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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2024/02/13

#1月のレクリエーション#お正月のレクリエーション#冬のレクリエーション#壁面飾り#認知症ケアの現場から

高齢者と一緒に作る冬の「お正月」の壁面飾り【1月】型紙付き|認知症ケアの現場から(15)

文・写真/安藤祐介 thumbnail.jpg

介護施設では、利用者さんに季節の移り変わりを感じてもらったり、充実した余暇時間を過ごしてもらったりする目的で、壁面飾りを作製することがあります。壁面飾りはレクリエーションとして、できるだけ多くの利用者さんと作製できるのが望ましいですが、利用者さんの数が多い施設だと、どうしても身体機能の高い利用者さんに頼りがちになってしまいます。また、作り方が少し複雑なために、認知症や片麻痺のある利用者さんが参加しにくくなることもあるでしょう。

そこで本記事では、幅広い利用者さんが参加できる「新年の壁面飾り」の作り方をご紹介します。作製の工程を「塗る」「切る」「貼る」の3つにわけてあるので、各工程の作業を"力が発揮しやすい利用者さん"に割り振るなどして、より多くの利用者さんと一緒に作製を楽しんでください。

1.壁面飾りの目的・期待できる効果

  • 余暇時間が充実して、生活の質が向上する
  • 季節の移り変わりが感じられ、見当識が賦活される
  • 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる
  • 日中の活動量が増え、体力の維持につながる
  • 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる

2.新年の壁面飾りの作り方

塗り絵の図案を用意する

塗り絵

新年にふさわしく、縁起物であるダルマの図案を用意します。ダルマの表情やデザインに変化を付けて、複数の図案を用意しておくと、利用者さんが自分好みのダルマを選択する楽しみが生まれます。好みのダルマの表情や色、その理由などを聞いて話を広げても良いでしょう。図案は、後ほどハサミで切ってもらうため、切る線がわかりやすいように輪郭(いちばん外側の線)を太くしておきます。
※筆者が作製した塗り絵の図案はこちらよりダウンロードできます。

塗り絵を塗ってもらう

塗り絵

色鉛筆が使える利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。色塗りは指や手首の複雑な動きを必要としないため、多くの利用者さんに担当してもらえる工程です。塗り絵を大きめのバインダーに挟んで固定しておくと、紙が動かなくなるので、片麻痺などで手が不自由な利用者さんも塗りやすくなります。

なお、認知症がある利用者さんは、さまざまな色でダルマを塗ることがありますが、無理に赤色で塗ってもらう必要はありません。ダルマは赤色だけでなく、緑色や黄色などにも意味があるとされているため、「何色で塗っても良い」ということを職員や利用者さんに周知しておきましょう。ちなみに、赤色は魔除け、緑色は健康祈願、黄色は金運上昇の意味があります。

何色にするか迷っている利用者さんがいる場合は、他の利用者さんの作品を見えやすい位置に置き、お手本にしてもらうと良いでしょう。

塗り絵を切ってもらう

塗り絵切り抜き

ハサミが使える利用者さんに、完成した塗り絵を切ってもらいます。ハサミで切るのは色塗りよりも複雑な手の動きが必要ですが、ダルマの形は丸型が多いため比較的切りやすいはずです。切ってもらう際は、A4用紙のまま渡すのではなく、職員が大まかに切ってから渡すと取り組みやすくなります。

また、利用者さんの手の大きさや指の可動性によって扱いやすいハサミが異なるため、複数のハサミを用意し実際に使ったうえで、好みのものを選んでもらうと良いでしょう。

塗り絵を貼ってもらう

台紙

壁面飾りの主役となる大きなダルマの下地を作るため、作製したい壁面飾りの大きさに応じて模造紙や画用紙をダルマの形に切ります。

切り抜いただるまを貼る

次に、2-3までの工程で出来上がった小さなダルマを、下地が完全に隠れるまで貼り付けましょう。職員がのりやテープで下準備をしておけば、後は利用者さんが好みの場所に張り付けるだけになるので、塗る工程・切る工程よりも簡単です。

切り抜いただるまを貼る

飾り付けて完成

完成

大きなダルマに、顔のパーツやその年の干支をあらわす漢字を貼り、壁に飾り付けたら完成です。周囲に正月を連想させるものを飾ると、より見栄えがする作品になります。

3.職員が注意すべきポイント

利用者さんのなかには、塗る工程で高い集中力を発揮し、長時間にわたってレクリエーションに取り組み続ける方がいます。それは良いことである反面、ご自分が疲れていることに気付かず、終わった後に目の疲れや肩こりを訴えたり、体力を消耗して姿勢の崩れにつながったりすることもあるので注意が必要です。

レクリエーションを担当する職員は、タイミングを見て休憩や補水を促したり、表情や声色に変化がないかを確認したりしながら、利用者さんの体調に配慮してください。

4.塗り絵の図案プレゼント

リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。

だるまの塗り絵(4パターン)

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安藤祐介(Yusuke Ando)

作業療法士

2007年健康科学大学を卒業。作業療法士免許を取得し、介護老人保健施設ケアセンターゆうゆうに入職。施設内では認知症専門フロアで暮らす利用者47名の生活リハビリを担当し、施設外では介護に関する講演・執筆・動画配信を行っている。

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