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仕事・スキル 介護職のスキルアップ 2023/06/07

#みんな知らない高齢者の世界

リハビリになる"高齢者向けフラダンス"とは?座ったまま歌って踊れる「健康フラ・介護フラ」|みんな知らない高齢者の世界

取材・文/タケウチ ノゾミ(イージーゴー) thumbnail.jpg

フラダンスと聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか。ゆったりとした動きや、心地よい音楽などを想像する方も多いでしょう。そのような優雅なイメージのフラダンスを介護向けにアレンジしたものが、座ったまま歌って踊れるフラダンスの「健康フラ・介護フラ」です。介護を楽しくしてくれるだけでなく、リハビリにもなるフラダンスとは、一体どのようなものなのでしょうか。「一般社団法人 健康フラ・介護フラ協会」の指田睦生氏に話を聞いてみました。

1.健康フラ・介護フラの概要

――「健康フラ・介護フラ」はどのようなフラダンスなのでしょうか。

健康フラ・介護フラは、介護が必要な高齢者に向けて開発された、座ったまま取り組めるフラダンスです。伝統的なフラダンスをそのまま踊るのではなく、動きにリハビリ効果やストレス軽減効果などを取り入れ、介護が必要な方や、障がいをお持ちの方が取り組みやすいように振り付けています。また高齢者に関心を持っていただけるよう、曲は昭和の歌謡曲をアレンジしたものを使用し、歌いながら踊ります。

フラダンスは一見ゆったりとした動きが多いので、「フラダンスがリハビリになるの?」と不思議に思われるかもしれません。フラは見かけによらず、絶えず身体を動かすとても運動量の多い踊りなんです。そのため健康フラ・介護フラを踊ると、心がリラックスするだけでなく、筋力がついたり、姿勢が伸びたりする効果も期待できます。当法人では「楽しく健康になれるフラダンス」を普及していきたいとの思いから、介護施設や病院などの施設を訪問して、多くの方に健康フラ・介護フラを教えて回っています。

2.一般的なフラダンスとの違い

――般的なフラダンスとの違いについて、座ったまま取り組めること以外の特徴を教えてください。

大きな違いは、上半身の動きです。一般的なフラダンスは立った状態で踊りますが、健康フラ・介護フラでは座った状態で踊るため、動かすのは主に上半身のみになります。そのため、上半身を大きく動かす振り付けを多く入れるようにしていますね。また子どもから高齢者まで誰もが踊れる振り付けにすることで、介護度に関わらず取り組めるようにしています。

さらに、幸福度が高まりやすい動作を多めに入れていることも特徴の一つです。手や身体を大きく広げるポーズや、上を向くポーズは「ハイパワーポーズ」と呼ばれ、幸福度が高まりやすいポーズと言われています。逆に縮こまって下を向くポーズは、気持ちが下に向きやすいです。そのため、下を向くポーズはなるべく少なくして、大きく身体を動かせるような振り付けを取り入れています。フラに取り組むことで、ただ身体を動かすだけでなく、気分をリフレッシュして欲しいとの気持ちも込めています。

レイをつけて踊る参加者さん

レイをつけて踊る参加者さん

3.曲の選び方

――曲は昭和の歌謡曲を使っているとのことですが、具体的にはどのような曲を選ばれているのですか。

なるべく高齢者の方々に親しみのある曲を中心に選んでいます。たとえば坂本九さんの『上を向いて歩こう』や『見上げてごらん夜の星を』などは高齢者からとても人気のある曲なので、介護施設を訪問した際などは良く使っていますね。

そのほかにも、季節に合わせた曲を使うこともあります。たとえば春だったら『さくらさくら』、冬には『雪やこんこん』、クリスマスの時期には『ジングルベル』などを使うことで、皆さんに興味を持ってもらえるように工夫しています。

4.健康フラ・介護フラに取り組むメリット

――高齢者が「健康フラ・介護フラ」に取り組むメリットを教えてください。

大きなメリットは、普段の生活ではあまり行わない動作ができることです。たとえばフラダンスには腕の動きが多いのですが、腕を高く上げる、横に広げるなどの動きにより、インナーマッスルが鍛えられたり、上腕や前腕などの筋力が維持されたりする効果が期待できます。もちろん、肩甲骨や肩関節などのストレッチ効果もありますね。さらにフラダンスを踊りながら歌うことで、深い呼吸ができるため、有酸素運動による心肺機能の向上などの効果も期待できると考えています。

ほかには、身体面だけでなく思考面のメリットもあります。これはフラダンスに取り組むことで、ストレスが解消したり、プラス思考になったりといったメリットです。健康フラ・介護フラでは「ただ踊るだけでなく、笑顔で取り組むことが重要」だと皆さんにお伝えしていて、歌うときも口角を上げるようにアドバイスをしています。口角が上がると喉が開いて歌いやすくなるだけでなく、段々と心まで明るい気持ちになってくるんです。実際に「最初は無理に笑顔を作っていたけれど、フラに取り組むうちに自然な笑顔になっていった」などのケースもあります。笑うとエンドルフィンやドーパミン、セロトニンなどの幸福に関するホルモンが出るので、ただ単に運動になるだけでなく、思考面でのメリットも大きいのではないでしょうか。

5.脳の活性化などの効果も

――そのほかにも、「健康フラ・介護フラ」に取り組む嬉しい効果があれば教えてください。

歌いながら身体を動かすことにより、舌やお腹の力を入れられることです。高齢者になると、どうしても若い頃と比べて会話をする機会は減ってしまいます。そのため歌いながら踊れば、身体だけでなく、口周りのリハビリにもなりますね。

また歌を歌うと自然と曲や歌詞を思い出すため、脳の活性化も期待できます。施設を訪れてフラを踊る際は、歌詞カードを壁に貼ってから歌うようにしていますが、オンラインだと画面が小さいので、どうしても歌詞が見えづらくなってしまいます。そのため、自然と利用者さんに歌詞を思い出していただくことになるんです。曲や歌詞を思い出すことは頭の体操になるので、健康フラ・介護フラは、頭と身体、心のすべてに良い効果がある体操と言えるのではないでしょうか。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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