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仕事・スキル 介護施設・職場 2026/01/07

#インタビュー#気になるあの介護施設

「働く×リハビリ」をコンセプトにしたワーキングリハビリとは?多世代複合施設「百年の森 函館」|気になるあの介護施設

取材・文/タケウチノゾミ 編集/イージーゴー iv251203_thumb.jpg

北海道函館市に位置する「百年の森 函館」は、通所介護(デイサービス)・居宅介護支援・児童発達支援・就労継続支援B型の4業態がワンフロアにある多世代複合施設です。利用者さんは来所後、「働く×リハビリ」をコンセプトにした「ワーキングリハビリ」などの多種多様なプログラムに取り組み、多世代交流を楽しんでいます。デイサービスでの一日の流れやワーキングリハビリの概要、実施時に心がけていることについて、株式会社3eee 代表取締役の田中 紀雄氏に話を聞いてみました。

ーー「百年の森 函館」の施設紹介をお願いいたします。

北海道函館市にある多世代複合施設です。通所介護・居宅介護支援・児童発達支援・就労継続支援B型の4業態をミックスしており、子どもから現役世代、高齢者まで幅広い世代の方にご利用いただいています。約200坪の施設内には、デイサービスの機能訓練室・相談室・児童の活動室・障がい者就労の作業室などを配置。さらに、高齢者が気軽に利用できる買い物スペースや、おしゃれなカフェスペース、「働く×リハビリ」をコンセプトにしたワーキングリハビリを行うスペースも設けています。なお、2025年現在のデイサービスの契約者は約80人で、平均年齢は80代前後です。また、男女比は男性4割・女性6割と、デイサービスとしては比較的男性の利用者数が多い傾向にあります。

ーー高齢者向けデイサービスでの一日の流れを教えてください。

来所後は、まずバイタルチェックを実施します。その後は、集団体操や脳トレ、個別トレーニングなどの機能訓練を行い、入浴・口腔体操を経て、12時に昼食を取ります。午後のプログラムは13時のリハビリから始まり、平行棒やレッドコードなど器具を用いた歩行訓練・バランス訓練を実施。14時からは外出レクやワーキングリハビリを1時間ほど行います。その後は集団体操とおやつの時間を挟み、15時半から集団レクを実施。16時半頃に一日のプログラムが終了します。

施設内は広々としており、幅広い年代の人が過ごしやすい雰囲気

施設内は広々としており、幅広い年代の人が過ごしやすい雰囲気

ーー「ワーキングリハビリ」とは、具体的にどのような取り組みなのでしょうか。

その名の通り、「働くこと」と「リハビリ」を掛け合わせた取り組みです。簡単に言えば施設内での有償ボランティアで、利用者様が軽作業に取り組むことで得た報酬を、デイサービス利用時の自己負担分に充当する仕組みです。具体的な作業には、地元の農家さんから仕入れた玄米の精米や袋詰め、米ぬか・コーヒーかすを使った石鹸作りなどがあります。

作っていただいた製品は、いずれも当社が運営しているオンラインストアや出店イベントなどで販売し、その収益は利用者様に還元しています。この取り組みでは「役割を持って仕事をする」という行為により、利用者様の生きがいを創出すると共に、リハビリとしての訓練要素を組み合わせることで、生活機能の向上も目指しています。さらに、地産地消の活動とも結びつけることで、「地域の中で役割を担っている」という実感を得られるのではないかと考えています。

ーーさまざまな介護度の利用者さんに、細かな作業をお願いするのは難しそうなイメージがあります。「ワーキングリハビリ」実施時の工夫を教えてください。

すべての作業工程を細分化し、分析することです。一度作業をバラバラにしたうえで、「この作業であればAさんは大丈夫そう」「こんな工夫をすればBさんにも出来るのではないか?」と考えながら役割を割り振っています。例えば石鹸を包装紙で包む作業は、多くの利用者様にとって難しいため、本部で繰り返し検証を重ねて現在の形に落ち着きました。具体的には、手が震えてうまく出来ない方には専用の台紙を用意し、なるべく多くの方が作業に取り組めるように適宜補助しています。また、石鹸作りで材料を混ぜる工程では、材料を入れたペットボトルを振っていただくことで、楽しみながら身体を動かすトレーニングも兼ねるなど、機能訓練も取り入れています。

こうした作業は、利用者様の身体状況や認知症の有無などを踏まえ、スタッフが「リハビリにつながる形」になるよう検討しています。もちろん、必要な場面ではスタッフがフォローに入りますが、基本的には自力で完結できるよう、難易度を調整した工程となっています。この取り組みを続けるうちに、気付けば利用者様同士が助け合いながら作業に打ち込む姿も見られるようになりました。

ーー「ワーキングリハビリ」について、参加された方からの反応はいかがですか。

ワーキングリハビリへの参加は任意ですが、皆さんとても楽しみにしており、よほどの事情がない限り、ほぼ全ての利用者様が取り組んでいます。また、単なる作業に留まらず、日々の通所のモチベーションにもつながっている様子が見受けられます。実際に、ワーキングリハビリで貯めたお金で、趣味である釣りの道具や、好きなアーティストのDVDを買った方もいらっしゃいます。

作業に参加した方全員に収益を分配しているため、一人あたりの金額は決して多くないものの、皆さんのやりがいや生きがいを生み出す有意義な活動となっているようです。今後は、利用者様とカスタマーの意見交換の場を設けるなど、より多くの方に商品を手に取っていただけるよう、販売促進にも注力したいと考えています。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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