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仕事・スキル 介護資格 2026/02/03

#介護職員初任者研修

介護職員初任者研修を無料で受講できる制度とは?特徴と申請方法を解説

文/山本史子(介護福祉士) 4b6597325ef65139dd11d2aa7dc9a9931f79e275.jpg

介護の仕事を始めるうえで、取得していると役立つ資格のひとつに「介護職員初任者研修」があります。介護業界として働きたいと考えていても、資格取得には「費用の負担が大きい」「無料でとる方法はないのか」と迷っている方もいるでしょう。

そこで、本記事では介護職員初任者研修を無料で受けられる方法や、上手に支援制度を活用して一部の費用負担を抑える方法を紹介します。自分の業務拡大やキャリアアップのためにも、どのような制度があるのか把握しておきましょう。

1.介護職員初任者研修にかかる費用

介護職員初任者研修とは、介護職として働くうえで必要な基礎知識と技術を学ぶための入門資格です。講義や演習を通じて利用者さんの理解や身体介護、コミュニケーションなどを学びます。介護施設であれば無資格から働くことが可能ですが、取得していると介護業界で働く際に役立つでしょう。

介護職員初任者研修の受講費用の目安は、4万円〜10万円が一般的ですが、通信・通学形式や受講機関、地域によっては10万円以上かかる場合もあります。自治体の制度やスクールの申し込みタイミングによっては無料で受講できることがあります。

2.介護職員初任者研修を無料で取得する4つの方法

参考写真

介護職員初任者研修を無料で取得するためには、次の4つの方法があります。

  • ハローワークの職業訓練を利用する
  • 自治体の資格取得支援事業を受ける
  • 就職先の資格取得支援制度を利用する
  • 福祉系スクールのキャッシュバック制度を利用する

それぞれの制度の内容や対象者、手続き方法など詳しく解説します。

ハローワークの職業訓練を利用する

ハローワークの職業訓練とは、転職や就職を希望する方が、無料(一部テキスト代等が自己負担)で職業に必要なスキルを身につけられる公的制度です。「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」があり、国や自治体が委託する機関で実施しています。この制度には介護職員初任者研修も含まれており、はじめて介護業界で働こうと考えている方が基本的な知識や技術を身につけ、安心して働き始められるように資格取得をサポートしています。

対象者

ハローワークの職業訓練制度は、すべての求職者を対象としています。「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」のどちらを利用できるのかは、雇用保険の加入者によって異なります。

公共職業訓練(離職者訓練) ハローワーク求職者で、雇用保険を受給している方
求職者支援訓練 ハローワーク求職者で、雇用保険を受給できない方

参考:こんな人にオススメ|ハロトレ特設サイト|厚生労働省

公共職業訓練は、求職活動をしている雇用保険受給者が対象です。在職中のスキルアップなどを目的に利用できない可能性がある点は留意しましょう。

公共職業訓練を受けている期間は、失業保険を受け取れるほか、訓練日1日につき500円の受講手当や通所手当、寄宿手当が支給される場合もあります。

参考:ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)の全体像|厚生労働省

求職者支援訓練は、フリーランスや主婦、雇用保険の受給が終了した方など、雇用保険を受給できない方が対象です。求職者職業訓練には、訓練を受けている間、職業訓練給付金として、受講手当(月10万円)や通所手当、寄宿手当が受けられる場合があります。

参考:求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

いずれの場合もハローワークに足を運び、求職登録をすることが必要です。また、積極的な就労意思や労働能力が求められます。

申し込み方法と注意点

ハローワークの職業訓練を受けるには、申し込みを行う必要があります。

  1. ハローワークの窓口で求職登録・職業相談をする
  2. 職業訓練の申し込みをする
  3. 面接・筆記試験等を受験する
  4. 選考結果が通知される
  5. ハロートレーニングの受講が開始となる

参考:ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)|厚生労働省

受講を希望する場合は、最寄りのハローワークに行き、求職登録・職業相談が必要です。担当者から訓練コースの説明を受け、受講申し込みをします。職業訓練を受けるためには、訓練受講要件を満たしているかを把握し、筆記試験や面接などを受けたうえで、ハローワークの協議・選考がされます。選考結果が通知され、合格した方は職業訓練を開始します。このように、ハローワークの職業訓練は選考されて決められます。また、受講料は無料となりますが、テキスト代等(3,000円〜3万円)は必要です。

参考:よくある質問|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

職業訓練では受講スケジュールが決まっているため、受講修了まで数か月以上の期間が必要です。数日で資格が取得できるわけではありませんが、受講中は求職中でも金銭的な支援が受けられたり、受講後に仕事を紹介してもらえたりするメリットもあるため、安定した就職活動をしたい方におすすめです。

自治体の資格取得支援制度を受ける

自治体が独自に設けている資格取得支援制度は、地域に住む方の就労を支援するためのものです。介護職員初任者研修の取得を支援する制度は、地域の介護人材を増やすことを目的としているため、地元での就職を希望する方にとって活用しやすいでしょう。

たとえば東京都では、介護職員初任者研修を無料で受けられる制度があります。地域によって支援内容や条件は異なるため、東京都のように必ず無料で受けられる自治体ばかりではありません。無料で資格取得ができるかどうか、事前に自治体の窓口で確認しておきましょう。

対象者

東京都の場合、支援対象となるのは、受講したい地域に住民票がある方、または就労を希望している方です。中学生以下の方や介護職員初任者研修と同等の資格がある方、すでに介護施設で働いている・内定状態にある方は、対象外となるため注意しましょう。また、人材センターに求職票登録(高校生および、高専学生は除く)が必要です。

参考:介護の資格が無料で取得できます|東京都 初任者研修等資格取得支援事業

申し込み方法と注意点

東京都で介護職員初任者研修を受講する場合、次のような流れで手続きしましょう。

  1. 東京都福祉人材センターで求職登録をする
  2. 申込書を添えて就業相談をする
  3. 受講決定通知が届く
  4. 受講案内が届く
  5. 講座受講が開始される

参考:介護の資格が無料で取得できます|東京都 初任者研修等資格取得支援事業

申し込みの際は、まずは東京都福祉人材センターホームページ、または窓口で求職票登録をしましょう。受講の申請では、申込書の申請と就業に向けた就業意思の確認を含めた相談を行います。郵送で申請した場合は、電話で30分程度の確認があります。そのため、申し込みの不備や電話がつながらない場合は、申し込み受付ができないことがあります。受講前に制度の概要を確認し、スケジュールに余裕をもって申請するようにしましょう。

受講が決定した場合、講座受講の10日前までに決定通知書が届きます。また、受講開始3日前には受講案内が送付されますので、内容を確認しておきましょう。

受講が修了すると「修了証明書交付通知」が届きます。通知が届いたら、人材センターで終了証明書を受け取れます。その際は、本人確認のため身分証明書が必要です。

東京都の資格取得支援事業では、無料で受講できますが、交通費や昼食代は自己負担となります。また、受講先によっては費用の立替が必要となるため、確認しておくことが大切です。

就職先の資格取得支援制度を利用する

介護施設のなかには、職員のスキルアップや介護職員の新規採用・定着を目的として、資格取得費用を補助する制度を設けているところがあります。就職先で受講する場合、受講後に仕事を探すハローワークやスクールと比べると、働きながら受講した知識や技術を、現場ですぐに役立てられるメリットがあります。また、受講料を全額負担してもらえる場合や受講日が出勤扱いになる場合があり、働きながらでも無理なく資格を取得できる点が大きな魅力といえるでしょう。

対象者

介護施設での資格支援制度は、無資格の介護職員や新規採用予定者が対象です。介護施設によっては人数制限を設けている場合もあるため、制度を利用できないケースがあることも考慮しましょう

申し込み方法と注意点

申し込みは、就職先で決められた方法で申請します。ただし、介護施設によって受講要件や支援内容は異なるため、必ずしも受講費用が無料になるとは限りません。スクール選定や受講スケジュールは就職先の規定に沿う必要があるため、自分で自由に決められないこともあります。制度を利用する際は、勤務条件や申請時期を確認し、無理のない範囲で資格取得を進めましょう。

福祉系スクールのキャッシュバック制度を活用する

一部の資格スクールでは、介護職員初任者研修を修了後にキャッシュバックを受けられる制度を設けています。これは、受講生の資格取得を後押しし、修了後の就職を促進するための仕組みです。スクールのキャッシュバックでは、受講後に就職サポートサービスを利用して就職すること条件となっています。

対象者

キャッシュバック制度の対象となるのは、スクール指定の要件を満たした方です。修了後に転職・就職する意思があることや、指定する就職サポートを受けることなどを条件とするケースが一般的です。

申し込み方法と注意点

申し込みは、スクールのホームページから申し込みます。多くの場合、キャンペーン期間中の申し込みが対象となるため、時期によっては利用できないこともあるでしょう。また、キャッシュバックの申請には、修了証明書や就職先の在籍証明書の提出が求められる場合があります。

一定期間内に勤務開始ができない場合、全額負担のキャンペーンが受けられないスクールもあるため、資格取得にかかる期間や受講要件などを把握し、トラブルがないようにしましょう。

3.介護職員初任者研修の費用を一部負担してもらえる制度

参考写真

介護職員初任者研修には、受講料の全額が無料になる制度だけでなく、費用の一部を国や自治体が補助する制度があります。働きながらスキルアップを目指す方や、再就職の準備を進めたい方にとっては、活用したい制度でしょう。ここでは、代表的な3つの制度「特定一般教育訓練給付金」「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」「自立支援教育訓練給付金」について解説します。

特定一般教育訓練制度

特定一般教育訓練とは、再就職やキャリア形成を目的に、厚生労働省が指定した教育訓練を受けられる制度です。教育訓練給付金制度のひとつで、「特定一般教育訓練」のほかに「専門実践教育訓練」「一般教育訓練」があります。厚生労働省が指定する特定一般教育訓練は1,188講座あります。

参考:特定一般教育訓練の指定講座を公表しました ~令和7年10月1日付け新規指定講座は200講座~|厚生労働省

特定一般教育訓練制度では教育訓練を修了後に、支払った費用の40%(上限20万円)が支給されます。訓練修了後に受講費用の40%が支給される仕組みのため、一時的に自己負担は必要です。

2024年10月1日以降に受講開始した方については、資格を取得し、訓練終了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者となった方、または訓練修了日の翌日から1年以内に資格を取得した場合は、教育訓練経費の10%(上限5万円)が追加で支給されます。

特定一般教育訓練給付金制度の対象者は、以下の項目をすべて満たしている方です。

  • 受講開始日までの雇用保険の加入期間が3年以上(初回の場合は1年以上)
  • 雇用保険に3年以上加入していた離職者で、被保険者資格を失った日から受講開始まで1年以内
  • 前回の教育訓練給付金受給日から受講開始前までに、雇用保険被保険者期間が3年以上

妊娠・出産・育児、疾病等が理由で教育訓練給付金の適用対象期間を延長した方は、最大20年以内であれば受給対象となります。

給付金を受け取るには、ハローワークで手続きが必要です。受講申し込みは年2回、受け付けています。受付期間も決まっているため、忘れず手続きすることが大切です。受講修了の翌日から起算して1カ月以内に、必要書類をそろえて支給手続きをしましょう。

参考:教育訓練給付金|厚生労働省

リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」とは、国が本格的に推進している新しい学び直し支援策です。在職者が自分のキャリアを相談し、リスキリング講座の受講や転職支援を一体的に受けられる制度です。リスキリング講座とは、新しい職業や既存の職種に必要な知識やスキルを習得する講座のことを指しています。

「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」では、補助事業者で講座を受けた場合、その費用の2分の1相当(上限40万円)が補助されます。また、受講後に転職してから1年間継続して働いていることが確認できたときは、追加で受講費用の5分の1相当(上限16万円)が支給されます。そのため、最大56万円の補助を受け取れる可能性がある制度です。

リスキリングを通じたキャリアアップ事業の対象者は、初回面談時に在職者であり、転職を目指している方です。利用するには「リスキリング支援サイト」で対象講座を確認し、指定のスクールで受講しなければなりません。

参考:転職をご検討の方 | リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

自立支援教育訓練給付金制度

自立支援教育訓練給付金とは、こども家庭庁がひとり親家庭の自立を支援するために設けた制度です。制度の実施は各自治体に任せられており、対象者の要件はそれぞれ異なります。

例えば、奈良県五條市では、次の要件をすべて満たしている方を対象としています。

  • 五條市に住居を有するひとり親家庭の母または、父
  • 20歳未満の子どもを扶養している
  • 母子・父子自立支援プログラムの策定等を受けている
  • 職業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況から判断して、教育訓練が適職に築くために必要と認められる
  • 過去に自立支援教育訓練支援制度を受けていない

参考:自立支援教育訓練給付金|奈良県五條市

奈良県五條市の自立支援教育訓練給付金制度では、雇用保険の教育訓練給付金の受給資格のない方は、教育訓練に支払った費用の60%~85%に相当する額を支給されます。ただし、「1万2,000円を超えない場合は支給されない」「就学年数に応じて制限がある」などの支給制限があります。

4.自分に合った制度を選ぶポイント

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介護職員初任者研修は、自治体やスクール、勤務先など、さまざまな機関が費用の支援を行っています。ここでは、制度選びで確認しておきたい3つのポイントを紹介します。

受講要件に合っている

介護職員初任者研修は資格の取得方法によって、雇用保険の加入期間や居住地、就職の意思など、利用要件が細かく定められています。要件が満たされていないと、無料で受講できないばかりか、申請自体が通らないため、利用要件の確認が重要です。

仕事やライフスタイルに合った受講スケジュールになっている

介護職員初任者研修は、通学・通信・短期集中型など、スクールによって受講形式が異なります。そのため、仕事やライフスタイルに合った受講スケジュールを選択しないと、途中で通えなくなる可能性があります。また、平日の日中に通学が必要なケースが多く、働きながら受講する方には負担が大きくなることもあるでしょう。

一方で、通信講座や夜間コースを設けているスクールでは、仕事と両立しやすいスケジュールが組まれています。支援内容だけでなく、生活リズムに無理のない受講形態を選ぶことが、資格取得を最後まで続けるためのポイントだといえるでしょう。

通学しやすい場所に受講先がある

通信制度がある場合でも、実地項目では通学が必要な授業もあります。制度を利用しても、受講先が自宅や職場から遠いと通学が負担になるかもしれません。実施機関が限られている地域の方は、交通アクセスも調べておくとよいでしょう。通いやすい環境を選ぶことで、学習のモチベーションを保ちやすくなります。

5.介護職員初任者研修を受講する際のよくある質問

参考写真

ここでは、介護職員初任者研修を受講する際のよくある質問を紹介します。

働きながら受講できますか?

介護職員初任者研修は、受講時間が130時間あり、実施先によってカリキュラムの進行具合は異なります。しかし、週1日から受講できるコースや通信制であれば、無理のないスケジュールで学習を進められるでしょう。

受講後すぐに働けますか?

介護職員初任者研修を無料・低費用で受けるためには、就職を受講要件にしている場合がほとんどです。また、就職サポートを行っているスクールもあるため、受講後に就職先を見つけやすいでしょう。

さらに、介護職員初任者研修を取得すると、訪問介護員(ホームヘルパー)として働くことが可能になります。資格取得によって求人応募の選択肢が増えるため、就職しやすくなるでしょう。

介護職員初任者研修受講後にできる仕事は何ですか?

介護職員初任者研修を取得すると、介護の基礎知識や身体介護の技術が身につくため、訪問介護員として身体介護や生活援助も担当できます。また、介護福祉士や介護支援専門員などの資格取得を目指せるため、キャリアアップが期待できます。また、二種免許を取得して介護タクシーのドライバーとして働くといった選択肢もあり、業務の幅を広げられるでしょう。

まとめ:費用を抑えながら介護職員初任者研修を取得してキャリアアップを目指そう

参考写真

介護職員初任者研修を受講するためには、一般的に4〜10万円程度かかります。しかし、自治体や就職先の支援制度を活用すれば、無料で受講できます。また、無料でなくても、受講費用の一部を補助する制度を利用する方法もあります。

それぞれの制度には対象条件や申請時期があるため、まずは自分の状況に合う制度を確認しましょう。

介護の仕事は、資格を取得することで働ける場所や業務の幅が広がり、将来的なキャリアアップにもつながります。制度を活用し、介護職員初任者研修を無料または低費用で取得すれば、安心して介護業界で活躍できるでしょう。

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山本史子(Fumiko Yamamoto)

介護福祉士

デイサービスで約20年現場職員として経験。2007年に介護福祉士の資格を取得。「この施設にいると楽しい、また行きたい」と笑顔で帰ってもらえるデイサービスにしたいという思いで20年間利用者様のケアをしている。知的障害のある自閉症の息子がいるため、介護現場で働きながら、母親の立場から障がい者福祉にも関わっている。

山本史子の執筆・監修記事

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