【今日は何の日?】3月24日=米・ライシャワー駐日大使が刺される(1964年)/雑学ネタ帳

現在の虎ノ門病院
58年前の1964(昭和39)年。東京・赤坂の米国大使館ロビーにて、駐日大使のエドウィン・O・ライシャワー氏が19歳の日本人少年に大腿部をナイフで刺され、重傷を負うという衝撃的な事件が起こりました。
ライシャワー大使はJFKことケネディ大統領の命を受け、1961年4月に駐日アメリカ特命全権大使として東京に赴任。そのケネディ大統領が4か月前(63年11月)に米ダラスにて凶弾に倒れ死去し、その7か月後には平和の祭典として全世界の注目を集める東京オリンピック開幕を控えるというタイミングでの事件発生でした。
ライシャワー大使の出血は数千ミリリットルに達したものの、虎ノ門病院での手術と輸血によって一命をとりとめます。日本生まれで日本人の奥さんを持つ親日家でもあったライシャワー大使は、「たくさんの輸血を受けて、日本と血のつながりができた」と笑顔で語ったそうです。
ところが、この後に大きな問題が発覚します。ライシャワー大使は輸血後に肝炎を併発し、66年に駐日大使を辞職し、帰国後の90年に79歳で亡くなるまで、肝炎と戦い続ける人生を歩むことになります。
当時の日本国内の輸血事情は売血に頼っており、その品質管理はずさんそのもの。各種の肝炎ウイルスやエイズウイルスが含まれていないかが厳重チェックにされる現在では考えられないことですが、感染症検査はほとんど実施されていませんでした。64年当時の輸血後肝炎の発症率は、50%超だったのです。
日本国内では、このライシャワー事件をきっかけに、輸血用血液製剤の原料は日本赤十字社のもと、売血ではなく献血により確保、調達されることになったのです。ライシャワー大使は日本の医療発展にも大きな功績を残したことになります。
文/高木圭介
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介護のみらいラボ編集部コメント
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