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仕事・スキル 介護施設・職場 2026/01/27

グループホームとは?種類や仕事内容、働くうえで役立つ資格を解説

文/山本史子(介護福祉士) thumb_260101.jpg

グループホームとは、利用者さんが住み慣れた地域で、支援を受けながら生活する施設のことです。グループホームで働くことを考えている方のなかには、グループホームという施設があるのを知っていても「どのような施設かよくわからない」「どんな仕事をしているんだろう?」と疑問に思う方もいるでしょう。

本記事では、グループホームの種類や仕事内容について詳しく解説するとともに、グループホームとほかの入所施設との違いや働くうえで活かせる資格を紹介します。

1.グループホームとは

参考写真

グループホームとは、少人数で共同生活を送る施設です。グループホームには、認知症高齢者向けと障がい者向けの2つの種類があり、住み慣れた地域で、その人らしい自立した生活を送ることを目的としています。

グループホームの1ユニットあたりの入居者数は通常5〜9人と少人数で、利用者さんは職員と一緒に食事の準備や掃除・洗濯などの家事をしながら自立した生活を送ります。

介護職員は、食事や入浴・排せつなどの身体介護のほか、散歩や趣味活動のサポートなど、幅広い業務をします。グループホームの利用者は少人数のため、まるで家族のように寄り添ったケアができるでしょう。

2.グループホームの種類

参考写真

グループホームには、認知症高齢者のグループホームと障害者グループホームがあり、利用対象者や人員配置基準が異なります。さらに、グループホームにはサテライト型グループホームという、本拠地となる施設から離れた場所で生活できる種類もあります。ここでは、この3つのグループホームについて詳しく解説します。

認知症高齢者グループホーム

認知症高齢者グループホームの正式名称は「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれており、認知症の高齢者を対象としています。

認知症高齢者グループホームの入居定員は1ユニット5〜9名に定められており、共同生活を送りながら、介護職員の支援を受ける入居施設です。家庭的で落ち着いた雰囲気を重視したケアをする点が特徴です。

認知症高齢者グループホームに入所できる方は、原則65歳以上で要支援2以上です。住み慣れた地域で生活することを目的としているため、原則として市区町村内に住民票がある方を対象としています。

認知症高齢者グループホームの人員配置基準は以下の通りです。

職種 人数
管理者 常勤専従で1人
計画作成担当者 1人以上
※最低1人は介護支援専門員
介護職員の人数(常勤換算) 日中:利用者3人に1人
夜間:ユニットごとに1人

参考:認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)について|厚生労働省

管理者は、3年以上の認知症の介護経験があり、厚生労働大臣が定める「認知症対応型サービス事業管理者研修」を修了している必要があります。介護職員の常勤換算は、常勤スタッフの人数に、非常勤スタッフの勤務延時間を常勤すべき勤務時間で割ったものを加えて計算します。これは常勤の介護職員が何人働いているかを計算しています。また、認知症高齢者グループホームは資格がなくても働けますが、1年以内に認知症介護基礎研修を修了することが必要です。

障害者グループホーム

障害者グループホームは、知的・精神・身体に障がいがある方が住み慣れた地域で自立した生活を送るための「住まいの場」を提供します。原則1ユニット10人以下で構成されており、介護職員は障がい者の入浴や排せつなどの身体介助のほか、生活相談をすることもあり、孤立の防止にも役立っています。これらの支援はおもに夜間に提供されており、日中は就労や日中活動サービスを利用することも可能です。

また、障害者グループホームでは、病院からの退院や施設を退所した際に、施設の生活から単身生活への移行や、単身生活に不安を感じるため支援を受けたい方が利用できるという特徴があります。

障害者グループホームでは、障害者区分1〜6の方が対象です。ただし、身体障がい者は65歳に達するまでに障害福祉サービスを利用している方に限られます。

障害者グループホームは、3種類に分けられます。

種類 特徴 人員配置基準
介護サービス包括型 ●おもに夜間、施設の職員が生活相談や身体介助、日常生活援助をする。
●利用者さんの就労先や日中活動サービスなどの連絡調整、社会生活上の援助をする。
●サービス管理責任者:利用者さん30人につき1人以上
●世話人:利用者さん4〜6人につき1人以上
●生活支援員:障害区分に応じ、利用者2.5〜9人につき1人以上
日中サービス支援型 ●昼夜を通じて施設職員が配置されており、生活相談や身体介助、日常生活援助のほか、就労先の連絡調整、社会生活上の援助をする。
●短期入所を併設し、障がい者の一時的な宿泊の場を提供する。
●サービス管理責任者:利用者さん30人につき、1人以上
●世話人:利用者さん3〜5人につき、1人以上
●生活支援員:障害区分に応じ、利用者さん2.5〜9人につき、1人以上
外部サービス支援型 ●おもに夜間に生活相談や日常生活援助をする。
●入浴や排せつなどの介護サービスは、外部の居宅事業所に委託している。
●利用者さんの就労先や日中活動サービスなどの連絡調整、社会生活上の援助をする。
●サービス管理責任者:利用者さん30人につき、1人以上
●世話人:利用者さん4〜6人につき、1人以上(当面は利用者さん10人につき、1人以上)

参考:共同生活援助(介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型)に係る報酬・基準について|厚生労働省

サービス管理責任者は、提供するサービスの品質管理や事業所の運営、職員の指導をします。世話人は生活援助や相談を中心とした支援をしており、生活支援員はおもに入浴や排せつなど、身体介助を中心とした介護サービスを提供しています。

サテライト型グループホーム

認知症高齢者グループホームや障害者グループホームには、サテライト型グループホームも存在しています。サテライト型グループホームとは、本体住居とは別に、本体住居から離れた住居(サテライト住居)を設置しているグループホームのことです。

サテライト住居から本体住居までの距離は車で20分以内で移動できる範囲に定められており、利用者さんは食事や余暇活動をするために本体住居へ移動します。これにより、緊急時の対応や生活相談を受けながら、地域のなかで自立した生活を送ることにつながります。

また、高齢化が進むなかで、グループホームの利用者さんの増加が予測されています。そのため、これまで認知症高齢者のサテライト型グループホームはユニット数が2以下とされていましたが、本体住居のユニット数を超えない範囲、かつ本体住居と合わせて最大4ユニットまで設置できるようになりました。

認知症高齢者のサテライト型グループホームでは、本体住居に計画作成担当者の介護支援専門員1人を配置することが必須ですが、サテライト住居は認知症介護実践者研修修了者1人の配置が要件であり、ケアマネジャー資格の有無は求められていません。また、管理者と介護支援専門員の計画作成担当者は、本体住居とサテライト住居の兼任が可能です。

障がい者のサテライト型グループホームでは、民間のアパートの1室をサテライト住居として使用する場合もあります。単身で生活できる方を対象としており、世話人が定期的に巡回することで、自立した生活を送れるように支援します。障がい者のサテライト型グループホームでは使用期限が定められているため、原則3年以内に一般住居へ移行することが目標です。

3.グループホームとほかの入所施設との違い

参考写真

高齢者や障がい者が利用できる施設には、グループホームのほかにも、老人ホームや障害者支援施設といったものがあります。ここでは、認知症高齢者グループホームと有料老人ホーム、障害者グループホームと障害者支援施設との違いを解説します。

認知症高齢者グループホームと有料老人ホームの違い

認知症高齢者グループホームも有料老人ホームもどちらも高齢者入居施設ですが、提供されるサービスや目的に違いがあります。

認知症高齢者グループホーム 有料老人ホーム
施設の特徴 ●家庭的な雰囲気
●認知症専門
設備やサービスが充実している施設もある
入居者数 1ユニット9人以下(3ユニットまで) 大規模な施設もある
入居要件 ●認知症と診断された要介護2以上の方
●施設と同一市区町村に住民票がある
●自立した方から要介護度5まで
●認知症がなくても入居可能

有料老人ホームは、高齢者の心身の健康を維持し、安心して暮らすことを目的とした施設です。介護型、住居型、健康型の3つの種類があり、自立した方から要介護度5まで幅広い高齢者が対象です。「健康型に入居している方に介護が必要になった場合は退居しなければならない」というように、種類によって受けられるサービスの範囲が異なります。

このように、認知症高齢者グループホームと有料老人ホームでは、入居者数やケアの目的などが大きく異なります。

どちらの施設で働くか迷う場合は「認知症ケアを学びたい」や「より多くの利用者さんをケアしたい」など、何を目的に支援施設で働きたいのかを考えて選びましょう。

障害者グループホームと障害者支援施設との違い

障害者グループホームと障害者支援施設は、いずれも障がいのある方の暮らしを支援する施設です。

障害者グループホーム 障害者支援施設
施設の特徴 ●おもに夜間に身体介助や生活相談が行われる
●日中や就労や日中活動サービスを使用することが多い
●単身での生活を目指して、自立した日常生活を支援する
日中、夜間を通して身体介助や機能訓練など、総合的な支援が提供される
入居者数 1ユニット4〜10人 大規模な施設もある
入居要件 ●障害者区分1〜6
●身体障がい者は、65歳までに障害福祉サービスを利用したことがある方
●障害者区分4以上
●50歳以上の場合は、障害者区分3以上

このように、障害者グループホームは障害者区分にかかわらず入所できるため、軽度な方から重度な方まで利用できます。一方、障害者支援施設では障害者区分が4以上の方が入居要件になっていることから、重度の方が多いといえます。

障害者施設で働こうと考えている方は「少人数でじっくりケアしたい」「重度の障がい者を中心に、身体介護や訓練などのサポートをしたい」などで考えると選びやすいでしょう。

4.グループホームの仕事内容

参考写真

グループホームの仕事内容は、認知症高齢者グループホームと障害者グループホームで異なります。ここでは、それぞれの具体的な仕事内容を解説します。

認知症高齢者グループホーム

認知症高齢者グループホームでは、利用者さんの残存能力を生かしながら、介護職員と一緒に生活をすることが重視されます。具体的には、次のような業務があります。

生活支援 ●食事の調理や配膳・片付け
●洗濯や掃除などの家事のサポート
身体介助 ●入浴
●排せつ
●着替え
●食事介助
●フロア内の移動や車椅子・ベッドへの移乗
●起床・就寝準備
レクリエーション ●ラジオ体操
●集団レクリエーション
●パズル
●カラオケ
●外出支援
●季節のイベント・行事
●レクリエーションの企画・実施
健康管理 ●バイタル測定
●服薬の見守り

上記のほかにも、夜間対応や巡視、記録などがあります。利用者さんの心身の状態を把握し、少しの体調の変化にも気付けるように観察することが大切です。これらの業務を通して利用者さんとのコミュニケーションをしたり、ほかの利用者さんとの交流を図ったりします。

グループホームのなかには看取りに対応している場合もあります。しかし、施設によって看護師の配置や医療体制は異なるため、医療ケアもしてみたいと考えている方は職員の配置や医療機関との連携について調べるとよいでしょう。

障害者グループホーム

障害者グループホームでは、利用者さんが地域社会で自立した生活を送れるよう支援するのが、介護職員の役割です。具体的には、次のような業務をします。

生活支援 ●食事の準備や配膳・片付け
●掃除や洗濯のサポート
●排泄や入浴・食事の支援
●買い物や通院の付き添い
●金銭管理
生活相談 ●就労先や日中活動サービス先との連絡・連携
●就労先や利用者さん同士の人間関係の悩み相談
●日常生活や自立に向けての相談
●日常生活スキルの習得支援
健康管理 ●服薬管理
●体温や血圧などの測定
●医療機関への連絡

上記のほかにも、戸締りや夜間対応、巡視、記録などがあります。また、レクリエーションとして外出や季節のイベント、地域住民との交流の企画・運営なども行います。障がいのためにコミュニケーションがうまくいかない場合もありますが、利用者さんが少しずつ自立したり笑顔がみられたりすると、やりがいを感じられるでしょう。

5.グループホームで働くうえで役立つ資格

参考写真

グループホームでは無資格からでも働けますが、資格を取得することで業務の幅が広がるため、キャリアアップや給与面でも有利になる場合があります。ここでは、グループホームで働くうえで役立つ5つの資格を紹介します。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護の基礎から医療ケアや認知症のケアを含む専門的な知識・技術を学べる資格です。演習と実技を含めた450時間の研修を受講することで取得できますが、介護職員初任者研修を修了している場合は研修時間が320時間となります。介護福祉士を目指すために必要となる資格のため、さらなるキャリアアップを目指したい方におすすめです。介護職員としての業務範囲も広がるでしょう。

介護福祉士

介護福祉士は、介護の実務や認知症ケア、障がい者支援など、幅広い知識と技術を習得できます。介護職で唯一の国家資格となっており、介護現場での専門性を証明する資格です。より質の高いケアを提供でき、介護職員の指導や家族への介護相談をすることも可能となるため、利用者さんや家族からの信頼も得やすくなるでしょう。

施設によっては資格取得者が優遇されたり、資格手当が支援されたりするため、転職や就職の際にも介護福祉士の資格があると有利です。

働きながら介護福祉士を目指す場合、3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の取得が必要です。

認知症実践者研修

認知症実践者研修は、認知症ケアの実践的な知識や技術が身につけられる資格です。専門的な視点と質の高いケアが提供できるため、認知症高齢者グループホームで働きたい方におすすめです。

認知症実践者研修は認知症介護基礎研修の修了者または、身体介護に関する基礎知識や技術がある方で、かつ2年の実務経験者が対象です。自治体によって開催時期やカリキュラムの日程は異なるため、受講スケジュールを確認しましょう。

社会福祉士

社会福祉士は、高齢者や障がい者だけではなく、生活するうえで困っている方の支援や相談をする仕事です。福祉全般の幅広い知識が得られ、障害者グループホームでの生活相談や他機関との連携・調整業務で活躍できるでしょう。

社会福祉士の試験を受ける要件には、福祉系の学校を卒業することや実務経験を経るなど、さまざまなルートがあります。実務経験を積んでから一般養成施設に行く場合は、学歴を問わず受験できます。

6.まとめ:グループホームは利用者さんに寄り添うケアができる職場

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グループホームは少人数で家庭的な環境のなか、利用者さんと深く関わりながらケアができる施設です。グループホームには認知症高齢者向けと障がい者向けがあり、仕事内容や求められるスキルは異なります。そのため、自分の働き方や身につけたいスキルによって選ぶことが大切です。

グループホームは資格がなくても就職できますが、認知症高齢者グループホームにおいては就職後に「認知症介護基礎研修」を修了する必要があります。また、介護福祉士や認知症実践者研修などの資格を取得することで業務の幅が広がるため、キャリアアップや転職時の選択肢も増えるでしょう。

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山本史子(Fumiko Yamamoto)

介護福祉士

デイサービスで約20年現場職員として経験。2007年に介護福祉士の資格を取得。「この施設にいると楽しい、また行きたい」と笑顔で帰ってもらえるデイサービスにしたいという思いで20年間利用者様のケアをしている。知的障害のある自閉症の息子がいるため、介護現場で働きながら、母親の立場から障がい者福祉にも関わっている。

山本史子の執筆・監修記事

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