リフレクソロジーとは?期待できる効果・資格の種類を解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
リフレクソロジーは、身体の不調の改善・予防やリラックス効果が期待できる療法のことです。リフレクソロジーの技術を用いた施術・ケアは、特にリラクゼーションサロンや病院、介護業界をはじめとした幅広い業界で取り入れられています。
近年、高齢化社会により需要が高まりつつある介護職において、リフレクソロジーに関する知識の取得の必要性が高まっています。そこで今回は、リフレクソロジーの概要から、種類・期待できる効果・必要な資格・資格取得のメリットまで徹底的に解説します。
リフレクソロジーとは?
リフレクソロジーとは、「反射」の意味を持つ「Reflex(リフレックス)」と、「学問」の意味を持つ「Logy(ロジー)」を組み合わせた造語です。主に足裏の反射区を刺激して血流を促し、活性力を向上させる療法のことで、リラックス効果や健康維持が期待できます。英語では「Reflexology」と表記します。
また、リフレクソロジーと似た言葉・行為として、「マッサージ」が挙げられます。リフレクソロジーとマッサージは混合されることも多々ありますが、あん摩・指圧によるマッサージは国家資格が必要となる「法で認められた医療類似行為」です。
(1) あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復について
医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第十二条及び柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十五条により、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の免許を有する者でなければこれを行ってはならないものであるので、無免許で業としてこれらの行為を行ったものは、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十三条の五及び柔道整復師法第二十六条により処罰の対象になるものであること。
一方のリフレクソロジーは「法で認められていない医療類似行為」となり、厳密には医療行為とはなりません。そのため、国家資格の保有者でなくてもリフレクソロジーの施術を行うことは可能です。しかし、身体に損傷を与える可能性の高い一部の手技に関しては禁止されているなど、医療が目的の施術とリラクゼーション目的の施術の境界線が不明瞭な点に注意してください。
このように、リフレクソロジーとマッサージは全く異なる行為であることを覚えておきましょう。
リフレクソロジーの種類
リフレクソロジーとひとくちに言っても、あらゆる種類が存在します。リフレクソロジーの主な種類は、下記の4つです。
- 英国式リフレクソロジー(西洋式リフレクソロジー)
- 台湾式リフレクソロジー(東洋式リフレクソロジー)
- ドイツ式リフレクソロジー
- タイ式リフレクソロジー
種類によって概要や刺激方法も細かく異なるため、リフレクソロジーの施術を行う側として活躍したいと考えている人は知識を身につけておきましょう。
ここからは、各種類について詳しく解説します。
英国式リフレクソロジー(西洋式リフレクソロジー)
英国式リフレクソロジーは、足裏や手のひらにある反射区を中心に、指の腹部分を用いてソフトな刺激を与える施術方法です。イギリスでリフレクソロジーの知識を得た日本人が、日本に知識を持ち帰る際に「英国式」と名付けたと言われており、イギリス発祥のリフレクソロジーというわけではありません。なお、「西洋式リフレクソロジー」と呼ばれることも多々あります。
英国式リフレクソロジーの主な目的は、身体・精神的なリラクゼーションと、健康の維持の増進です。「痛みは負担となる」という考えのもと、撫でる・さするを中心とした適度な刺激で施術を行うことが特徴と言えます。
主に癒しを与えるリラクゼーションサロンやエステサロンに用いられるリフレクソロジーの種類であり、「ボディケア」の類とも言えるでしょう。アロマオイルやヒーリングミュージックを併用すればより高いリラックス効果が期待できます。
台湾式リフレクソロジー(東洋式リフレクソロジー)
台湾式リフレクソロジーは、足裏や手のひら、耳にある反射区に、棒や指の間接などを用いて強い刺激を与える施術方法です。「東洋式リフレクソロジー」のほか、「中国式リフレクソロジー」と呼ばれることもあります。
台湾式リフレクソロジーの目的は、主に健康の維持増進です。足裏にある複数の反射区を刺激して、凝り固まった全身のめぐりにアプローチし、活性力を向上させます。英国式リフレクソロジーとは違って「痛みがあればあるほどよい」という考えのもと、非常に強い力で刺激することが特徴です。
癒しを与えるリラクゼーションサロンよりも、台湾式足つぼ専門店などに用いられるリフレクソロジーの種類となっています。
ドイツ式リフレクソロジー
ドイツ式リフレクソロジーは、足裏にある反射区に指で優しい刺激を与える施術方法です。店舗や施設によっては、「ドイツ式フットケア」「フスフレーゲ」と言われることもあります。ドイツでは足の健康が重要視されており、フスフレーゲはドイツ語で「足のお手入れ」という意味を持っています。
ドイツ式リフレクソロジーの主な目的は、足の健康も維持増進です。英国式リフレクソロジーのように、強い刺激は与えずリラックス効果を感じられる程度の優しい刺激を与えることが特徴と言えます。
タイ式リフレクソロジー
タイ式リフレクソロジーとは、ひざ下や足裏にある反射区に、指や棒を用いて比較的強い刺激を与える施術方法です。「セン」という気が流れている部分に、リズミカルに圧を与えるという点が特徴的。タイでは伝統医学・医療の一環として行われ、「タイ古式マッサージ」とも呼ばれます。
タイ式リフレクソロジーの主な目的は、身体・精神的なリラクゼーションと健康維持の増進です。ストレッチや圧を用いて強い刺激を与えることが特徴。ポイントはその刺激レベルで、英国式リフレクソロジーと、台湾式リフレクソロジーの中間的な刺激の強さで施術を行います。
リフレクソロジーに期待できる効果
前述の通り、リフレクソロジーは医療行為ではないため、「身体の不調を改善する」「何らかの症状を改善する」といった医学的な効果はありません。では、リフレクソロジーには一体どのような効果があるのでしょうか。
リフレクソロジーに期待できる効果 |
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・リラックス効果 ・ストレス解消効果 |
リフレクソロジーの施術を受けて生まれる効果は、上記の2点のみです。人の手で触れることによって体温を上げ、全身の活性化につなげることでリラックス効果を感じられ、結果的にストレス解消にもつなげることも期待できるでしょう。
また、その他にはむくみの予防、疲れの予防など健康維持の観点においてもリフレクソロジーは期待できます。
リフレクソロジーの資格
リフレクソロジーは医業行為ではないため、施術を行うのに必要な国家資格はありません。しかし、民間資格は存在します。
リフレクソロジーの施術を行う業界で活躍するのであれば、資格なしの人よりも資格ありの人の方が需要が高まるでしょう。リフレクソロジーの知識や技術をしっかり身に付けて、就職や転職を有利にしたいという場合は資格取得がおすすめです。
なお、リフレクソロジーの知識や技術を用いて施術を行う人のことは、「リフレクソロジスト」と呼ばれます。
主に手指を用いてお客の足の裏や手、耳を刺激する施術を行い、健康を維持し、疲労回復を助ける。
ここからは、リフレクソロジーの代表的な資格を5つ紹介します。
※記載の内容は2021年12月時点の情報です
※表示価格は全て税込みです
JHRS認定リフレクソロジープロライセンス実技士資格
「JHRS認定リフレクソロジープロライセンス実技士資格」は、JHRS(日本ヒーリングリラクセーション協会)が実施する認定資格です。「プロライセンス実技士」とあるように、この資格を取得したリフレクソロジストは、より高い知識と専門技術をもった技術者であることの証明となります。
資格の取得方法は、JHRS公認スクールで所定のカリキュラムを修了後、年4回行われる資格認定試験に合格することです。資格取得後は、移行3年ごとに「資格更新単位」を取得しなければなりません。
リフレクソロジーレギュラークラス
「リフレクソロジーレギュラークラス」は、JREC(日本リフレクソロジスト認定機構)が実施する認定資格です。リフレクソロジーの基礎知識と技術を身につけた上、お客様に対して滞りなく施術を行える技術者であることの証明となります。
資格を取得するためには、JRECの加盟校でレギュラーライセンス対応講座を修了後、年3回行われる筆記試験に合格しなければなりません。受験料は「登録審査受験料」の11,000円と、「登録料」の16,500円、そして年会費の13,200円で合計40,700円です。すでにJREC会員の人であれば、年会費を追加で支払う必要はありません。
リフレクソロジーマスタークラス
「リフレクソロジーマスタークラス」は、JRECが実施する認定資格です。JRECが認定するリフレクソロジーのスタンダードな技術を習得し、お客様に対して継続的な健康管理のサポート・生活アドバイスのできる技術者であることの証明となります。
資格を取得するためには、JRECの加盟校でマスターライセンス対応講座を修了後、年3回行われる試験に合格しなければなりません。レギュラークラスは筆記試験のみでしたが、マスタークラスからは実技試験も必須です。受験料は「登録審査受験料」の33,000円と、「登録料」の33,000円、そして年会費の13,200円で合計79,200円です。一部他資格の取得者は、筆記試験・筆記試験料が免除されます。
リフレクソロジートップインストラクター
「リフレクソロジートップインストラクター」は、JRECが実施する認定資格です。JRECが認定するリフレクソロジーの最上位にあたるリフレクソロジストとして、より正確な技術と知識、経験をもった技術者であることの証明となります。この資格を取得していれば、講師としてJREC認定のリフレクソロジストの育成も行えます。
資格を取得するためには、JRECリフレクソロジースクールが開講するトップインストラクター対応講座を修了後、約1時間の模擬授業を受けなければなりません。受験料・登録料はそれぞれ33,000円となっています。
サポートケア/デイリーケアリフレクソロジスト
「サポートケア/デイリーケアリフレクソロジスト」は、JRECが実施する認定資格です。医療や介護現場において、身体の不自由な人に対して各部位へのトリートメントを行える技術者であることの証明となります。
受験者の保有資格によって、発行されるライセンス名は異なります。医療・介護に関する国家資格取得者(医師・看護師・介護福祉士・理学療法士など)の場合は、主に「サポートケアリフレクソロジー」です。
資格を取得するためには、JREC加盟校で「看護・介護に役立つリフレクソロジーの応用講座」を修了後、2日間の指定研修会(実技試験込み)を受けなければなりません。受験料は「研修会費」の33,000円と、「登録料」の16,500円、そして年会費の13,200円で合計62,700円です。
介護職がリフレクソロジー資格を取るメリット
介護・福祉業界で活躍する人がリフレクソロジー資格を取得することには、さまざまなメリットがあります。
そもそもリフレクソロジーは、全身の活性化やリラックス効果、健康維持などに役立つ施術です。介護の現場には寝たきり状態の施設利用者も多くなっていることから、介護スタッフ・セラピストにとってリフレクソロジーのスキルは大いに役立つでしょう。
また、リフレクソロジーを通してコミュニケーションの活性化ももたらします。介護・福祉業界で働いており、「なかなかやりがいを感じられない」「患者様や利用者様とうまくコミュニケーションがとれない」と悩んでいる人は、ぜひリフレクソロジー資格を取得してみてはいかがでしょうか。
まとめ
リフレクソロジーとは、足裏を中心に、全身の反射区というツボを刺激する療法のことです。リフレクソロジーの施術は、医療行為にあたらないため、国家資格保有者でなくても行うことができます。
リフレクソロジーとひとくちに言ってもあらゆる種類があり、存在する民間資格もさまざまです。リフレクソロジー資格のない人は、まず基礎的な資格から取得してみてはいかがでしょうか。
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