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仕事・スキル 介護士の常識 2022/08/01

介護職員が押さえたい介護の基本とは?気を付けるべき言動など

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介護の基本(基本理念)は、知識や技術のレベルに関係なく、介護業界で活躍するすべての方が修得しておきたい心がまえです。これから介護実習に臨む方も、介護の基本を知っておけば、現場で適切な言動をとることができるでしょう。

当記事では、介護と介助、看護の違いや介護の三原則を解説し、介護職員が押さえておきたい考え方を紹介します。また、介護職員が気を付けるべき行動や発言についてもまとめているので、介護の基本を押さえたい方はぜひ参考にしてください。

1.【介護の基本】介護の概要と歴史

介護とは、一人での生活が難しい高齢者や心身に障がいのある方に対して、生活全般の援助や社会参加の支援などを行うことです。介護の専門職である介護福祉士について、法律では下記のように定められています。

この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。

(引用:e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法」_引用日2022/05/30)

日本では、高齢化率が5%を超えた1960年代から老人福祉政策が始まり、訪問介護や特別養護老人ホームが創設されました。また、高齢者の増加で、従来の老人福祉・老人医療制度では十分な医療介護を提供することが困難となり、高齢化率が17.3%となった2000年に介護保険法が施行されました。現在では、被保険者で要介護・要支援認定を受けたすべての高齢者が、低負担で介護サービスや医療を受けることが可能です。

(出典:厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割」

介護と介助、看護の違い

ここでは、介護とよく間違えられやすい介助、看護との違いをそれぞれ解説します。

・介護と介助の違い
介護とは、心身における被介護者の自立を支援することです。そのなかでは、一般的な身体介護だけでなく、被介護者の生活意欲の向上を図るための心のケアも必要となります。

一方、介助とは、食事、排せつ、移動などの基本的な生活動作を支援する行為のことです。介助は介護の手段の一つであり、安全な介護を実施するためには、適切な介助技術の修得が欠かせません。

●関連記事:介護と介助の違いとは?それぞれの種類や仕事内容を紹介

・介護と看護の違い
看護とは、傷病者や妊産婦の診療や治療および予防、療養をサポートすることです。看護師の仕事でもベッドメイキングや入浴介助を行う場面は見られますが、基本的には点滴や採血の実施といった医療的な業務が中心となります。なお、看護師は医師の指示に基づいて医療行為を行える医療職であり、介護士とは専門分野が異なります。

●関連記事:介護と看護の違いとは?役割・仕事内容・資格について解説

介護の三原則とは?

介護の三原則は、1982年にデンマークで提唱された介護における基本的な考え方であり、現在では世界各国の介護現場で採用されています。

下記に、介護の三原則についてまとめました表です。

生活の継続性 可能なかぎり、自宅での生活が継続できるようにサポートするという考え方です。介護施設へ入居する場合でも、家具を持ち込む、慣れた生活リズムに配慮するなど、生活環境を変えないように工夫します。
自己決定の尊重 介護実践にあたり、高齢者本人の意思を大切にする(=高齢者自身が物事を決定できる環境を作る)という考え方です。高齢者が話しやすい環境を整える、本心を引き出すなどの配慮が必要となります。
残存能力の活用 できることは自分の力で行ってもらい、本人の能力を最大限生かそうとする考え方です。高齢者の自立した生活を守るためにも、介護者の援助は必要最低限にとどめることが重要です。

介護者の都合を優先せず、高齢者の気持ちをくみ取って、お互いにストレスの少ない介護を心がけましょう。

2.【介護の基本】介護職員が押さえておくべき考え方5つ!

介護職員として働く場合は、利用者さんに職員自身について知ってもらうことが大切です。利用者さんのなかには、日頃お世話になっている職員のことをもっと知りたいと思っている方もいます。利用者さんに自分自身について伝えることで、より良い関係、より豊かなコミュニケーションを実現してください。

ここでは、利用者さんと接するにあたって、介護職員が押さえておくべき考え方を紹介します。

利用者さんに安心感を抱いてもらう

利用者さんのなかには、住み慣れた地域やご家族と離れ、孤独や不安を感じている方も少なくありません。

利用者さんの状況は個人によって異なるため、必要に応じた声かけやフォローを行うことが理想です。例えば、朝に体が痛みやすい方には毎朝様子を見にいく、退屈そうにしている方には趣味やゲームを提案するなど、個人のニーズに合わせた対策を取りましょう。

表情や態度を読み取って、利用者さんのささいな変化にいち早く気づくことも大切です。「あの人は自分のことを理解してくれている」という安心感があれば、介護もスムーズに進むでしょう。

介護の技術と一緒に人間性を磨く

介護職は信頼関係が重要となる仕事のため、人間として信頼される存在になることが求められます。

介護技術に長けた方が、優れた介護士であるとはかぎりません。利用者さんにとっては、専門知識がない方であっても、笑顔で話を聞いてくれる職員のほうが信頼できることもあります。

また、やる気のなさや、その場かぎりの返事は、利用者さんに見透かされてしまうでしょう。介護職員として専門性を高めることはもちろん、利用者さんに愛される魅力的な職員を目指してください。

利用者さんの尊厳を守る

介護では、利用者さんの尊厳とプライバシーを守る言動が求められます。利用者さんのなかには、体の機能が不自由になり、できないことが増えていく方もいるでしょう。しかし、利用者さんは多くの経験を重ねてきた人生の先輩です。そのことを常に忘れず、敬う気持ちをもって接してください。

介護では、無自覚のうちに尊厳を傷つけてしまうケースもあるため、利用者さんに意思確認を行うことが大切です。認知症の症状がある利用者さんに対しても、きちんとコミュニケーションを取り、本人の意思を確認した上で介護ケアを行いましょう。

利用者さんの体にはやさしく触れる

加齢による変化で皮膚の弾力性が減ったり、皮膚が薄くなったりするため、高齢者はわずかな衝撃でもあざができやすい傾向にあります。強い力でつかむと、骨折や関節を痛めるリスクもあるので、利用者さんの体には優しく触れましょう。

利用者さんの体に触れる際は、手のひら全体を使い、支える面をなるべく大きくします。また、指先をつかんだり、足先を引っぱったりせず、体に近い二の腕や太ももを持ち上げるようにしてください。体に触れる前には「今から○○しますね」といった声かけを行い、利用者さんに理解してもらうことも事故を防ぐポイントです。

思いやりをもって前向きに取り組む

利用者さんの立場に立って、思いやりのある言動を心がけることは、介護の基本です。心地よい介護サービスを提供するためにも、利用者さんが何に困っているのか、何が嫌なのかなどを常に考えて行動しましょう。

また、時には利用者さんから怒られたり、理不尽な態度を取られたりすることもあるかもしれません。そんな時は、つらい思いや悩みはいつまでも抱え込まず、気持ちを切り替えて前向きに取り組みましょう。それもまた、介護の仕事を楽しむ秘訣です。

3.【介護の基本】介護職員が気を付けるべき言動とは?

介護職員として、気を付けるべき言動の基本を下記にまとめました。利用者さんに不快な思いをさせないためにも、日頃から注意しましょう。

【やってはいけない行動】

・無視をする、無関心な態度を取る
・理由を言わずに、いつまでも待たせる
・利用者さんによって態度を変える

多忙であっても冷ややかな態度は取らず、利用者さんに寄り添う気持ちをもちましょう。自分の担当ではないからといって、「ちょっと待っていてください」と言ったまま何も対応しないのも問題です。待ってもらう理由を伝えるなど、誠意のある対応を行ってください。

すべての利用者さんと相性が良いとはかぎりませんが、プロの介護者としてひいきがないよう、公平に接することも大切です。

【やってはいけない言葉遣い】

・「○○しなさい」など、命令口調を使う
・「ねんねしましょうね」など、赤ちゃん言葉で話す
・あだ名やニックネームで呼ぶ

命令口調や赤ちゃん言葉は、利用者さんの尊厳を傷つけかねない言動です。「○○してあげますね」などの上から目線に取れる発言にも注意してください。

呼び方としては、基本的には苗字で「○○さん」が望ましいですが、利用者さんの希望があれば名前で呼んでもかまいません。利用者さんとコミュニケーションを取った上で、柔軟に対応してください。

まとめ

介護とは、日常生活が困難な高齢者や心身の障害者に対して、生活援助や社会参加への支援を行うことです。介護の三原則を守った上で、利用者さんが安心できるよう、思いやりのある介護を実践してください。

なお、利用者さんに対して冷淡な態度を取ったり、命令口調を使ったりすることは控えましょう。敬う気持ちをもって、利用者さんの気持ちを尊重することが大切です。

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※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

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