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仕事・スキル 介護資格 2025/11/13

実務者研修は最短何日で終わる?受講期間の目安や働きながら受講するコツ・注意点を解説

編集/中西紗羅(介護福祉士) thumb_251105.jpg

実務者研修の修了は、介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」で挑戦するために必要な条件の1つです。介護業界未経験者はもちろんのこと、今の職場で働きながら、空いた時間に研修を受講したいと考える人も多いでしょう。

本記事では、実務者研修の最短期間、主な受講方法、受講を開始するタイミング、働きながら受講する場合のコツや注意点について、それぞれ解説します。

1.実務者研修取得までの最短期間

参考写真

実務者研修の受講開始から修了までの期間は、厚生労働省のページでは、「受講期間6ヶ月・受講時間数450時間以上」と記載されています。つまり、通常であれば、最短6ヶ月で受講修了となります。

しかし、実際には、受講者の所持している資格によって、取得までの期間は異なります。所持している資格に応じた受講時間数については、下記の通りです。

保有資格 無資格者 介護職員初任者研修 訪問介護員研修1級 訪問介護員研修2級 訪問介護員研修3級 介護職員基礎研修
受講時間数 450 320 95 320 420 50

(参考:厚生労働省|実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について

実務者研修では、合計20科目の講義を受講します。上記の表にある介護関連の資格や研修の修了歴などがあると、実務者研修における特定の科目を免除され、受講時間数が変わります。

無資格者(450時間・6ヶ月程度)

無資格者とは、「上記の表にある資格を保有していない人」のことをいいます。免除科目がない場合、450時間・6ヶ月の期間で実務者研修を受講します。そのため、介護未経験者が実務者研修を受講する場合、「450時間・6ヶ月」が目安の期間となります。

介護職員初任者研修・訪問介護員研修2級(320時間・4ヶ月程度)

介護職員初任者研修、もしくは訪問介護員研修2級(ホームヘルパー2級)を保有している人は、受講時間数130時間と、科目数8〜9科目がそれぞれ免除となり、合計320時間の受講時間数となります。

「訪問介護員研修2級(ホームヘルパー2級)」は、現在はすでに廃止されていますが、過去に訪問介護員研修2級を修了している人であれば、実務者研修の科目免除の適応対象です。

また、訪問介護員研修2級(ホームヘルパー2級)の後継資格として位置付けられている研修が、現在の「介護職員初任者研修」です。介護職員初任者研修は、介護の基礎〜応用までを学べる研修であるため、修了後のさらなるステップアップとして実務者研修を受講するというケースもあります。

なお、厚生労働省の資料によると、実務者研修450時間をフルで受講するケースは少なく、実際には320時間の受講者が多いとされています。そのため、実務者研修の受講者は、介護職員初任者研修や訪問介護員研修2級の保有者が多いことがうかがえます。

訪問介護員研修1級(95時間・2ヶ月程度)

「実務者研修」は、現在廃止されている「訪問介護員研修1級(ホームヘルパー1級)」の後続として位置付けられる研修です。そのため、内容が重複している科目や領域も多く、355時間・18科目の学習が免除されます。過去に「訪問介護員研修1級(ホームヘルパー1級)」を修了している人であれば、実務者研修で受講する科目が免除されます。

そのため、訪問介護員研修1級の科目には存在しなかった「介護過程Ⅲ・45時間」「医療的ケア・50時間」と、2日間程度の医療的ケアの演習を受講することで、修了できます。

訪問介護員研修3級(420時間・5.5ヶ月程度)

「訪問介護員研修3級(ホームヘルパー3級)」は、1級、2級同様に、現在では廃止された制度です。実務者研修と科目が重複している3科目・30時間の受講時間が免除されます。

しかし、訪問介護員研修3級の保有者が実務者研修を受講する場合、他の保有資格と比べても免除科目が少なく、無資格者の受講期間(450時間・6ヶ月)とそこまで大きな差はありません。

介護職員基礎研修(90時間・1ヶ月程度)

「介護職員基礎研修」は、現在では廃止された制度ですが、介護の高い知識、技術などを身につけることを目的とした研修です。「介護職員基礎研修」のカリキュラムは実務者研修の科目内容と多く重複しているため、介護職員基礎研修の修了者は、実務者研修のカリキュラムの「医療的ケア・50時間」と、2日間程度の医療的ケアの演習を受講することで、修了できます。

2.実務者研修の主な受講方法

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実務者研修を受講するには、「通学(スクーリング)」と「通学+通信講座」の2つの方法があります。

「通学(スクーリング)」とは、受講者が実際にスクールに通い、講義を受講する形式です。日中の他に、平日夜間・土日に開講しているスクールもありますが、スクール数はそこまで多くなく、通学時間が確保できない人にとっては受講が難しいといえます。

もう1つの受講方法が「通学+通信講座」です。実務者研修の科目の多くは、通信講座(自宅学習)で受講が可能です。そのため、教材を自宅に届けてもらい、自分の空き時間に合わせて学習をすることができます。学習内容は厚生労働省が基準を定めているため、基本的にはスクールの講座内容に差はありません。

ただし、実務者研修の科目のうち「介護課程Ⅲ」と「医療的ケア(演習)」については、通信講座では受講できず、必ずスクーリングが必要となります。そのため、「全科目を通信講座のみで対応すること」は不可能なため、注意が必要です。

3.実務者研修の概要

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実務者研修とは、正式名称を「介護福祉士実務者研修」といい、介護に関する知識や技術を身につけることが主な目的の研修です。

研修の修了は、介護福祉士国家試験を受験するための1つの条件となっており、介護福祉士を目指す人が受講するケースも多い研修です。

その他にも、「未経験から介護の知識や技術を身につけて介護業界に挑戦したい」「無資格からキャリアアップを図りたい」などの理由で受講するケースもあります。

実務者研修には受講条件がないため、自身が受講しようと決めたタイミングで、スクールなどに申し込むことで受講できます。一度研修を修了したら、その資格は永久的に保持される(有効期限はない)ため、「ゆくゆくは介護業界に挑戦したい」「介護福祉士を取得したい」と考えている人でも、安心して受講できるでしょう。

実務者研修の科目

実務者研修では、合計20科目の講義を受講します。科目のほとんどは通信講座で受講可能ですが、「介護課程Ⅲ」と「医療的ケア」の演習は、スクーリング(通学)が必要です。

また、受講者の保有資格によって、該当する科目の免除が適応されるため、人によっては最短1〜2ヶ月程度で研修を修了することも可能です。

実務者研修の科目と必要な講義時間数は、下記の通りです。

科目名称 必要な時間数
人間の尊厳と自立 5
社会の理解Ⅰ 5
社会の理解Ⅱ 30
介護の基本Ⅰ 10
介護の基本Ⅱ 20
コミュニケーション技術 20
生活支援技術Ⅰ 20
生活支援技術Ⅱ 30
介護過程Ⅰ 20
介護過程Ⅱ 25
介護過程Ⅲ(スクーリング) 45
発達と老化の理解Ⅰ 10
発達と老化の理解Ⅱ 20
認知症の理解Ⅰ 10
認知症の理解Ⅱ 20
障害の理解Ⅰ 10
障害の理解Ⅱ 20
こころとからだのしくみⅠ 20
こころとからだのしくみⅡ 60
医療的ケア 50(講義とは別に演習あり)
必要な受講時間合計 450時間

4.実務者研修は働きながら受講できる?

参考写真

実務者研修は、働きながらでも受講は可能です。例えば、介護福祉士国家試験の受験資格を、実務経験ルートにて得る場合には、実務者研修の修了に加えて、介護現場での実務経験3年以上が必要条件です。

実務経験が3年に満たない状態でも、実務者研修は受講可能なため、働きながら(実務経験を得ながら)研修を受講している人も存在します。

通信講座であれば、研修科目のほとんどを自宅で学習できるため、働きながらでも、時間をやりくりしながら研修を受講できるでしょう。

実務者研修の受講を開始するタイミングは?

実務者研修の受講はスクールに研修受講の申し込みを行った時点から、スタートできます。

ただし、実務者研修を受講する年度の介護福祉士国家試験を受験しようと考えている場合、開始するタイミングは慎重に選びたいポイントです。国家試験の申請時に研修が修了していない場合でも、その年度の3月31日までに修了が見込めるのであれば、「修了見込証明書」をスクールに発行してもらうことで、国家試験の受験申請は可能です。

しかし、働きながら、実務者研修を受講しつつ、国家試験の受験勉強を進めることは相当ハードなため、逆算して無理のないスケジュールで受講開始日を検討しましょう。

介護福祉士国家試験は、例年1月の下旬に実施されています。受験するには申し込みが必須であり、申し込み期間は、その年度の8月上旬から9月上旬(約1ヶ月間)の期間となっています。

国家試験に向けた受験勉強の期間は、遅くとも試験日の2〜3ヶ月前からスタートしておきたいと考えるのであれば、実務者研修は、できれば11月ごろまでには修了しておくことが望ましいでしょう。

そのため、11月ごろに実務者研修を修了するには、無資格者の受講時間の目安である「450時間・6ヶ月」の期間を逆算すると、その年度の6月ごろには研修を開始しておくのがおすすめです。受講者の保有資格によっても研修の受講時間は変わるため、前述した期間の目安を参考に、受講開始の時期を検討しましょう。

また、キャリアアップを目的とした転職を目指す場合、実務者研修を受講開始するタイミングは、転職活動をスタートしたい時期から逆算して検討しましょう。

5.実務者研修を働きながら受講するコツ

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働きながら実務者研修を受講する際のコツや、ポイントを解説します。

スケジュールをしっかりと管理する

働きながら受講する場合、1日のスケジュール管理がとても重要なポイントになります。仕事の時間、食事や家事などの時間、職場までの移動時間、睡眠時間などを除くと、勉強時間を確保することは決して安易ではないからです。

まずは、1日のスケジュールを立てて、勉強に費やせる時間を確保することが、継続的な学習には大切です。移動中の隙間時間、仕事の休憩時間、帰宅してから就寝までの空き時間など、自身が勉強できる時間を見つけて、1日あたりの勉強時間を決めて取り組みましょう。

自習室・コワーキングスペースを活用する

自宅での勉強は、人によっては集中が続かなかったり、落ち着かなかったりすることも考えられます。そのような場合には、スクールの自習室や、自宅近隣にあるコワーキングスペースなどを活用するといいでしょう。勉強や作業をするためのスペースであり、静かな環境で勉強に集中できます。

スクールの自習室であれば、校舎内で他の生徒とのコミュニケーションをとることも期待できます。国家試験に関する情報交換や、交流、雑談などをしながら、自身のモチベーション向上や、気分転換にもなるでしょう。

自宅・職場から通いやすいスクールを選ぶ

通学形式で受講する場合は、なるべく自宅や職場から通いやすいスクールを選びましょう。受講費が安いという理由だけで遠方のスクールを選んでしまうと、かえって通学する手間や時間、交通費などが発生してしまうことが考えられます。

「自宅から通いやすい」「自宅と職場の間にある」など、通いやすい立地のスクールを選ぶことが、結果として、時間や体力などの負担軽減につながります。

振替が可能・土日に開講しているスクールを選ぶ

仕事や家庭の事情、急用などを理由に、どうしても講義を休まなければならないケースがあります。そのため、働きながら受講する場合には「講義の振替受講が可能か」「土日にも開講しているか」などの細かなポイントは、必ずチェックしておきましょう。

職場に相談をする

働きながらの自己学習や、スクールへの通学に負担を感じている場合には、一度、職場に相談してみることも1つの方法です。

「研修を受講すること」「業務と受講日程がバッティングする可能性があること」「退勤時間を調整してほしいこと」など、対応可能な範囲で上司や職場に相談できると、自身の負担軽減にもつながります。

もちろん、全ての相談や要望を受け入れてもらうことは難しいでしょう。しかし、可能な範囲で職場からの協力や配慮を得られると、研修も継続しやすくなります。

モチベーションを維持する

自己学習には、モチベーションの維持が大切です。特に、周囲に同じ境遇の受講生がいない場合には、孤独を強く感じてしまうこともあります。

そのようなときには、「なぜ自分は研修を受けているのか」「介護職としてどのようなキャリアを歩みたいのか」など、未来のことを考えると、モチベーションの維持にもつながりやすいでしょう。

6.実務者研修を働きながら受講するときの注意点

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働きながら実務者研修を受講するときの注意点を解説します。

スクールのサポート体制を確認する

実務者研修を開講しているスクールはさまざまです。時間と費用をかけて研修を受講するのであれば、サポート体制が充実しているスクールを選ぶことが望ましいでしょう。

スクールによって、講義の振替体制の有無や自習室などの施設が開放されているかどうか、また学習、就労支援などサポートの有無や種類は異なります。

研修の受講期間を定めている(「◯年以内に全科目を受講することが条件」)スクールもあるため、働きながらの場合であれば、余裕のある期間が設定されていると安心です。各スクールを比較しながら、自身に合ったスクールを選びましょう。

費用面で活用できる制度を確認する

スクールごとに、受講費は異なります。相場としては、大体5万円〜20万円で、受講者の保有資格や、割引キャンペーンの有無によっても費用はかわってきます。

経済的な視点で考えるなら、開講時間、アクセス、設備などを総合的にみて、受講費を含めた必要経費の安いスクールを選ぶことが重要です。

また、費用を抑えるには国や自治体が実施している給付金制度を活用することも、おすすめです。制度の利用には諸々の条件があるため、一度、自身の住む自治体窓口に問い合わせてみましょう。

介護福祉士国家試験の締め切りに間に合うか確認する

介護福祉士国家試験の受付期間は例年8月上旬から9月上旬ごろで、翌年1月下旬に試験があります。その年度の試験を受験したい場合、受付期間の関係から、遅くとも8月中にはスクールに入学し、研修を受講していなければなりません。

例えば、10月にスクールへ入学しても、翌年1月の国家試験を受験することは、例年の受付期間の流れからいうと不可能です。自身がどのようなスケジュールで研修を受講し、国家試験の受験を目指したいのかをしっかりと考えておきましょう。

まとめ

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実務者研修は、基本的には6ヶ月・450時間の受講時間を要します。しかし、受講者の保有資格によって科目の免除が適応されるため、6ヶ月・450時間より短くなることもあります。

研修の修了は、介護福祉士国家試験の受験資格の1つでもあるため、働きながら研修を受講している人も存在します。自身が学習しやすい受講形式や、通いやすい立地のスクールなどを選ぶことが、学習を継続するためのポイントです。

国家試験の受験を目指す場合には、試験申し込みの期間や試験日などをしっかりと調べておき、万全な体制で国家試験に挑めるように研修に取り組みましょう。

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中西紗羅(Sara Nakanishi)

介護福祉士

2014年介護福祉士養成校を卒業し、介護福祉士の資格を取得する。その後、従来型の介護老人福祉施設にて4年勤務する。「より個人に寄り添ったケアを実現したい」という想いから、ユニット型の介護老人福祉施設に転職する。ユニットリーダー研修を受講し、利用者様が「ありのまま自分らしく」過ごしていただけるよう、1人ひとりに寄り添ったケアを目指し6年勤務する。

中西紗羅の執筆・監修記事

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