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仕事・スキル 介護職のスキルアップ 2026/03/06

#認知症ケアの現場から

認知症利用者さんが楽しめるレクリエーション「フーフーピンポン」|認知症ケアの現場から(38)

文・写真/安藤祐介 ecd5b43a20f7205f246c057e047eb4abe570189e.jpeg

認知症利用者さんへのレクリエーション(以下、レク)に悩むことはありませんか?
認知症があるとルールの理解が苦手だったり、他の利用者さんとの突発的なトラブルが起きやすかったり、職員の見守りが欠かせなかったりして、みんなが楽しめるレクを実施するのは簡単なことではありません。

しかし、レクは認知症がある利用者さんの心身を賦活するものであり、認知症ケアにおける重要なアプローチの1つでもあります。だからこそ、「楽しかった!」「参加して良かった!」と感じられる時間を提供したいですよね。

本記事では、介護老人保健施設の認知症フロアで働く筆者が、現場で実施しやすく、認知症利用者さんの反応も良いレクを厳選してご紹介します。

1.レクのポイント

ルールを簡単にする

認知症がある利用者さんは、ルールを理解することが苦手です。例えば、紅組と白組に分かれる、手だけを使って行う、落ちたボールを拾ってはいけないなど、ルールが複雑なほど守れる方と守れない方の差が出てしまいます。認知機能に応じてグループ分けができる場合は問題ありませんが、不特定多数の利用者さんが参加する場合は、誰にでもわかりやすい簡単なルールにすることが大切です。

競技形式は控える

認知症の有無に限った話ではありませんが、利用者さんの中には負けず嫌いの方や感情の起伏が激しい方がおり、レクに夢中になるあまり、他者と口論になったり手が出たりといったトラブルに発展してしまうことがあります。特に、勝ち負けを競ったり、点数で順位をつけたりする場合に起こりやすいため、トラブルが懸念される場合は競技形式を控え、参加者全員で協力して行えるようなものや、個別に楽しめるものを選ぶと良いでしょう。

ただし、競技形式にすることで「勝ちたい!負けたくない!」という真剣さが芽生えたり、チームの連帯感が生まれたりするメリットもあるため、取り入れる場合は参加者同士の関係性や席次などに配慮しながら行ってください。

職員が少なくても安全に行える内容にする

介護現場は人手不足なことが多く、レクに多くの人員を割けないことがあります。そのため、職員が複数名いないと安全に実施できなかったり、円滑に進行できなかったりする内容は避けたほうが無難です。例えば、ボーリングゲームのように、毎回倒れたピンを並べ直す必要があるものは、職員の仕事量が多くなり1名では実施が難しいこともあります。

理想的には、利用者さんたちが自主的にレクを楽しめて、その状況を見守る職員が1名いれば安全に実施できるような内容を目指すのが良いでしょう。

2.「フーフーピンポン」について

期待できる効果

・口腔機能が高まり、会話や食事がしやすくなる
・全身を動かすことで、体力の維持・向上につながる
・心身に活力を与えることで、認知症の症状緩和につながる
・楽しい時間を過ごすことで、気分転換ができる
・活動と休息のメリハリがついて、生活リズムが整う
・他の利用者さんと交流することで、孤独感が軽減される
・職員との関係性が良好になり、日々の介護が円滑になる


必要な備品

●卓球ボール/ダイソー

参考写真

●プラスチック製の食器皿/ダイソー

参考写真

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●画用紙/ダイソー

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●布テープ/ダイソー

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レク用品の準備

①ピンポン玉が入るゴールを作ります。画用紙の中央に食器皿と同じ大きさの穴を開け、外側7cm程度(深い食器皿の場合は12cm程度)のところを切り取って、穴が開いた円を作りましょう。

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②円の一部をハサミで切って、食器皿を包み込むような山型にし、形を整えたら布テープで固定します。繰り返しレクを行うと画用紙がヨレヨレになるので、何か所か補強しておくと良いでしょう。これでピンポン玉が入るゴールの完成です。

参考写真
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レクの流れ・やり方

①10名程度の利用者さんにテーブルに集まってもらいます。

●身体機能の適応:座位が可能でピンポン玉を持てる方、息を吹きかけられる方
●認知機能の適応:認知症が軽度~中程度の方


ただし、上記はあくまで目安です。重度の認知症がある方にも参加していただくと、周囲の様子を目で追ったり、場の雰囲気を楽しまれたりすることがあるので、実施する中で適応性を探ってみてください。

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②本番前の準備体操を行います。

ピンポン玉を手で転がしたり息を吹きかけたりして、ゴールに入れるレクなので、上半身を中心に体操を行いましょう。歌を歌ったり早口言葉を言ったりして、雰囲気作りや口の準備運動をするのもおすすめです。

③ピンポン玉を手でゴールに入れます。

まずは、ピンポン玉を手で転がしたり投げたりして、すべてゴールに入れてもらいましょう。利用者さんとゴールの距離が近いほど難易度が下がり、遠いほど難易度が上がるため、取り組みの様子を見ながら距離感を調整してみてください。

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④ピンポン玉に息を吹きかけてゴールに入れます。

ここからがフーフーピンポンの本番です。次は手ではなく、息を吹きかけてピンポン玉をゴールに入れてもらいましょう。ゴールの食器皿が深いほど難易度が上がるので、利用者さんのレベルに応じて、浅い食器皿を増やしたりゴールを近づけたりして調整してください。

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⑤ピンポン玉の片づけ。

レクが終わったら、利用者さんと協力して片づけましょう。ピンポン玉は、ちょうど卵のパックに収まる大きさなので、家庭で使い終わった卵の空パックに詰めてもらうと、ゲーム感覚で楽しく行えます。

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ピンポン玉を使ったレクの応用

利用者さんの余力がある場合は、食器皿に入ったピンポン玉に息を吹きかけて出すゲームを行うのもおすすめです。全員に食器皿とピンポン玉を配り、誰がいちばん早く出せるか、何個のピンポン玉を出せるかなどを競ったり、ピンポン玉の数を増やして難易度を上げたりするのも良いでしょう。

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レクがより円滑に進む工夫

ピンポン玉は転がりやすく、床に落ちてしまうこともあるので、テーブルに落下防止用の囲いをするとレクがより円滑に進みます。囲いはダンボールを使用すると、作成しやすいです。

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まとめ

今回は認知症利用者さんが楽しめるレクリエーションとして、「フーフーピンポン」をご紹介しました。こちらは認知症が軽度から中程度の方に適応があり、身体機能としては座位が保てて、ピンポン玉を持ったり息を吹きかけたりできる方が参加可能です。

ゴールが坂道のようになっていたり、ピンポン玉が予測できない動きをしたりするので、入るようで入らないもどかしさ・面白さが楽しめ、自然と利用者様同士の交流も広がります。繰り返し強く息を吹くことは、呼吸・会話・食事などにも良い効果が期待できるので、認知症利用者さんのレクに悩んだときは、ぜひ参考にしてみてください。

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安藤祐介(Yusuke Ando)

作業療法士

2007年健康科学大学を卒業。作業療法士免許を取得し、介護老人保健施設ケアセンターゆうゆうに入職。施設内では認知症専門フロアで暮らす利用者47名の生活リハビリを担当し、施設外では介護に関する講演・執筆・動画配信を行っている。

安藤祐介の執筆・監修記事

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