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仕事・スキル 介護施設・職場 2026/03/27

障害者支援施設とは?提供するサービスの種類や支援内容をわかりやすく解説

文/山本史子(介護福祉士) THUMNAIL_No4.jpg

障害者支援施設で働きたい方のなかには「障害者支援施設ってどんなところ?」「どんな職種の人が働いているの?」と興味はあるものの、詳しいことはわからない方もいるでしょう。

本記事では、障害者支援施設の概要や種類、障害福祉サービスの種類や職種、働く際に役立つ資格を解説します。「どんな仕事なのか知りたい」「自分にもできるだろうか」と迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.障害者支援施設とは

参考写真

障害者支援施設とは、障害者総合支援法に基づいた、障がい者を支援するための施設です。障害者総合支援法は18歳以上を対象としており、18歳未満の障がい児は児童福祉法に基づく施設の対象となるため、障害者支援施設とは区別されています。

障害支援施設では、以下のような総合的な支援が行われる点が特徴です。

  • 日中は創作活動や軽作業といった活動の場を提供
  • 夜間は生活の場として安心して過ごせる環境を提供
      (夜間の入浴や排せつといった身体介護など)
  • 日常生活に関する相談・アドバイス

日中活動については、障害者支援施設内だけでなく、外部の障害福祉サービスと併用する場合もあります。

障害者支援施設の利用対象となるのは、生活介護を受けている方のうち、障害支援区分4以上(50歳以上は障害支援区分3以上)と認定された方です。ただし、なんらかの理由で自宅での生活が難しい方や、旧法から継続して入所している方も含まれます。

2.障害者支援施設で提供する障害福祉サービスの種類と支援内容

参考写真

障害福祉サービスは「介護給付」と「訓練等給付」に分かれており、障害者支援施設では、利用者さんの障がいの程度や生活状況によって、次のようなサービスが提供されます。

  • 生活介護
  • 施設入所支援
  • 自立訓練
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援B型

障害福祉サービスの内容や職員の支援内容について解説します。

参考:障害福祉サービス等について|厚生労働省

生活介護

生活介護は、障害福祉サービスのうち介護給付にあたる支援で、おもに日中の生活をサポートします。食事や入浴、排せつなどの身体介護に加えて、生産活動の機会も提供します。地域や入所施設で安定した暮らしが継続できるよう、常に介護や見守りをするのが特徴です。対象となるのは、次のような方です。

• 障害支援区分3以上(障害者支援施設に入居の場合は障害支援区分4以上)
• 50歳以上の方は、障害支援区分2以上(障害者支援施設に入居する場合は障害支援区分3以上)


生活介護では、日常生活に必要な食事・排せつ・入浴などの身体介護のほか、職員と一緒に料理や掃除をしたり、カラオケや創作活動をしたりして、利用者さんの生活の幅を広げる取り組みをしています。地域の交流の場への参加や施設のイベントに地域住民を招待する施設もあり、これらの活動のなかで職員には、利用者さんのサポートだけでなく、生活を支えるパートナーとしての役割が求められます。利用者さんを尊重し、主体性を引き出すような温かい関わりが必要です。

施設入所支援

施設入所支援は、介護給付にあたる障害福祉サービスです。入所した障がい者に対して、休日や夜間における日常生活の身体介護や相談・支援をします。施設入所支援は、以下のような方が対象です。

1. 生活介護の利用者さんで、障害支援区分4以上(50歳以上は障害支援区分3以上)
2. 自立訓練・就労移行支援・就労継続支援B型の利用者さんで、入所・通所で訓練等の実施が難しい方
3. 旧法からの継続している入所者さん
4. なんらかの理由で自宅での生活が難しく、1または2に該当しない方、もしくは就労継続支援A型の利用者さん


職員には、利用者さんの体調や生活リズムを尊重しながら、生活介護などの日中の活動に加えて、夜間の身体介助や見守り・体調管理など、総合的なサポートが求められます。そのため、利用者さんの小さな変化に気づく観察力と、落ち着いた対応力が必要となるでしょう。

参考:施設入所支援|WAMNET

自立訓練

自立訓練は、訓練給付にあたる障害福祉サービスで、障がい者が将来的に自立した生活を目指すための訓練を提供します。身体機能や生活能力の維持・向上を目的とした支援で、日常生活に必要な動作や対人関係の築き方、公共交通機関の使い方など、さまざまな訓練が行われます。

自立訓練には「機能訓練」と「生活訓練」の2種類があります。

機能訓練 理学療法士や作業療法士の指導のもと以下のような訓練を実施
・歩行や立ち上がり
・筋力維持のためのリハビリ
生活訓練 地域で暮らす力を身につける支援を実施
・掃除や洗濯などの家事
・金銭管理
・時間の使い方
・身だしなみ

職員は、訓練のサポートをしながら利用者さんの得意なことを発見し、成功体験を積み重ねられるように支える役割をしています。日々の声かけや関係づくりを通じて、生活リズムを整え、利用者さんの「できること」を少しずつ広げていく関わりが大切です。

就労移行支援

就労移行支援は、訓練給付にあたる障害福祉サービスです。一般企業への就職を目指す障がい者を対象に、就労に必要な知識やスキルを身につけるための訓練を提供します。一定期間(原則2年)通いながら、就職に必要な技能や、職場でのコミュニケーションなどを学びます。

就労移行支援の利用対象は、18歳以上65歳未満で、一般就労が可能と見込まれる障がい者です。精神障がいや発達障がいの方、長期離職者、就職経験の少ない若年層なども対象です。

就労移行支援では就労支援員や職業指導員として、就労するための訓練だけでなく、本人の得意・不得意の把握や生活リズムの安定化、職場への定着までをサポートします。面接への同行や企業との連絡調整をすることもあり、支援員には社会経験や対人スキルが必要です。利用者さんが自信を持って職場へ踏み出せるよう、実践的かつ寄り添った関わりが求められるでしょう。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、訓練給付にあたる障害福祉サービスです。年齢や体力、障がいの特性などの理由から、一般就労や就労継続支援A型の利用が難しい方を対象に、作業の機会と支援を提供します。企業と雇用契約を結ぶ就労継続支援A型とは異なり、就労継続支援B型は雇用契約を結ばない非雇用型の就労支援で、自分のペースで働ける点が特徴です。18歳以上の障がい者は利用できますが、50歳以上の障がい者は、障害基礎年金1級受給者に限られます。

就労継続支援B型では、軽作業や手工芸、農作業、清掃、菓子製造、パン作りなど、事業所ごとにさまざまな作業が用意されており、利用者さんができる範囲で取り組めます。職員の役割は、作業の手順説明や見守り、体調管理、対人関係のサポートなどです。作業がうまくできないときには声をかけて励ましたり、一緒にやり方を考えたりと、利用者さんの気持ちに寄り添った支援が求められます。

参考:就労継続支援B型|WAMNET

3.障害者支援施設で働く方の職種

参考写真

障害者支援施設では、利用者さんの生活や自立に向けた取り組みを支えるために、おもに、次の職種のスタッフが働いています。

・サービス管理責任者
・生活支援員
・職業指導員/就労支援員

日常的な介護を担う職員はもちろんのこと、支援計画を作成する責任者や就労訓練をサポートする職員など、それぞれの役割が支援の質を高めるために欠かせません。

サービス管理責任者

サービス管理責任者は、障害福祉サービスを提供する施設や事業所の中核を担う存在です。施設の種類に関わらず、原則としてサービス提供に必ず1名以上配置することが義務付けられており、専門的な知識と経験が求められます。

サービス管理責任者は、利用者さん一人ひとりに合わせた支援計画を作成し、支援の質を管理・調整する役割をしています。利用開始前のアセスメントや支援が計画通りに進められているかモニタリングを実施し、支援内容の見直しや改善業務も欠かせません。このほかにも、スタッフの支援指導や助言も行います。

参考:障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者について|厚生労働省

生活支援員

生活支援員は、障がい者が施設で安心して暮らせるように、生活全般をサポートします。例えば、入浴や排せつ、食事といった身体介護のほか、掃除や洗濯、買い物などの家事支援、外出の付き添い、作業活動やレクリエーションの見守りなど、支援内容は多岐にわたります。

生活支援員のちょっとした声かけや気づきは、利用者さんの安心感や自立の意欲につながります。そのため、生活支援員には、利用者さん一人ひとりの性格や障害の特性に合わせた関わりが求められるでしょう。利用者さんの体調や気分の変化にいち早く気づき、必要に応じて他職種に報告・連携することも大切な役割といえます。

参考:生活支援員|WAMNET

職業指導員 / 就労支援員

職業指導員は、就労を目指す障がい者に対して、作業の指導や仕事に必要なスキルの習得、就職活動のサポートをします。施設内での作業の手順を教えたり、うまく作業が進められるようにアドバイスをしたりするのが仕事です。おもに就労移行支援や就労継続支援B型の施設に配置されており、利用者さんが「働くこと」に自信を持ち、社会で活躍するための支援をしています。

一方で、就労支援員は、求職活動の支援や職場実習の調整、就職後に障がい者が職場に定着するための支援など、外部の企業や関係機関と連携する仕事です。

どちらの職種も、利用者さんの得意なことや課題を一緒に探りながら、少しずつできることを増やしていく役割があります。職員は、利用者さんの成長に寄り添う姿勢が大切だといえるでしょう。

参考:障害者福祉施設指導専門員|job tag

4.働く障害者支援施設を選ぶ際のポイント

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障害者支援施設を選ぶ際は、自分が無理なく働ける内容か確かめておくことが大切です。給与だけでなく、勤務時間や夜勤の有無など、自身のライフスタイルに合った働き方ができるかも検討しましょう。

未経験者として障害者支援施設で働こうと考えている方は、研修制度や勉強会があるかどうかも確認することが大切です。未経験者でも受け入れ体制が整っているか、スキルアップできる環境なのかを調べておくとよいでしょう。

また、職員間の雰囲気やチームワークも重要なポイントの1つです。障がいの特性は個人によって異なるため、対応に悩む日があるかもしれません。しかし、相談しやすい環境や助け合える風土があれば、働く際の安心感につながります。事前に施設を見学し、利用者さんへの対応や職員同士の雰囲気を確認することが大切です。

5.障害者支援施設で働く際にあると役立つ資格・研修

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障害者支援施設では、無資格でも働くことは可能です。しかし、資格を持つことで支援の幅が広がり、スキルアップやキャリアアップにもつながります。ここでは、障害者支援施設で役立つ資格と研修を紹介します。

介護福祉士

介護福祉士は、介護知識と専門的なケアの習得を証明する国家資格です。障害者支援施設では、入浴介助や食事介助などの身体介護だけでなく、家族からの相談を受けたり、チーム内のリーダー役として活躍したりできるでしょう。介護福祉士の資格試験を受けるには、養成施設や福祉系学校を卒業する方法のほか、介護職員として働きながら3年以上の実務経験を積み介護福祉士実務者研修を修了する方法があります。介護福祉士の取得に向けて、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を受け、段階的にスキルアップしてもよいでしょう。

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

社会福祉士

社会福祉士は、社会福祉に関する業務について必要な知識やスキルを修得したことを証明する国家資格です。社会福祉士は、福祉全般に関する専門的な知識を持ち、障がい者やその家族に対して相談・指導ができます。障害者支援施設では、生活上の困りごとへの助言や、関係機関との連携・調整などの業務を担います。資格を取得するためには、福祉系の大学や養成校で必要な課程を修了する方法や、働きながら実務経験を得て受験資格を得る方法があり、資格の取得ルートはさまざまです。

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神保健の専門的な知識と技術を持つことを示す国家資格です。精神障がい者だけでなく、日常生活や社会生活に悩みを抱える方全般に対して、地域での生活や社会復帰をサポートします。障害者支援施設では、対人関係が苦手な方や利用者さんのメンタル面をサポートする際に役立つでしょう。精神保健福祉士は、本人の特性を理解しながら就労に向けた支援が行え、施設で重宝されます。精神保健福祉士の資格を取得するためには、4年の実務経験と1年以上の養成施設の課程を修了するなどの要件を満たすことが必要です。

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修とは、医療的ケアが必要な障がい者に対して、痰の吸引や経管栄養などの医療行為を実施するための研修です。喀痰研修には1号研修から3号研修まであり、実施対象者の範囲や研修内容が異なります。施設によっては、痰の吸引が必要な重度の障がい者を支援する場合に備えて、受講を推奨しているところもあります。そのため、喀痰吸引等研修の受講は、障害者支援施設で働く際に役立つでしょう。

参考:喀痰吸引等研修|厚生労働省

まとめ:障害者支援施設のサービスの種類から自分に適した職場を探そう

参考写真

本記事では、障害者支援施設で提供されるサービスの種類や業務内容、障害支援に役立つ資格について解説しました。障害者支援施設は利用者さんに対して、日中・夜間を通じて生活介護や自立訓練、生産活動を提供しており、利用者さんの安定した生活と社会参加を支える役割をしています。

職場を選ぶ際には、給与や勤務形態だけでなく、研修制度の有無や職場の雰囲気を確認することが大切です。また、研修への参加や資格取得は専門性を高められるため、支援の幅が広がり、キャリアアップやスキルアップを望めるでしょう。障がい者支援は、利用者さんに寄り添いながら成長していけるやりがいのある仕事です。障がい特性の理解を深めることで、より質の高い支援が提供できるでしょう。

参考:
障害者支援施設|WAMNET
障害福祉分野の最近の動向|厚生労働省

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山本史子(Fumiko Yamamoto)

介護福祉士

デイサービスで約20年現場職員として経験。2007年に介護福祉士の資格を取得。「この施設にいると楽しい、また行きたい」と笑顔で帰ってもらえるデイサービスにしたいという思いで20年間利用者様のケアをしている。知的障害のある自閉症の息子がいるため、介護現場で働きながら、母親の立場から障がい者福祉にも関わっている。

山本史子の執筆・監修記事

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