が得られ、快く送り出してもらえたのです。
タイミングを間違えても最後まで仕事に尽力し、感謝の気持ちを伝えることを忘れなければ、円満に退職できるのだと感じました。
5.まとめ
介護業界は人手不足なこともあり、退職しづらい雰囲気があるのは事実です。しかし、周囲へのきちんとした気遣いがあれば、円満に退職できるはず。「言い出しにくい」という気持ちはわかりますが、「新しい環境で働いてみたい」という思いがあるなら、諦める必要はありません。
この記事を参考にしながら、残りの時間を気持ちよく過ごせるような円満退職を目指してください。
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