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職場・悩み 介護職のお悩み 2020/12/03

#たんたん#シフト#ストレス#職場

介護の悩み相談 第10回 介護施設が人手不足で、自分が体調不良でも休暇申請を言い出しにくい

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質問:勤めている介護施設が人手不足で、自分が体調不良でも休暇をとりたいと言いにくいです

現在介護施設で働いている介護士です。私の働いている施設では常に人手不足で上司がシフトを作る際もいつも頭を悩ませています。人手不足の問題は非常に大きくて、休日の時に「◯◯さんがお休みしたからきてくれない?」という連絡も一度や二度ではないですし、ここ最近は利用者様の事故やヒヤリハットも増えてきているように感じます。
特に私が悩んでいるのは職場の人手不足で忙しい雰囲気から「何があっても休んではいけない」という圧力を感じることです。先日も熱が37.5℃ありましたが、「私が休んだら現場が困る」と思って出勤してしまいました。このような働き方をずっと続けていては体が持たないのは分かっていますが、なかなか休むことを言い出せなくて困っています。

答え:人手不足は介護施設側の問題で、職員には非がない

「人手不足だから休めない」という状況は、基本的に職場側の問題なので、相談者さんは「そんなことを気にせずに休んで欲しい」ということをこの記事の最初に伝えたいと思います。

でもそれでは相談者の「休んでしまって申し訳ない」という心理的負担に対しての回答になってはいません。多分この相談者さんも「何も気にせずに休んでもいい」ということは分かっていると思います。
しかし忙しそうに働く周りの職員や、自分が休んだ時にその職員さんに迷惑がかかることを考えてなかなか言い出しにくい状況になっているようです。
介護業界だけではなく、このように「休むことを言い出しづらい」という人は多いです。それでも「休むべきときにはしっかり休む」ということが、これからあなたが長年介護士として働き続けることにおいて、とても大事になってきます。

「何があっても休まない」という姿勢は人を使う立場である経営者や管理者からすると「すべての人が休まない前提で人員配置を考える」きっかけになってしまいます。
普段から休んだりすることが少ない職場では、いざ人が休んでしまった時に現場が混乱してしまうのです。
逆に時々、職員が休むような職場では人が休んでいない状況に対して抗体が出来上がるので混乱することなく回るということがあります。
また人が休む可能性前提でひとり多く配置をするという対応を取ることもあります。

体調を崩したり急な大きな出来事があって仕事を休むということは、多くの職員を雇っている職場では定期的に起こりうることです。その出来事に対してしっかり対応できる職場を作っていくことが、職場を作っていく上で大事なことです。
極論になってしまいますが、職員が休むことによって職場の労働環境や現場の質が上がると言っても過言ではないです。
なので、遠慮することなく休んで欲しいと思います。

長く仕事を続けるため、職場の要請を「断る勇気」「休む勇気」を持つ必要がある

もし相談者が「介護士として長く働きたい」と思っているのなら、限界が近づいてきた時に「休む」というコマンドを選んで欲しいです。

年に数回の「休む」という行動が、これからあなたが介護士のキャリアを歩んでいくにあたってとても大事です。
休むべきときに休めないことによって、体調が悪化して結果的に1日休めば済んでいたものが3日休むことになったり、心を病んでしまって介護士の仕事を続けられなくなったりすることがあります。
その惨劇を生まないためにも、休むべきときにはしっかり休みましょう。

それで職場の人に迷惑をかけたとしても、それは仕方ないことです。
他の人が休んだときに精一杯カバーをすればいいだけの話です。
よく「体調管理も仕事のうち」とか言われたりしますけど、体調管理をするために仕事を休むというのはときには大事です。

休んだときには「カバーしてくださりありがとうございます」としっかりお礼を言いましょう。ここで、間違ってはいけないのが「休んでしまってすみませんでした」という謝罪をしてはいけないということです。
謝罪をすることによって職場に「休みにくい空気」を作ってしまって、「休むことは悪いこと」と思われて余計に息苦しい職場になってしまいます。
体調を崩したりするのは仕方のないことなので、それを責めるような人がいる職場にはいない方がいいと思います。

困った時に休めない職場で働き続けたとしても、良いケアはできませんし、それは中で生活しているご利用者にも悪影響を与えてしまいます。
そうならないためにも「休む勇気」「断る勇気」は介護士として働く上で絶対に身に付けて欲しいと思います。

最初のひとりが声を上げて休むことで休みやすい空気になることもある

なかなか休みづらい介護施設に関してですけど、そういう職場は同調圧力で「みんなが休んでいないから自分も休んではいけない」と思っている人が多いです。
誰かが定期的に休むことで「あの人も休んだから私も休もう」と思って休みを取る職員が増えるということは多いです。
他の職員も「休みたいけど休めない」と相談者さんみたいに悩んでいます。
そういう人たちのためにも誰かが思いきって休んだ方がいいと思います。

僕も介護士として働いている時に、思い切って連休を有給で取ったことがあったのですけど、その影響で今まで休みを取っていなかった職員が連休を取り始めたということがありました。
多くの職場は「休んだら崩壊する」わけではなくて、「休んではいけない」と職員が思い込んで同調圧力で誰も休めないだけということも多いです。
なのでせっかくこの記事を読んでくださっている方には自ら進んで休みを取って職場の休みに関する意識を変えて欲しいと思っています。

そもそも「迷惑をかける」というのは当たり前なことで、迷惑をかけない職員なんて存在しません。その時は職場にいる人が力を合わせてカバーをすればいいのです。
それがチームであることの強みです。

「絶対に休まずに働き続けろ」というのは人間には無理ですし、それを求めるならいっそのことロボットでいい訳です。人間は定期的なメンテナンスが必要です。

最後に

この記事で僕が主張しているのは基本的に精神論です。
というのも「仕事を休む」というのに方法論なんてなくて、労働者として当たり前の権利を行使するだけの話なので、あとは気持ちの問題なんですよね。
職場も職場で「休みます」と言われなければ、体調がいいものだと思い込んでしまいます。

それを「職場や上司は察してくれ」というのは無理があります。
言えなければ、休むこともできずに体調を悪化させながら働いて、いずれは介護士の仕事ができないぐらい心身が壊れてしまうことになります。
自分を守れるのは自分自身であって、職場や上司があなたを守ってくれる訳ではないです。
なので休みたいと感じたらその意思をしっかり伝えるべきですし、それを善としない環境で働き続けるのはやめましょう。
それほど働くというのは強い精神が必要ですし、言うべき場所で言える人が業界にも残っています。

「そんな世の中おかしい」と思うかもしれませんが、そう言ったところであなたが鬱になって仕事を辞めてしまっては元も子もありません。
まずは自分を守るための行動を第一に、周りの目を気にしすぎないように、職場と関わって欲しいと思っています。

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たんたん(深井竜次)

介護士ブロガー

1994年生まれ。保育士から介護士に転職ののち、特養・ユニット・ショート・有料の介護施設での経験を生かして情報発信を行なう。介護士と副業のブログで月収100万円を超えた経験談を発表し介護業界で注目される。介護現場の現実を踏まえた率直な意見で知られている。

たんたんの執筆・監修記事

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