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仕事・スキル 介護士の常識 2023/07/31

介護施設のユニットリーダーとは?仕事内容・給料相場・適性を解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部 監修/赤羽克子 thumbnail.jpg

近年は、少人数のユニットごとに介護を行う「ユニットケア」を導入する介護施設が増え、ユニットリーダーの活躍の場が広がっています。そのため、介護の現場で働くみなさんのなかには、「ユニットリーダーとしてステップアップしたい」と考える方も少なくないでしょう。

当記事では、介護施設におけるユニットリーダーの仕事内容、給料相場などについて、詳しく解説します。向いている人の特徴も紹介しますので、キャリアアップを目指す介護士の方は、ぜひご一読ください。

1.ユニットリーダーとは?

ユニットリーダーとは、ユニットケアを行う施設で働くリーダーのことです。介護の現場においては、介護保険法によって職員の配置基準が定められるケースがありますが、ユニットリーダーもそうした配置基準が義務づけられた役職の1つです。

ここでは、ユニットケアやユニットリーダーについて、詳しく紹介します。

そもそもユニットケアとは?

ユニットケアとは、利用者さん一人ひとりの個性や生活リズムに合わせた「個別ケア」を行うことで、それぞれの尊厳や自立性、プライバシーを尊重しようとする介護手法です。10人程度の少人数を1つのユニットとし、専任のケアスタッフがそれぞれの利用者さんへ個別ケアを実施する点に、その特徴があります。

また、ユニットケアでは、「家で暮らすのと同じような生活を送る」ことを重視にしているため、個室が用意されていたり、食事やお風呂の時間が1人ひとり異なったりと、できるだけ自宅に近い環境のケアが実施されています。

ユニットケアが実施されている介護施設は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・特養)がほとんどですが、近年は介護老人保健施設(老健)をはじめとするほかの施設でも、少しずつユニットケアの導入が進んでいます。

ユニットリーダーの役割

ユニットリーダーの役割は、介護スタッフとして現場の介護業務を行いつつ、ほかのスタッフを束ねることです。利用者さんに対するケアと職員に対するマネジメントの両方を担っているため、介護スタッフと管理職の中間に位置する立場と考えて良いでしょう。どちらの職務に重点が置かれているかは事業所ごとに異なります。

ユニットリーダーは各ユニットごとに配置され、利用者さんのご家族への対応やケア方法の決定、介護スタッフのシフト管理、介護職員への教育・指導など、仕事内容は多岐にわたります。

ユニットリーダーの仕事内容

ユニットリーダーの仕事内容について、具体的に見ていきましょう。

ユニットリーダーの仕事の例

・介護スタッフの勤務シフト調整やスケジュール管理
・介護スタッフの教育・指導
・利用者さんの家族との連絡調整や相談対応
・利用者さんのケア方法の決定
・会議の開催に伴う議事進行や意思決定
・イベントの企画
・会議の出席 など


ユニットリーダーは、利用者さんのケア以外に、ご家族との連絡調整やケア方法の決定なども行います。また、ケアの方法に見直しがあった場合に、介護スタッフの配置や対応方法などを修正したり、指示したりするのもユニットリーダーの仕事です。

利用者さんやそのご家族のケアだけでなく、シフト調整や教育・指導といった介護スタッフに向けた業務が多いこともユニットリーダーの特徴です。

以上を踏まえると、「利用者さんが安心して過ごせる環境」と「介護スタッフが働きやすい環境」の両方を整えることが、ユニットリーダーの大事な仕事だと言えます。そのためユニットリーダーの仕事においては、利用者さんと介護スタッフ双方との信頼関係の構築がとても大切になるでしょう。

ユニットリーダーになるために必要な資格

ユニットリーダーになるためには、介護福祉士実務者研修、介護職員初任者研修、介護福祉士といった介護職の資格を有していることに加え、1年以上の実務経験が求められます。

また、厚生労働省では、ユニットリーダーに求められる能力として、チームのリーダーとしてメンバー間の信頼関係を築くことや、職場の課題を発見し、チームの一員として課題解決に努めることなどを挙げています。

つまり、ユニットリーダーには、介護に関する豊富な知識・技術はもちろんのこと、チームをまとめるリーダーシップ(マネジメント力)やコミュニケーション力、自分自身がチームの一員として取り組む協調性などが必要とされているわけです。

前述の能力のほかに、「人の上に立って教育・指導できる人柄なのか」を判断されることも多いでしょう。

(出典:厚生労働省「職務要件」

介護リーダーとの違い

介護の現場には、介護リーダーと呼ばれる役職もあります。介護リーダーは「介護主任」とも呼ばれ、介護現場の調整役として、施設や介護職員をまとめるのがその役割です。

介護リーダー、ユニットリーダーともに、利用者さんへの適切なケアを考えることや、介護スタッフの職場環境を整えることが大事な仕事となります。ただし、介護リーダーは法令による配置が定められておらず、介護リーダーを配置するかどうかは各介護施設が判断します。

一方、ユニットリーダーの配置基準は介護保険法によって定められており、この点が両者の大きな違いと言えるでしょう。なお、ユニットリーダーがユニットごとに1名配置されるのに対して、介護リーダーは施設全体で数名配置されるのが一般的です。

●関連記事:介護主任(介護リーダー)とは?仕事内容・必要資格・向いている方も

2.ユニットリーダーの給料相場

厚生労働省の調査によると、介護老人福祉施設で働く介護職(有資格者)の月給相場は約34.9万円です。そのなかでも、上位資格である「介護福祉士」の資格を持つ場合は、約35.6万円が月給相場となってます。同調査における介護職員全体の月給相場が約31.9万円であることを踏まえれば、介護老人福祉施設(特養)は比較的高い月給相場と考えられるでしょう。

また、さまざまな求人サイトを見てみると、月給のほかに年間2〜4か月分の賞与を設けているようです。そのほか、ユニットリーダー手当や介護福祉士の資格手当、夜勤手当など、さまざまな諸手当を支給する施設も少なくありません。

(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」

ユニットリーダーになると、基本給にプラスして、5,000〜10,000円ほどの手当を設けている職場もあるので、求人情報をしっかりチェックして応募しましょう。

3.ユニットリーダーに向いている方の特徴

先に紹介したように、ユニットリーダーには、介護への知識・経験だけでなく、マネジメント力やコミュニケーション力など、さまざまな力が求められます。

ただし、現時点で資質や適性がないと感じていても、こうした力は働くなかで身に付けることが可能です。あまりこだわりすぎず、「目標にするべきユニットリーダー像」として考えておくのが良いでしょう。

ここでは、ユニットリーダーに向いている方の特徴を3つ紹介します。

リーダーシップがあり他職種と協力できる

介護施設では、介護士や看護師、栄養士など、さまざまな職種の方が働いていますが、スタッフによって、ケアの方針や対応に違いがあれば、利用者さんの不安や不信感につながってしまいます。

そのため、他職種のスタッフと協力しながら、同じ目標を目指してケアを実践するように指示を出すのも、ユニットリーダーの役目となります。

それを踏まえると、高いコミュニケーション能力で他職種と協調し、現場をマネジメントできるような方がユニットリーダーに向いていると言えるでしょう。

あらゆる状況で冷静な判断ができる

利用者さんと密接に関わる介護の現場では、予測できないトラブルが起こる可能性も大いに考えられます。そうした時、ユニットリーダーには落ち着いて情報を整理し、ほかのスタッフに指示を出す力が求められるでしょう。

そのため、「不測の事態においても冷静に判断できる人」がユニットリーダーに向いていると言えます。

また、スタッフや利用者さんと接する際、私的な感情に流されないことも大切です。ユニットリーダーが感情に任せて行動すると、周りとの信頼関係が崩れてしまう恐れがあるため、常に冷静な判断・行動を心がけると良いでしょう。

利用者やスタッフの変化に気づける

利用者さんやスタッフなど、周りの変化に気を配れる人もユニットリーダーに向いています。

1人ひとりの利用者さんに寄り添い、丁寧なケアを実践していくのがユニットケアの最大の特徴です。そうしたなかで、利用者さんにとって居心地のよい空間を作り上げるには、周囲の変化に敏感に気づき、行動することが必要でしょう。

また、介護スタッフ間の協力が不可欠なユニットケアにおいては、他のスタッフの変化に配慮することも大事です。ユニットリーダーがスタッフの変化にいち早く気づき、サポートし合いながらケアできるように、普段からの気配りを心がけましょう。

まとめ

10人程度のユニットごとに介護を行う「ユニットケア」を導入する介護施設において、専任のケアスタッフを束ねながら、質の高いサービスを提供していくのがユニットリーダーの役割となります。

ユニットリーダーには、介護職の資格や実務経験のほか、チームをまとめるリーダーシップやコミュニケーション力、協調性なども求められるため、現場の介護スタッフから経験を積んで、ユニットリーダーになる方が多い傾向です。

介護士としてのキャリアアップを目指すのであれば、ぜひユニットリーダーを目指してはいかがでしょうか。

「介護のみらいラボ」では、介護の現場で活躍する人に向けて、有益な情報を数多く掲載しています。介護業界の最新情報や資格・転職情報などが知りたい方は、ぜひ「介護のみらいラボ」を参考にしてください。

※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

▼監修者からのアドバイス

ユニットリーダーは、1人ひとりの個性と生活リズムを尊重した個別ケアを実施しているユニットケアを行う施設のリーダー的役割を担います。ユニットケアを導入している施設は施設全体で3割程度といわれていますが、ユニットケアを導入する施設は増えていくことが予想されます。ですから配置基準が設けられているユニットリーダーの需要はますます高まるものと思われます。
ユニットリーダーになるためには、リーダーとしてのマネジメント能力の向上を図る内容のユニットリーダー研修を受講し、資格を取得する必要があります(ユニットリーダー受講資格を有していることが条件)。ユニットリーダーの資格を取得すれば、ユニットケアを導入している介護施設で活躍できます。
ユニットリーダー研修の詳細については、日本ユニットケア推進センターのホームページにアクセスしてみてください。
ユニットリーダーの業務は、利用者さんのケアだけでなく、介護スタッフの教育やシフト調整、イベントの企画、ご家族への対応など多岐にわたります。忙しい仕事ですが、その分やりがいを感じる場面も多いでしょう。

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赤羽克子(Katsuko Akaba)

元聖徳大学心理・福祉学部社会福祉学科教授

社会福祉施設勤務を経て教育の世界に入る。現在はマーシーハンディキャップサポート協会理事として障害者に対する理解の啓蒙活動・障害者スポーツの支援や松戸市シルバー人材センターのアドバイザーなどを行っている。

赤羽克子の執筆・監修記事

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

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