実務者研修修了証明書とは?再発行や提出方法、役立つ場面についても解説
編集/中西紗羅(介護福祉士)実務者研修修了証明書は、実務者研修の修了を証明する書類です。
介護福祉士国家試験の申し込みに必要となる書類なため、「いつ頃までに届くのか?」「再発行は可能なのか?」などと不安を抱える方もいるでしょう。
本記事では、実務者研修修了証明書の概要、届くまでの期間、介護福祉士国家試験の申し込み時における証明書の送り方を解説します。実務者研修の履修が役立つ場面についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.実務者研修修了証明書とは

介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」で受験する場合には、実務者研修の修了が必須です。研修を修了したことを証明する書類が「実務者研修修了証明書」であり、下記の項目が証明書に記載されています。
・氏名・フリガナ
・生年月日
・修了年月日
・実務者研修コード
実務者研修修了証明書の有効期限
実務者研修修了証明書には、有効期限はありません。そのため、「証明書を交付してから、何年以内に介護福祉士国家試験を受験しなくてはいけない」といった受検までの期間の縛りも存在しません。
実務者研修の修了「見込み」での発行も可能
介護福祉士国家試験を受験する年度の3月31日までに、実務者研修を修了する見込みがある場合には、「実務者研修修了見込証明書」の発行が可能です。修了見込証明書には、「修了年月日」ではなく、「修了見込み年月日」が記載されています。
「実務者研修修了見込証明書」を用いることで、国家試験の受験申し込み時点で研修を修了していなくても、受験ができます。
2.実務者研修修了証明書はいつ届く?

実務者研修修了証明書は、自身が研修を修了したスクールから交付されます。各スクールによって多少の差はあるものの、研修の修了から概ね1〜2週間程度で、自身が登録した住所に郵送で届きます。
万が一、2週間以上経っても修了証明書が手元に届かない場合には、通っていたスクールに問い合わせましょう。
修了証明書が手元に届いたら、記載内容に誤りがないかチェックします。誤りがある場合には、速やかにスクールへその旨を伝えて、訂正された修了証明書を送ってもらうように手配しましょう。
手元に届いた修了証明書は、使用目的に合わせてコピーしてから保管しておくと、就職活動や面接時にもスムーズに持参したり、提出したりできるため、安心です。
3.実務者研修修了証明書の再発行について

実務者研修修了証明書の再発行は、可能です。紛失や破損などの理由で使用できなくなってしまった場合には、通っていたスクールに問い合わせ、再発行を依頼しましょう。
申請方法や再発行の手数料、郵送料などは、各スクールによって異なるため、あわせて確認するといいでしょう。
4.介護福祉士国家試験を受験する際の実務者研修修了証明書の送り方

ここからは、介護福祉士国家試験を受験する場合における、実務者研修修了証明書に関連する対応について解説します。
国家資格を「実務経験ルート(実務者研修の修了を活用するルート)」で申し込むための前提条件として、実務者研修の修了と合わせて、3年以上の介護実務経験が必要です。
ここでいう3年以上とは、従業期間が3年以上(1,095日以上)で、そのうち従事した日数が540日以上のことを指します。
「研修修了見込み」で受験申し込みをする場合は、国家試験を受験する年度の3月31日までに、研修の修了を見込めることが条件です。
実務者研修修了証明書の提出先
上述した条件を満たしている場合には、介護福祉士国家試験の申し込みが可能になります。
実務者研修修了証明書は、受験に必要な他の書類に同封して、申し込み期間中(参考例:令和7年度は8月6日〜9月5日)に、「公益財団法人社会福祉復興・試験センター」へ提出(郵送)します。
実務者研修修了証明書はコピーではなく「原本」を提出する
実務者研修修了証明書は、コピーではなく「原本」を提出します。修了証明書ではなく、「修了者本人が保管する修了証等」を間違って提出するケースが多いため、ミスのないように注意しましょう。
なお、公益財団法人社会福祉復興・試験センターの「よくあるご質問」では、修了証明書を折り曲げて封入・提出することは禁止されてはいません。とはいえ、修了証明書を折り曲げず、きれいな状態で提出できるよう、全ての書類を封入可能なサイズの封筒を選ぶといいでしょう。
過去に実務者研修修了証明書を提出済みの場合
過去に修了証明書の提出歴がある場合(提出した年度の試験に不合格だった場合)には、修了証明書の再提出は不要です。その場合、代わりに「証明書提出済申出書」の提出が求められます。
また、修了証明書以外に、受験に必要な証明書などを全て過去に提出済みの場合であれば、インターネットからの受験の申し込みが可能となります。
5.実務者研修の受講が役立つ場面

これから介護職を目指そうと考えている人に向けて、実務者研修を受講するメリットを解説します。
介護福祉士国家試験を受験できる
介護の知識や技術を学びながら、介護福祉士国家試験の「実務経験ルート」における受験資格を満たせることは、大きなメリットです。「実務経験3年以上」という条件も合わせて必要ではありますが、先に実務者研修を履修することも可能です。
研修内容は、国家試験の出題範囲と被る箇所もあり、試験対策の勉強としても有効でしょう。
サービス提供責任者の条件を満たせる
実務者研修を修了することで、訪問介護事業所に配置される「サービス提供責任者」になるための条件を満たせます。
現状、介護職未経験から新たにサービス提供責任者になるためには、介護福祉士の資格所持者か、実務者研修の修了者の2通りしかありません。
訪問介護事業所には、利用者の数40人に対して1人以上のサービス提供責任者の配置が必須です。そのため、研修を修了することで、介護現場で求人ニーズのある条件を満たすことができます。
キャリアの選択肢が広がる
実務者研修の修了後に、実地研修(実際の介護現場にて、医療的ケアを実践する研修)を受けることで、喀痰吸引や経管栄養といった医療的ケアを実施できるようになります。
本来、医療的ケアは、医師や看護師などの医療従事者のみが実施できる業務です。しかし、実務者研修と実地研修の2つを修了することで、介護福祉士や介護職員でも、特定の医療的ケアが実施可能となります。
就職・転職に活かせる
実務者研修は、無資格者、介護未経験者が受講する場合、約6ヶ月、450時間のカリキュラムを履修しなければなりません。このような、半年以上の期間のある研修を修了することは、介護に関する高い専門性や知識を有している証明になります。
仕事の幅が広がるほか、キャリアップ、収入アップ、就職や転職活動に活かせるなど、今後の自身のキャリアを築くうえで役立つ研修といえるでしょう。
6.まとめ

実務者研修修了証明書は、介護福祉士国家試験の受験申し込み時や、サービス提供責任者になるための条件として必要であり、原本は大切に保管しておきましょう。就職・転職活動時には、コピーの提出を求められるケースがあるため、原本と合わせてコピーも保管しておくことがおすすめです。
万が一、修了証明書の紛失や破損、あるいは手元に届かないという場合には、まずは、研修を受けたスクールに問い合わせましょう。
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