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仕事・スキル 介護施設・職場 2026/01/29

障害者グループホームの夜勤が楽といわれる理由は?夜勤の仕事内容・メリット・注意点を解説

編集/中西紗羅(介護福祉士) thumb_260102.jpg

障害者グループホームとは、正式名称を「共同生活援助」といい、身体、知的、精神などのさまざまな障害を抱えた人を対象に、日中生活、ひいては社会生活を送るうえで必要な支援を提供する施設です。
障害者グループホームで働くことを検討している方のなかには、障害者グループホームの夜勤は「楽」だと耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
介護施設と比較すると、利用者への身体的介護やケアなどを行う頻度は低いため、人によっては「楽」と感じることがあるでしょう。
しかし、仕事内容を理解しないまま安易に仕事に挑戦すると、「全然楽ではなかった」と、ギャップを感じてしまう可能性も十分にあります。
本記事では、障害者グループホームの概要、夜勤が「楽」といわれる理由や、夜勤の仕事内容・スケジュール、夜勤のメリット、施設選びのポイントについて、それぞれ解説します。

1.障害者グループホームの夜勤が楽といわれる理由

参考写真

前提として、仕事が「楽」であるかどうかは、人それぞれの感じ方、捉え方、価値観、能力・スキル、経験などによって異なります。また、障害者グループホームと一言にいっても、利用者数や業務内容、人員配置などは施設ごとにさまざまであるため、一概に「障害者グループホームの夜勤は楽」とはいえません。

そのようななかでも、「障害者グループホームの夜勤は楽」といわれるケースがあります。ここからは、障害者グループホームの夜勤が楽といわれる理由について解説します。

レクリエーション・外出対応などがない

レクリエーション・外出対応などがないことは、「障害者グループホームの夜勤は楽」といわれる理由の1つです。障害者福祉施設で行われるレクリエーションや、買い物や通院の外出同行などの業務は、基本的には日中に行われます。そのため、17時ごろからの出勤であることが多い夜勤スタッフがレクリエーションや外出に対応することはほとんどありません。

人間関係のストレスが少ない

人間関係のストレスが少ないことから、「楽」と思う方もいます。仕事を進めるうえでは、職場における人間関係の構築やコミュニケーションは避けられません。しかし、夜勤の場合、スタッフの人数が少ない、あるいはワンオペの可能性も十分にあるため、日勤と比べて職場の人と交流することが少ない環境で働けます。

そのため、「職場の人間関係が煩わしく感じる」「1人で淡々と業務をこなしたい」という人にとっては、障害者グループホームの夜勤は精神的に「楽になる」といえるでしょう。

ただし、職場の人が少ない(いない)環境においては、夜間のトラブルが発生した場合、1人で対応する必要があることを忘れてはいけません。

身体介護・体位交換などの業務が少ない

身体介護・体位交換などの業務が少ないことも、「楽」と感じる理由の1つです。障害者グループホームの利用者は、介護施設や認知症グループホームの利用者と比較すると、介護度は低いといえます。

そのため、スタッフ自身の身体的負荷が少ないことから、「楽」と感じる人は一定数存在するでしょう。

また、利用者の就寝後、特にトラブルが発生しなければ、スタッフに求められる業務は少ないことも、仕事が「楽」と感じる理由であるといえます。

2.障害者グループホームの夜勤の仕事内容

参考写真

障害者グループホームの夜勤では、基本的には「利用者自身でできることは、自身でやってもらう」自立支援の考えのもと、支援が必要な部分に対してスタッフが介入することが求められます。

利用者の要望に対してスタッフが何でもかんでも対応してしまうと、利用者の自立を促すことにはなりません。

そのため、一人ひとりの利用者に合った適切な支援を行うことが大切です。ここでは、障害者グループホームにおける夜勤の仕事内容について、具体的に解説します。

食事の準備・片付け

夜勤スタッフは、利用者の夕食と、翌朝の朝食の準備を行うことも仕事の1つです。施設ごとに業務内容や範囲は異なり、日勤と夜勤でそれぞれ朝食、夕食の準備や片付けなどを対応することもあります。

ときには、調理、配膳、下膳を、利用者と一緒に行うこともあるでしょう。ただし、利用者自身ができることは、自身でやってもらうことが自立促進のポイントであるため、スタッフは利用者へのサポート対応が求められます。

就寝の準備

利用者の着替え、入浴支援、口腔ケア、服薬管理など、就寝に向けた準備の支援も夜勤の仕事です。スタッフは基本的にいつでもサポートできるよう「見守り対応」の姿勢でいることが大切です。利用者の抱える障害や身体機能などの事情により支援が必要な部分に対しては、スタッフが適宜、支援を行います。

利用者は毎日の就寝時間を決めて、規則正しい生活を送ることで、自立した生活の実現へとつながります。

夜間の巡回

利用者の就寝後は、決められた時間ごとにスタッフは施設の巡回を行います。巡回中には、利用者がしっかりと眠りにつけているか、トラブルや体調の変化などがないかを確認します。

巡回の頻度は施設によって異なりますが、1~2時間に1回程度が目安です。日勤スタッフからの申し送り(引き継ぎ)で、あらかじめ体調不良の利用者がいる場合には、変化に気が付けるよう巡回の回数を増やすこともあります。

起床の支援

起床の支援も夜勤の仕事の1つです。スタッフは基本的に見守り対応をしながら利用者への起床の声かけ、服薬確認、口腔ケア、着替えなどの支援を行います。

障害者グループホームに入居している人のなかには、日中に仕事に行くケースもあります。その場合、服装のアドバイスや、身だしなみ・持ち物チェックなどもあわせて行うことが必要です。また、心身の健康状態についても、起床時に確認することが求められます。

記録作成

夜勤が終わったら翌日の日勤スタッフへ、申し送り(引き継ぎ)を行います。主に、利用者一人ひとりに関する記録を作成し、口頭で情報伝達して申し送ります。

記録には、夜勤帯の様子や言動などを記載するほか、トラブルの発生や利用者からの要望などがあれば、あわせて記載します。

相談対応・話し相手

眠れない利用者の対応や、利用者からの日常生活における困りごとの相談対応なども、夜勤スタッフに求められる役割の1つです。利用者から声をかけられたら、必要に応じて相談対応や、サポートをしながら、利用者が不自由なく生活を送れるように支援します。

ときに、利用者の雑談や世間話などの相手としてコミュニケーションを取ることもあります。

3.障害者グループホームの夜勤のスケジュール

参考写真

障害者グループホームごとに、スタッフに求められる業務内容は異なるものの、夜勤のスケジュール(1日の流れ)にそこまで大差はありません。基本的には、下記のようなスケジュールで夜勤業務に取り組みます。

時間 業務内容
17時 出勤。日勤スタッフから申し送りを受ける
18時 夕食の準備(配膳・下膳など)
19時〜21時 自由時間/入浴、口腔ケア、服薬確認、着替えなどを、必要に応じてサポートする/利用者の相談・話し相手になる/就寝の声かけ、就寝準備に取り掛かる
22時 夜間の巡回/トラブルがあれば対応する/業務日誌や記録の作成、雑務など
23時 休憩・仮眠
2時〜3時 巡回
6時〜7時 起床の声かけ/起床支援/朝食準備など
8時 利用者の出勤・外出準備の支援(見守り)
9時 日勤スタッフへ申し送りをする/退勤

4.障害者グループホームの夜勤のメリット

参考写真

ここからは、夜勤スタッフとして働くメリットを解説します。

身体的な負担が少ない

障害者グループホームの夜勤では、利用者の身体介護や体位交換といった介護ケアを行うことはあまりありません。そのため、障害者グループホームより利用者の介護度が高い傾向にある介護施設での夜勤と比べて、身体的負担は少ないといえます。

日中に予定を入れることができる

日中に予定を入れることができるのは、障害者グループホームの夜勤のメリットの1つです。多くの施設では、夜勤帯は概ね17時ごろから勤務開始となり、翌朝9時ごろには退勤となります。そのため、必要な睡眠を摂ったうえで、日中の用事をこなすといった過ごし方ができるのは、夜勤ならではのメリットです。

夜勤手当がもらえる

夜勤に入ると、夜勤手当がもらえます。施設によって手当の金額はさまざまですが、概ね5,000円/1回が相場です。週に1回の夜勤でも、月換算すると2万円(5,000円×4週)になるため、日勤だけの働き方よりも収入アップを狙えます。

ただし、夜勤手当の金額は施設ごとに異なり、夜勤手当が存在しないケースもあります。

夜勤手当は、自分自身の収入面を支える大切な要素の1つです。そのため、夜勤手当の金額は、事前にしっかりと確認しておきましょう。

5.障害者グループホームの夜勤を選ぶときに注意したいこと

参考写真

障害者グループホームの夜勤は、施設ごとに業務の範囲や、スタッフの役割などが異なります。そのため、メリットがある一方で、人によってはデメリットと感じる面も存在します。

ミスマッチを防ぐために、障害者グループホームの夜勤を選ぶときに注意したいことについて解説します。

生活リズムが不規則になる

シフトに応じて、日勤と夜勤のどちらにも入っている場合だと、生活リズムが不規則になってしまう可能性があります。「今日は日勤。明日は夜勤。その後に1日休みを挟んでから再び夜勤」というような不規則な生活は、自身の健康にも影響し、ストレスもかかるでしょう。

日々の勤務による疲労を蓄積しないためにも、念入りな体調管理と、夜勤明けの時間でしっかりとした休息を取ることが必要です。

ワンオペでの対応が求められる

夜勤中は他のスタッフとの関わりが薄い一方で、発生したトラブルや、利用者の体調不良・急変などには、基本的には自分1人で対応しなければなりません。

一刻を争うような生命の危機につながる事態が発生することもゼロではないため、1人での対応にストレスを感じてしまうケースもあります。

業務時間(拘束時間)が長い

日勤と比べて業務負担が少ない一方で、業務時間(拘束時間)が長く、長時間職場に滞在することはデメリットと感じることもあります。夜勤シフトに多い17時〜9時の勤務時間だと、拘束時間は16時間になります。

万が一のトラブルや、緊急時対応のことを考えると、決して気を抜けない状況が長い時間続くことにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

利用者一人ひとりの障害特性を理解することが求められる

障害者グループホームには、障害や疾患を持ったさまざまな利用者がいます。相談や話し相手になるとしても、相手の考え方やこだわりの強さ、価値観などをしっかりと理解しておかないと、相手との関係性も上手に築けません。

日勤スタッフの記録や申し送りの内容を理解し、日頃から自分自身が利用者との関係性をしっかりと構築することが求められる職場といえます。

自分に合った施設を選ぶ

ストレスをできるだけ少なく、長く働き続けるためには、自分に合った施設を選ぶことが大切です。施設によって夜勤の体制は異なるため、自分が何を優先して障害者グループホームの夜勤で働きたいのかを明確にしておくことが、求人探しのポイントといえるでしょう。

まとめ

参考写真

障害者グループホームの夜勤は、日勤と比較すると業務負担が軽い傾向にあるため、「夜勤は楽」と思う人は一定数存在します。その一方で、トラブル対応などは1人で対処しなければならないほか、夜勤が多いと、不規則な生活リズムになりがちな点には注意が必要です。

「楽と聞いたから」ではなく、「なぜ障害者グループホームの夜勤で働きたいのか」を明確にすることが、自身が希望する施設探しをする際の、大切なポイントとなるでしょう。

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中西紗羅(Sara Nakanishi)

介護福祉士

2014年介護福祉士養成校を卒業し、介護福祉士の資格を取得する。その後、従来型の介護老人福祉施設にて4年勤務する。「より個人に寄り添ったケアを実現したい」という想いから、ユニット型の介護老人福祉施設に転職する。ユニットリーダー研修を受講し、利用者様が「ありのまま自分らしく」過ごしていただけるよう、1人ひとりに寄り添ったケアを目指し6年勤務する。

中西紗羅の執筆・監修記事

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