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仕事・スキル 介護施設・職場 2026/03/11

#インタビュー#気になるあの介護施設

大人気アイドルの曲を使ってキレキレダンス! 最新のヒット曲を使ったダンスレクを行う「ハッピーホーム八代デイサービスセンター」|気になるあの介護施設

取材・文/タケウチノゾミ 編集/イージーゴー 260301_a.png

山梨県笛吹市に位置する「ハッピーホーム八代デイサービスセンター」では、レクリエーションの一環として最新のヒット曲を使ったダンスを実施。利用者さんがキレのあるダンスを披露した動画の再生回数は1,000万回を超え、全国から注目を集めています。ダンスの練習方法や、練習時に心がけていることなどについて、同施設の後藤美樹氏に話を聞いてみました。

ーー「ハッピーホーム八代デイサービスセンター」の施設紹介をお願いいたします。

当施設は、開所から15年目を迎えるデイサービスです。1日の利用者数はおおよそ30人ほどで、2026年現在は、登録ベースで約60人の方にご利用いただいています。年齢は75歳から99歳までと幅広く、平均年齢は85歳ほどです。ご高齢の方も多く、利用者さんの約3分の1が、90歳以上の方となっています。

特徴は、スタッフが毎回レクリエーションを考案し、外出企画やダンス、体操など、多彩なプログラムを実施していることです。同じ内容を繰り返すのではなく、その時々で工夫を重ねながら、利用者さんに新鮮さを感じていただけるよう心がけています。また、施設の周囲にはバラをはじめとした植物や果物を植えており、時にはバラ風呂を行ったり、庭でアフタヌーンティーを楽しんでいただいたりすることも。利用者さん全員が楽しめる、サロンのような施設を目指して運営しています。

ーー最新のヒット曲を使ったダンスレクが話題になっていますね。これは、どのような内容なのでしょうか。

最近流行している曲を使い、利用者さんにダンスを楽しんでいただくレクリエーションです。音楽に合わせて身体を動かすことで、身体機能の維持・向上を図ると同時に、振り付けを覚えることで脳トレの要素も取り入れています。「ダンス」と聞くと激しいイメージがあるかもしれませんが、基本的には椅子に座ったまま行うため、動かすのは上半身のみです。練習時は、前で踊るスタッフの動きを見ながら、手や腕を動かしていただいています。

また、使用する曲は、アイドルの楽曲など最近のヒット曲が中心ですが、振り付けはそのまま使うのではなく、利用者さんが無理なく取り組めるように、多少簡略化しています。さらに、曲全体ではなく、サビの30秒ほどの部分に絞ることで、負担を軽減しています。このようなダンスレクは以前から取り組んできましたが、2025年9月にアイドルグループSnow Manの「カリスマックス」を踊った動画をデイサービスの公式Instagramに投稿したところ、思いがけず拡散し、多くの方にご覧いただくことになりました。

練習した「カリスマックス」を披露する利用者さん

練習した「カリスマックス」を披露する利用者さん

ーーそれぞれのダンスは、どのように練習されているのでしょうか。流れや時間を教えてください。

1日あたり30分間の練習を2週間毎日行うことで、一曲のダンスを習得しています。具体的な練習方法としては、まず振り付けをパーツごとに区切って繰り返し、最後に全体を通して踊るという流れです。通所頻度は人によって異なり、毎日来られる方もいれば、週に1回の方もいらっしゃるため、全員が同じペースで進められるわけではありません。それでも、毎回少しずつ練習を重ねることで、通所頻度が少ない方も頑張って付いてきてくださっています。

なお、こうしたダンスの練習は、午睡の後に行っています。当施設では、昼食後の13時〜14時は午睡の時間で、その後14時半から15時までの30分間は、集団での体操やレクリエーションを行う時間となっています。そのため、ダンスの練習は、レクリエーションの一環として、同時間を使って実施しています。

ーー曲の選定にあたり、重視しているポイントはありますか。

曲は、流行や人気度だけで選んでいるわけではなく、世代を超えて楽しめるかどうかを重視しています。その点、SnowManや嵐などの、世代を問わず親しまれている国民的アイドルの楽曲は、利用者さんにも受け入れやすいように感じています。

また、歌詞にも目を向け、「これなら利用者さんも喜んでくださるのではないか」と思えるものを選ぶようにしています。以前、back numberのクリスマスソングを使ったことがあったのですが、その際は歌詞の良さが決め手となりました。実際に、利用者さんからは「すごくいい歌詞だね」という声があり、この曲を選んで良かったと感じています。利用者さんの世代では馴染みのない曲が多いですが、あえて知らない曲で身体を動かすことは、日常とは異なる刺激につながるのではと考えています。

ーーサビの部分だけとはいえ、振り付けを全て覚えるのは難しそうです。練習における工夫があれば教えてください。

利用者さんの中には、認知症の影響で短期記憶を保つことが難しい方もいらっしゃいます。そのため、まったく知らない曲の振り付けを覚えて踊れるのか、最初は不安がありました。そこで意識したのが、動きをそのまま教えるのではなく、踊りに「印象づけ」をすることです。例えば、まっすぐ手を挙げる動きには「ばんざーい」、右斜め上に手を挙げる動きには「3時」といったように、振り付けに言葉を添えて伝えました。すると、みるみるうちにダンスを習得して、皆さん踊れるようになっていったんです。

ーーかなりユニークな声かけですね。

他にも、手を縦に振る動きが、たまたまお股に手を当てるような形になるところがあり、そこでは「おまた」というワードを使ってレクチャーしました(笑)。すると、利用者さんも「この部分はお股だよね」と覚えてくださって。印象づけることの重要性を実感しています。ちなみに、先日SNSで「おまた!」と皆さんに声をかけて練習の様子を投稿したところ、「カリスマックス」の振り付けを担当された方から、「お股が最高」とコメントをいただいたんです。これには驚きました。練習時間は30分と、そこそこ長いので、笑いを交えながら、飽きないように工夫しています。

ーーその他に、前向きにダンスに取り組んでいただくための工夫はありますか。。

「カリスマックス」を練習した際は、モチベーションづくりの一つとして、皆さんにミュージックビデオを見ていただきました。その際、このアイドルグループがどれだけ有名で、ご家族も知っている存在であることを伝え、「皆さんが踊ったら、お孫さんたちも喜びますよ」と声をかけました。最初は「テンポが速すぎてわからない」「こんなの踊れない」といった声もあがりましたが、「大丈夫ですよ。一つずつ、ゆっくりやりましょう」と伝えながら進めました。最終的には、皆さんすっかりダンスを習得され、満足感や達成感を感じられているようです。

さらに、スマートフォンで練習の様子を毎回撮影し、終わったあとに一緒に動画を見返すことも、工夫していることの一つです。「前よりできている」という変化を実感することで意欲が高まり、結果として、以前は難しかった動きができるようになる場面も増えてきました。そうした積み重ねが、運動機能の維持や、前向きに身体を動かすことにもつながっているのではないかと感じています。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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