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【今日は何の日?】8月15日=津川雅彦、朝丘雪路夫妻の愛児が誘拐される(1974年) / 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
48年前の1974(昭和49)年。俳優の津川雅彦さん、朝丘雪路さん夫妻の長女(生後5か月)が東京・世田谷区内の自宅から誘拐されるという事件が起きました。
8月15日の深夜未明に長女が連れ去れた後、犯人から津川さん宅に脅迫電話があったのは早朝4時1分のこと。要求された身代金は500万円でした。犯人は現金の受け渡しを、当時、普及しつつあった第一勧銀(現・みずほ銀行)の現金支払い機(キャッシュディスペンサー=以下CD)を利用した振り込みにすることを要求。架空の名前で作られた口座が指定されました。
津川さんは8月15日正午に50万円、午後3時30分に100万円を指定された口座へと振り込みます。
当時、同銀行のCDが設置されていたのは、都内でもわずかに150か所。しかし当時のCDは、誰がどこでいくら引き出したのか?を本部で把握することができないシステムだったのです。警視庁では、その全CDに捜査員を張り込ませる処置を取ろうとしましたが、その前に現金が引き出されてしまった場合、犯人逮捕が困難になってしまいます。
不幸中の幸いで、犯人から指定された振り込み期日は「8月16日の昼頃まで」とのこと。警視庁から全面協力要請を受けた第一勧銀の中央事務センターでは、オンライン業務が終了する午後5時から、犯人がCDでお金を引き落とした瞬間に、本部で把握できるシステムを、わずか数時間の突貫作業で作り上げ、翌朝のオンライン業務スタート前にコンピュータヘと組み込んだのです。
8月16日の午後12時17分。犯人は東京駅丸の内南口のCDで29万円(※30万円以上の引き落としは印鑑が必要)を引き落としたところ、同銀行の中央事務センターが場所を特定。ただちに特捜本部の丸の内署に急報し、現金を持って立ち去ろうとした犯人が職務質問を受け、そのまま築地署へと連行。事件は解決に至ったのでした。犯人自宅にいた津川夫妻の長女も無事に保護され、21時過ぎには両親の元へと返されました。
有名人の子どもを狙った誘拐事件。当時、普及し始めたCDを使った犯罪というだけでなく、現在では普通に認識されているSE(システムエンジニア)なる職種が、一気に世間に認知される契機ともなった事件でした。もっとも当時はSEなんて言葉は使われておらず、「電算技師」という呼び名でしたが...。
警視庁の要請により、ニュースや新聞で事件が報じられたのは、人命尊重の立場から事件が無事解決された後のことでした。
参照 : 昭和49年8月17日付の読売新聞朝刊
文 / 高木圭介
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介護のみらいラボ編集部コメント
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