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仕事・スキル 介護士の常識 2025/08/21

介護職の仕事内容とは?活躍できる場所や必要なスキルも紹介

文/山本史子(介護福祉士) thumb_0802.jpg

介護士の仕事は、利用者さんの日常生活を支え、快適な時間を提供するやりがいのある仕事です。介護の仕事に興味のある人のなかには、大まかな介護のイメージを持っていても、具体的な仕事内容がよくわからない人もいるでしょう。
本記事では、介護士のおもな仕事内容や活躍できる施設、1日のスケジュールなど詳しく解説するとともに、介護士として働く際に役立つ資格や働くメリットを紹介します。介護士はスキルを磨き、段階的にキャリアアップも目指せるため、介護職に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

1.介護士のおもな仕事内容

介護士のおもな仕事内容

介護士の仕事にはさまざまなものがありますが、そのなかでも中心となるのが利用者さんの日常生活をサポートする仕事です。介護士が行っているおもな業務は以下の4つです。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • レクリエーションの企画と運営
  • 記録 / 書類作成

利用者さんが安心して過ごせるようにするためには、細やかな気配りと幅広いスキルが求められます。

身体介護

身体介護は、利用者さんの身体に直接触れて行う介護のことです。介護士は、利用者さんの身体機能や心身の状態に合わせたサポートが求められます。身体介護をするときは、利用者さん自身ができることは自分でしてもらい、できないところを介護士が介助することが大切です。ここでは、身体介護の具体的な内容を詳しく解説します。

食事介助

食事介助は、一人で食事をとることが難しい方に、自分で食べられるようにサポートしたり口元まで食事を運んだりする介助のことです。食事介助は、利用者さんの食事動作を直接サポートするだけではありません。食事を噛んだり飲み込んだりすることが難しい方に、トロミをつけたり刻んだりして利用者さんが食事をしやすいように食事形態を工夫することも含まれます。利用者さんの食事中は、食べ物が喉につまらないように、姿勢が崩れていないかも観察するようにしましょう。

排せつ介助

排せつ介助は、排せつをする動作が難しい方の介助をする仕事です。ズボンや下着の上げ下ろし、排せつの後始末の見守りや介助などもします。一人でトイレまで行けない利用者さんには声をかけ、トイレまで誘導することもあります。排せつは利用者さんのプライベートな部分に関わるため、利用者さんを尊重した介助をすることが大切です。
排せつ物は健康のバロメーターともいえます。色や量、形状、回数などを観察し、異常がないか確認することも大切な業務の1つです。

入浴介助

入浴介助は、利用者さんの衣類の着脱や洗髪・洗身の介助をします。居室と脱衣所・浴室とでは気温の差が大きくなりやすいため、ヒートショックにならないように、浴室はよく温めておきましょう。
入浴介助には、一般的な浴槽のほか、車椅子のまま入れるリフト浴や寝たまま入れるシャワーベッドなどの機械浴もあり、さまざまな入浴方法があります。
入浴中は、人前で裸になるのは「恥ずかしい」と感じる利用者さんもいるため、なるべくタオルなどで肌が露出しないように介助することが大切です。
入浴介助は、転倒ややけど・溺水などの事故のリスクがあります。また、入浴によって利用者さんの体調が変化することもあるため、さまざまなところに注意をはらう必要があります。

起床・就寝介助

起床・就寝時の介助では、衣類の着替えや洗面、口腔ケアの介助を行います。共有スペースで朝食を食べる場合には、ベッドから車椅子への移乗や移動なども、起床・就寝介助に含まれます。
起床や就寝時の着替えは、活動時間と休息時間の切り替える役割をしています。そのため、起床・就寝介助は、利用者さんの生活リズムを整えるために大切な業務です。

移乗・移動介助

移乗介助は、ベッドから車椅子、車椅子からトイレなどに移る動作を指し、移動介助は車椅子で移動したり、杖や手引き歩行の介助をしたりすることを指します。移乗・移動をする際は、相手のペースに合わせて動作を行い、移動ルートに床の濡れや荷物、配線がないかなどを確認し、安全に移動しましょう。
車椅子の走行中に急な方向転換をすると、利用者さんが驚いてしまいます。段差があることや進む方向など、こまめに声かけをすることが大切です。

体位変換

体位変換は、介護員が自分で寝返りが打てない方の体の向きを変える仕事です。同じ姿勢で長時間過ごしていると、褥瘡(床ずれ)の原因になります。褥瘡は体の同じ場所が圧迫され、血流が悪くなることで発生します。褥瘡を予防するためには1時間半〜2時間に1度、体位変換をするとよいでしょう。
体が安定しない利用者さんには安楽枕を使用することで、楽に姿勢を保つことができ、褥瘡の予防にも効果的です。体位変換のタイミングでおむつ交換をする場合もあります。

服薬介助

服薬介助は、利用者さんがうまく薬が飲めているか確認したり、服薬するように声かけをしたりします。
介護士は、薬をシートから出して服用させることはできません。そのため、利用者さんが薬を飲み忘れないように薬を渡したり、うまく飲み込めているか確認したりします。薬を手渡すときは、ほかの利用者さんの薬と間違っていないか、十分確認しましょう。
飲み薬の介助のほか、目薬をさしたり軟膏やクリームなどを塗ったりすることもあります。

生活援助

生活援助は、利用者さんが生活を送るうえで必要な仕事の1つです。生活援助は利用者さんができる限り自立した生活を送れるよう支援し、住み慣れた自宅で安心して暮らし続けられるよう環境を整えることを目的としています。
生活援助の具体的な仕事内容は、掃除や洗濯、買い物、調理、ベッドメイキング、衣類の整理などです。そのため、身体介護のように、直接利用者さんの体に触れる介助ではありません。生活支援はおもに訪問介護の現場で行われることが多い業務ですが、施設によっては利用者さんと一緒に行う場合もあります。

レクリエーションの企画と運営

レクリエーションは、介護士が利用者さんの生活の質を向上させるために行う活動の1つで、生活の楽しみや生きがいを持ってもらうことを目的としています。介護士は、利用者さんが積極的に参加できるレクリエーションを計画・運営します。

  • 季節ごとの行事やイベント
  • 誕生日会
  • ゲームや体操
  • 工作や裁縫
  • 音楽療法

上記のように、レクリエーションは、季節ごとの行事や体を使ったゲームや体操、手先を使った作業などさまざまです。介護士はレクリエーションを盛り上げ、利用者さんに楽しい時間を過ごしてもらう工夫が必要です。
ただし、利用者さんの気分や好み、体調によって参加を拒否される場合があります。そんなときは無理強いをせず、参加したい気持ちになったときに参加してもらえるよう声かけをしてみましょう。

記録/書類作成

介護士は、利用者さんの体調やその日の様子を記録します。記録は利用者さんの状態を把握し、適切なケアをするためにも必要な情報です。具体的な記録内容は、血圧や体温、排せつ状況、食事量、その日の介護サービスなどです。特記事項として、利用者さんのいつもと違う様子や気になる点なども記載します。記録の方法は施設によって異なり、手書きのシートやタブレット、パソコンへの入力などがあります。記録は、職員同士で情報を共有するだけでなく、ケアプランの見直しや医療機関との連携、家族に普段の様子を伝えるときにも活用するため、客観的で具体的な内容が求められます。
介護士は、日々のケアに伴い、提供するサービスの変更や事故などの報告書として書類作成をすることもあります。加えて、施設内で行われた研修や会議の議事録・報告書を作成する場合もあるでしょう。

2.介護士が活躍できる場所と仕事内容

介護士が活躍できる場所と仕事内容

介護士が活躍できる場所は介護施設や病院、利用者さんの自宅など、さまざまです。大きく分けると、施設サービスと居宅サービスに分けられます。介護士に求められるスキルや仕事内容は、働く場所や提供する介護サービスによって異なる点も理解しておきましょう。ここでは、介護士が活躍できる代表的な施設と仕事内容について解説します。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホーム(特養)は、介護が必要な高齢者が長期的に入所する施設です。介護度3以上の高齢者を入居対象としており「終のすみか」として利用される場合も多くみられます。特養では、利用者さんの生活を支える重要な役割を担う施設です。入浴介助や食事介助、移乗、体位変換など、さまざまな身体介助を行う機会が多いため、介護の専門的なスキルや知識が身につけやすいといえます。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は、病気やけがが原因で、自宅で生活することが難しい高齢者がリハビリテーション(以下リハビリ)や医療ケアを受けながら在宅復帰を目指すための施設です。介護士のおもな仕事内容は、入浴や食事など生活に必要な身体介護です。
老健では、医師や看護師、リハビリ専門職などと連携しながら、サービスを提供します。リハビリメニューの補助として関わる場合もあるため、身体介護といった介護技術をはじめ、リハビリに関する知識も身につけやすいといえるでしょう。

グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。洗濯、配膳、掃除など利用者さんができるところは自分でしてもらい、難しい場面は介護士が支援します。身体介護が必要な方には、食事・入浴・排せつなどの介助も行います。
グループホームでは、認知症の専門知識を学ぶ機会が多くあります。その分、認知症への理解とそれに伴うコミュニケーションスキルが必要となるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が安心して暮らせるように、バリアフリー構造を持ち、安否確認や生活相談サービスを提供する賃貸住宅です。比較的自立度の高い高齢者が入居している場合が多く、利用者さんの健康状態を確認したり、困りごとや悩みなどの話を聞いたりすることが、介護士のおもな仕事内容です。利用者さんに介護が必要になった場合は、外部の介護事業所と契約して介護サービスを利用するため、身体介護よりも生活支援が中心だといえるでしょう。
ただし「特定入居者生活介護」の指定を受けているサ高住では、施設内で介護サービスが提供できるため、生活援助に加えて身体介護や夜間対応も必要です。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、大きく分けて「介護型」「住宅型」「健康型」の3つがあり、種類によって提供できるサービスの種類が異なります。介護型は食事・介護・家事・健康管理などを行っており、要介護度が高い高齢者も入居しているため、専門的な介護技術が求められます。
住宅型と健康型では、介護サービスは提供しておらず、安否確認や生活相談をするのがおもな仕事です。有料老人ホームのなかには、レクリエーションが充実している施設もあり、介護士はレクリエーションやイベントの企画・運営をする場合があります。

デイサービス(通所介護)

デイサービス(通所介護)は、利用者さんに自宅から介護施設に通ってもらい、おもに入浴や食事、レクリエーション、機能訓練などのサービスを提供します。デイサービスでは心身機能の維持や社会参加の促進を目的としているため、機能訓練やレクリエーションの提供が重要です。そのため、介護士のアイデアや工夫が生かされやすいといえるでしょう。デイサービスでは送迎業務をする施設も多いため、運転免許が必要な場合もあります。

訪問介護

訪問介護は、介護士(ホームヘルパー)が利用者さんの自宅に訪問し、食事や排せつ介助などの身体介護や、掃除や洗濯などの生活援助を提供する介護サービスです。衣類の整理や薬を病院に取りに行くなど、身体介護以外のスキルも求められます。施設によっては通院のための乗降介助をする場合もあります。訪問介護員として働くためには「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」などの資格が必要です。訪問先まで車で向かうことも多いため、運転免許があると役立つでしょう。

3.介護士の1日のスケジュール

介護士の1日のスケジュール

介護士の1日は、働く施設やサービス形態によって大きく異なります。ここでは、代表的な働き方である「入居施設」「通所施設」「訪問介護」の1日のスケジュール例を紹介します。

入居施設の1日の仕事内容

特別養護老人ホームといった入居施設では、24時間体制で介護サービスを提供するため、日勤や早番、夜勤などのシフト制で働いています。ここでは、日勤と夜勤の1日の流れと仕事内容を紹介します。

【日勤】

時間 業務内容
9:00 ●出勤
●夜勤者からの申し送り
●バイタルチェック
●環境整備
10:30 ●入浴介助
●利用者さんとのコミュニケーション
●リハビリ補助
11:30 昼食の準備/配膳
12:00 ●昼食
●食事介助
●食事摂取量の確認
●下膳/口腔ケア
●服薬介助
13:00 休憩/見守り
13:30〜 ●リハビリの補助
●レクリエーション
●利用者さんとのコミュニケーション
16:30 夕食準備/配膳
17:00 ●夕食
●食事介助
●食事摂取量の確認
●下膳/口腔ケア
●服薬介助
●記録
17:45 夜勤者へ申し送り/情報共有
18:00 退勤

日中の仕事内容は、身体介護やレクリエーション、リハビリ補助、コミュニケーション、記録など多岐にわたります。勤務終了前には夜勤者に申し送りをしてから退勤します。次は、夜勤のスケジュールをみてみましょう。

【夜勤】

時間 業務内容
17:30 出勤
17:45 日勤者からの申し送り
18:00 ●食事摂取量の確認
●夕食の下膳/口腔ケア
19:00 ●就寝準備
●着替えの介助
●排せつ介助
21:00 ●消灯前服薬
●消灯
21:00〜5:00 ●定期的な巡回
●適宜、排せつ介助/おむつ交換
●コール対応
5:00 起床準備
6:00 ●起床
●排せつ介助
●着替えの介助
7:00 朝食準備/配膳
7:30 ●朝食
●食事介助
●食事摂取量の確認
●下膳/口腔ケア
●服薬介助
8:00 記録
9:00 日勤者への引き継ぎ
9:30 退勤

夜間は利用者さんの活動が少ない分、夜勤は就寝準備や排せつ介助、定期的な巡回、緊急時の対応が中心となります。夜中の排せつで転倒する可能性もあり、日中とは異なる集中力が求められます。

入所施設の介護士は、日勤・夜勤にかかわらず、多くの利用者さんを複数の介護員が対応するため、スタッフとの連携と情報共有が大切です。

通所施設の1日の仕事内容

デイサービスやデイケアなどの通所施設では、日中のみの介護サービスを提供しているため、比較的決まったスケジュールで進行します。

時間 業務内容
8:00 ●出勤
●利用者さんの受け入れ準備
●送迎
9:00 ●受け入れ
●バイタルチェック
●家族からの申し送り/情報共有
9:30 ●入浴介助
●レクリエーション
●機能訓練/リハビリ補助
11:30 ●配膳
●口腔体操
12:00 ●昼食
●必要に応じて食事介助/見守り
●服薬
●口腔ケア
13:00 休憩
13:30 ●ラジオ体操
●レクリエーション
●機能訓練/リハビリ補助
●連絡帳記入
●記録
15:00 ●おやつ
●必要に応じて食事介助
●利用者さんとのコミュニケーション
16:30 送迎
17:00 ●家族への申し送り/情報共有
●後片付け
●翌日の準備
●記録
●退勤

通所施設では、入浴や食事のほか、レクリエーション、リハビリ補助がおもな業務です。通所介護は、比較的決まったスケジュールで進行しています。
通所している利用者さんには、自宅での生活も想定した身体介護をすることが求められます。

訪問介護の1日の仕事内容

訪問介護では、訪問先ごとに異なるケアをします。利用者さんの個別のニーズに合わせたサービスを提供し、時間管理や移動に工夫が必要です。

時間 業務内容
9:00 ●出勤
●訪問する利用者さんの確認
●準備
9:00〜9:50 移動
9:50〜10:50 Aさん宅で生活支援・身体介護の提供
10:50〜11:10 移動
11:10〜11:40 Bさん宅で身体介護の提供
11:40〜12:00 ●移動
●帰所
12:00〜13:00 昼食/休憩
13:00〜13:20 移動
13:20〜14:00 ●Cさん宅で生活支援の提供
14:00〜14:20 移動
14:20〜15:20 Dさん宅で生活支援・身体介護の提供
15:20〜15:30 移動
15:30〜16:30 Eさんの身体介護の提供
16:30〜17:00 移動
17:00〜18:00 ●帰所
●記録/情報共有
●退勤

ホームヘルパーは1対1で対応し、利用者さんの生活に寄り添った支援をするようにしましょう。

4.介護士になるメリット

介護士になるメリット

介護士の仕事は、利用者さんの生活を支えるやりがいのある仕事です。ここでは、介護職員として働くメリットについて詳しくみてみましょう。

ライフスタイルに合った働き方ができる

介護士の仕事にはさまざまな勤務形態があり、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。例えば、日勤や夜勤といったシフト勤務があり、家庭の事情やプライベートに合わせて柔軟に働けます。フルタイムで働くだけでなく午前中のみ、週に数時間だけ働くといった方法もあり、自分のペースで働ける点が魅力です。そのため、家族との時間や自身の体力などと調整がしやすい仕事でしょう。

利用者さんから直接感謝される機会が多い

介護士の仕事は、利用者さんの生活を支えているため、感謝の言葉を直接聞く機会が多いでしょう。利用者さんからの「ありがとう」という言葉が、大きなやりがいにつながります。家族から感謝の言葉をもらうこともあり、介護員の働きが家族の安心にもつながっていることを実感できるでしょう。

資格を取得することで段階的にスキルアップできる

介護業界では、無資格であっても業務を通して専門的な知識や経験を身につけ、段階的に資格を取得できます。例えば、働きながら介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などを取得して、介護福祉士を目指すことも可能です。資格を取得することで、業務の幅が広がり、さらに責任ある役割を担当できるかもしれません。利用者さんへの質の高いケアを提供するだけでなく、自身のキャリアアップや給与アップにもつながるでしょう。

就職・転職先を見つけやすい

高齢化に伴い、介護業界は需要が高まっています。人手不足も続いているため、介護業界は就職・転職先を見つけやすい業種といえます。
また、介護施設にはさまざまな種類があるため、希望する働き方や条件に合った職場を探しやすい点もメリットといえるでしょう。経験を生かして良い条件の職場が見つかれば、転職もスムーズに進められます。

年齢や学歴に制限がない

介護士は学歴や性別に関係なく働けるため、幅広い年齢層の人が活躍できます。また、人柄や働く意欲が重視され、これまでの経験にこだわらない施設もあります。そのため、初めて介護員として働こうと考えている人でも、挑戦しやすい業界といえるでしょう。資格取得のサポートをする職場も多く、成長を感じながら働き続けることが可能です。

5.介護士の仕事がきついといわれる理由

介護士の仕事がきついといわれる理由

介護士の仕事は、感謝される場面が多く、やりがいを感じながら働ける一方で、「きつい」と感じる場面もあります。ここでは、介護士が負担に感じる仕事内容を解説します。

体力的な負担が大きい

介護の仕事は、利用者さんを抱えたり、体位変換をしたりする場面が多いため、体力的な負担が大きいと感じる介護士は少なくありません。身体介護では中腰になることも多く、腰や膝に負担がかかりやすいといえます。また、介護士の仕事はシフト制で働く施設が多く、夜勤をする場合もあります。そのため、生活リズムが崩れやすく、疲れが取れないという声も耳にします。
ただし、適切な介助技術が身につけば、身体介護による体への負担はかなり軽減されるでしょう。

利用者さんとのコミュニケーションが難しい

介護の仕事では、利用者さんとのコミュニケーションは大切です。慣れないうちは認知症の方と思うように意思疎通ができない場面もあり、介護の拒否や感情をぶつけられたときには、悩みを抱えることもあるでしょう。
介護士は、利用者さんの状況を理解し、冷静かつ穏やかな声かけをすることが大切です。コミュニケーションの上手な先輩を参考にしたり、チームで情報を共有したりするなど、利用者さんへの接し方を学ぶとよいでしょう。

6.介護士に向いている人の特徴

介護士に向いている人の特徴

介護士の仕事は人に感謝されるため、やりがいがありますが、その一方で身体的・精神的な負担も伴います。そのため、介護士に向いている人の特徴を理解し、自分がどのような資質を持っているかを考えることが大切です。

介護士は、次のような人に向いています。

  • 人と接することが好きな人
  • 体力に自信のある人
  • 介護の技術や知識を身につけることに前向きな人

介護士は、利用者さんや家族、スタッフなど多くの人と関わるため、人と接することが好きな人が向いています。コミュニケーションを積極的に取り、相手の気持ちに寄り添える共感力や傾聴力が求められるでしょう。また、介護の仕事は身体介護が多く、夜勤がある職場もあるため、体力に自信がある人にも向いています。介護士の仕事はライフスタイルに合った働き方ができる一方で、不規則なシフト勤務に対応できる生活環境があることや、緊急時に冷静に対応できる責任感と集中力も大切です。
介護士は、新しい介護技術や知識を「身につけたい」と、前向きに考えられる人にも向いています。介護現場は常に変化しており、積極的に学ぶ意欲が、より質の高いケア提供につながるでしょう。

7.介護士として働く際に役立つ資格

介護士として働く際に役立つ資格

介護士として働くうえで、資格は必須ではありません。しかし、資格を取得することで専門知識や技術が身につき、業務の幅を広げられるでしょう。ここでは、介護士として働く際に役立つ資格を紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識と技術を習得できます。講義と実技で構成され、取得するためには、介護の基本や認知症の理解など合計130時間の研修を修了することが必要です。
介護職員初任者研修は、都道府県知事が指定した研修機関やスクールで受講できます。研修機関によってカリキュラムの進行は異なり、取得するのに1〜4ヶ月程度かかると考えられます。
介護職員初任者研修を取得すれば、介護福祉士実務者研修や介護福祉士の取得への入り口になり、さらなるステップアップが目指せるでしょう。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格であり、介護福祉士を取得するために必要な資格です。取得することで、より専門的で実践的な介護の知識と技術が習得できます。
介護福祉士実務者研修では、社会福祉制度や医療の知識、認知症の理解など450時間のカリキュラムを都道府県が指定した事業者またはスクールで6ヶ月程度学びます。ただし、介護職員初任者研修を受けた人には一部の受講科目が免除されるため、受講時間を短縮できるでしょう。

介護福祉士

介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。介護福祉士の資格があれば、介護の現場におけるプロフェッショナルとして、利用者さんへ質の高いケアを提供できるうえに、家族からの信頼も厚くなるでしょう。また、ほかの介護職員への指導・育成や介護リーダー・主任といったチームの中心的な役割を担うことも可能です。
介護福祉士の資格を取得することで、資格手当がついたり、より責任のある役職についたりするなどの機会が増えます。また、介護業界は深刻な人手不足となっており、転職する際には即戦力として、重宝されるでしょう。
働きながら介護福祉士を目指すのであれば、介護福祉士実務者研修の修了と3年以上の実務経験を積んだうえで、国家試験に合格する必要があります。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、利用者さんの状態に合ったケアプラン(介護計画書)を作成し、利用する介護サービスの内容や頻度などを調整するのが仕事です。利用者さんとサービス提供事業者との間に立ち、できるだけ利用者さんの希望に合った生活ができるようにサポートします。
ケアマネジャーの試験は、介護福祉士や看護師など指定された国家資格を保有している、もしくは指定された相談援助業務の実務経験が通算5年以上あり、かつ従事した日数が900日以上ある人が対象です。さらに「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験し、合格することでケアマネジャーの業務ができるようになります。

まとめ:介護士の仕事内容は働く職場によって異なる|未経験からスキルアップも可能

まとめ:介護士の仕事内容は働く職場によって異なる|未経験からスキルアップも可能

介護士は、利用者さんが安全安心な生活を送るための重要な役割を担います。仕事内容は身体介護、生活支援、レクリエーション活動、記録など、さまざまです。これらの仕事は、特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護など、働く場所によって求められるスキルや知識は異なります。
介護士の仕事は、体力的な負担が大きく、利用者さんとのコミュニケーションが難しいと感じることもあるでしょう。しかし、利用者さんや家族から感謝される場面も多く、やりがいを感じられる職業です。
また、介護職は、無資格からでもスタートでき、働きながらスキルアップ、キャリアアップを目指して資格取得をしているのが特徴です。自分に合った資格を取得し、段階的に成長できる環境があります。

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山本史子(Fumiko Yamamoto)

介護福祉士

デイサービスで約20年現場職員として経験。2007年に介護福祉士の資格を取得。「この施設にいると楽しい、また行きたい」と笑顔で帰ってもらえるデイサービスにしたいという思いで20年間利用者様のケアをしている。知的障害のある自閉症の息子がいるため、介護現場で働きながら、母親の立場から障がい者福祉にも関わっている。

山本史子の執筆・監修記事

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