「なるほど」の失礼にならない言い換え方法は?ケース別に解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部日常生活はもちろん、仕事場でも「なるほど」という言葉が頻繁に使われます。「なるほど」は、同意や感嘆を伝えるのに便利な言葉ですが、使い方を誤ると「失礼な物言い」と捉えられる可能性があるため、安易に使いすぎるのは考えものです。シチュエーションに応じて適切な対応をとるためにも、「なるほど」に代わる表現を知っておきましょう。
この記事では、「なるほど」の意味や仕事場における適切な使用方法、言い換え表現について詳しく解説します。利用者さんやご家族、他職種とのコミュニケーションを円滑にするためにも、正しい使い方をマスターしましょう。
1.「なるほど」はどのようなときに使う言葉?
「なるほど」は同意や賛同の気持ちを表す「相づち」として、さまざまな場面で使われますが、相手が目上の場合は失礼に当たるケースもあります。
「なるほど」には、感嘆詞として使う場合と副詞で使う場合があり、多くの方が会話のなかで使うのは感嘆詞のほうです。
感嘆詞とは「へぇ」「わぁ」など、感心・感動のあまりに発する言葉で、感嘆詞としての「なるほど」には、相手の言ったことに対して、納得したり同意したりする意味があります。会話の流れ(あるいは文脈)によっては譲歩を表現する場合もあり、自分の意見を持ちながらも相手の意見に合わせるときにも「なるほど」が使われます。
一方の副詞は、形容詞や動詞を修飾する言葉です。そのため、副詞としての「なるほど」は相手の話に対して、納得や同意を示す際に使います。
ちなみに、「なるほど」は「成る程」と書き、「うまく実現する程度に」「できるかぎり」という意味も持っています。この場合、「なるべく」に近い言葉として捉えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
「なるほど」は失礼な言い方にあたる場合も!
「なるほど」という言葉自体に失礼な意味はありませんが、連発しすぎると「本当は同意していないのに、表面上同調しているだけでは?」という印象を与えかねないので、注意が必要です。また、「なるほど」には相手を評価するようなニュアンスが含まれるため、たとえ丁寧な言葉遣いでも相手に不快感を与える可能性があります。
そうした印象を緩和するため、近年は「なるほどです」という表現も生まれましたが、感嘆詞や副詞に「です」がつくことはないため、文法的には誤りです。したがって、仕事のコミュニケーションにおける適切な言い回しとは言えないでしょう。
相づちが「なるほど」だけにならないためにも、言い換えの表現をいくつか用意しておくのがおすすめです。
2.「なるほど」の言い換え方
仕事をするなかで「なるほど」と言いたくなる場面は、以下の3パターンに分けられます。
・相づちを打ちたいとき
・賛同の気持ちを伝えたいとき
・納得したことを伝えたいとき
ここでは、それぞれのシーンにふさわしい「なるほど」の言い換え表現や、例文を紹介しましょう。
相づちを打ちたいとき
調子を合わせる相づちとして「なるほど」を使いたい場面では、シンプルに「はい」に置き換えるとよいでしょう。相手の立場や自分との距離感にかかわらず、「はい」という相づちがビジネスマナーに反することはありません。1対1でのコミュニケーションにおいては、うなずくだけでも問題ありません。
ただし、「はいはい」のように「はい」を重ねて使うと、いい加減な返事に聞こえてしまい逆効果です。「はい」に限らず、同じ言葉を重ねるといい加減な印象を与える可能性が高いため、注意しましょう。
また、相づちを打つ際はタイミングも大切です。基本的には、話の句読点のタイミングで相づちを打つのが適切でしょう。相づちの回数が多すぎても印象が悪くなるため、適切なタイミングを心がけてください。
同意を伝えたいとき
目上の人や上司に同じ意見であることを伝えたいときは、「おっしゃる通りです」と言い換えるのがベターです。例えば、「新しいシステムの導入は見送るべきだ」「おっしゃる通りです」のように使います。「はい、おっしゃる通りです」といった具合に、相づちと併せて使うことも可能です。
「勉強になります」や「その通りだと思います」も、「おっしゃる通りです」と同様、同意を伝えたいときに使用できる言葉です。いずれも、肯定的で丁寧な表現なので上手に活用しましょう。
ただし、より丁寧に言おうとして「おっしゃられる通りです」とすると、二重敬語になってしまいます。「おっしゃる」と「られる」で尊敬語が重複し、かえって失礼な表現になるため避けてください。
納得したことを伝えたいとき
納得したことを伝えたいときには、「分かりました」「承知いたしました」「かしこまりました」などに言い換えられます。ただし、「分かりました」はややカジュアルな表現なので、仕事場では親しい間柄での使用に留め、外部の方や目上の方には基本的に使わないようにしましょう。
「承知いたしました」と「かしこまりました」は、いずれも丁寧な敬語表現となります。先輩や上司はもちろん、利用者さんやご家族、他職種の方、取引先の方にも使えるため、活躍する機会が多い言葉と言えるでしょう。
なお、納得したことを表す敬語表現の1つに「了解しました」がありますが、「了解しました」はカジュアルな表現であるため、仕事でのやりとりには適しません。特に目上の方には使わないほうが無難です。
3.「なるほど」以外に注意したい相づちは?
仕事上のコミュニケーションにおいては、「なるほど」以外にも注意しなければならない言葉があります。シチュエーションや使う相手によっては失礼に当たる場合があるので、うっかり使わないように注意しましょう。
以下では、「なるほど」以外に注意が必要な相づちを5つ紹介します。
確かに
「確かに」という言葉には、相手の意見を肯定する意味があるため、相づちとして使う場面も多いのではないでしょうか。しかし、「確かに」は相手を上から目線で評価しているような印象を与えやすいので、この一言で済ませるのはおすすめできません。また、「なるほど」と同じく「確かに」も、連呼すると相手に不快感を与える可能性が高いでしょう。
「確かに」を使いたい場面では、「おっしゃる通りです」「その通りです」に言い換えるとよいでしょう。このフレーズは、「確かに」と組み合わせて「確かに、おっしゃる通りです」「確かに、その通りです」のように使用することもできます。
了解です
「了解です」は、話や事情を理解して承認するという意味合いの言葉です。一見すると丁寧な表現にも思えますが、「了解」には上から目線のニュアンスがあるため、目上の方や外部の方との会話には適しません。丁寧に「了解いたしました」と表現しても、目上の方に使う言葉としてはふさわしくないので注意してください。
「了解です」を使いたい場面では、「かしこまりました」や「承知いたしました」といった言葉に言い換えるとよいでしょう。
一理あります
「一理ある」は、「物事に1つの道理がある」ことを意味します。ただし、「道理はあるが反対意見もある」「理屈は通っているけれど不明な点もある」など、相手の意見を全面的に認めないときに使用される言葉であるため、使い方には配慮が必要です。
仕事上のやりとりで「一理ある」を表現したいときは、「おっしゃる通りです」「その通りだと思います」と一度相手の意見を受け入れた上で、自分の意見を述べるとよいでしょう。
はいはい
他人の話を聞いているときに、「はいはい」と無意識に「はい」を重ねて相づちを打っている方は意外に多いものです。しかし、「はいはい」という相づちは、相手にいい加減な印象を与えたり、聞き流しているように見えたりするため注意しましょう。人によっては、「馬鹿にされている」と感じる場合もあるので、仕事中はもちろん日常会話でも控えたほうが賢明です。
相手の発言に理解を示したいときには、「はい」と明確に相づちを打つのが適切です。はっきりした相づちはやる気が伝わりやすいため、好印象にもつながります。
本当ですか?
驚きを表す際や照れ隠しをする際に、「本当ですか?」という言葉を使ったことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、「本当ですか?」は相手の言葉を疑っているようにも聞こえる言葉です。目上の方や外部の方に対して、「本当ですか?」を使うのは控えたほうがよいでしょう。
例えば、目上の方に「仕事が早くなったね」とほめられた場合は、「本当ですか?」ではなく「ありがとうございます」と言い換えましょう。相手を疑うような言い方ではなく、言葉を素直に受け止める表現を選ぶのがポイントです。
まとめ
「なるほど」という言葉の使い方や注意点を押さえることで、仕事場でのコミュニケーションの質を向上させることができます。シチュエーションごとに適切な相づちや表現を使い分けて、利用者さんやご家族、他職種との信頼関係につなげましょう。なお、仕事上のやりとりにおいては、「確かに」「了解です」などの言葉の使い方にも注意が必要です。
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