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【今日は何の日?】10月19日=国産テレビ映画で初の巨大怪獣が登場!(1958年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
65年前の1958(昭和33)年。この日の午後6時からラジオ東京テレビ(現・TBS)で放送された人気番組『月光仮面』において、国産テレビ映画で初となる巨大怪獣が登場しました。
月光仮面はこの年2月に放送スタートしましたが、どくろ仮面やサタンの爪といった等身大の怪人と戦っており、本格時な特撮シーンはありませんでした。この日から放送開始した第3部「マンモスコング」は、南極で生け捕りにされた体長15メートルの巨大怪獣・マンモスコングが運搬中に船ごと水没し、その死体を手にした国際暗殺団が蘇生させて、日本で大暴れさせるというストーリー。このシーンこそが国産テレビ映画における初の本格特撮使用となります。
当時、映画では『ゴジラ』(東宝)をはじめ、巨大怪獣が大暴れする特撮作品は存在していましたが、予算の少ないテレビ映画で特撮を使用するというのは不可能とされていました。その特撮シーンは現在からすると、かなり稚拙なモノにも見えてしまいますが、マンモスコングと戦う月光仮面や、暗殺団の面々をミニチュアの人形で処理したりと、パイオニアならではの試行錯誤と創意工夫が見てとれます。
一方で、マンモスコングと対峙する自衛隊の車両や兵器はかなりリアリティを感じさせるものとなっています。これは実際に本物の自衛隊が撮影に協力しているという賜物。黎明期の映画やテレビ映画には、警察や自衛隊が撮影協力していたものが多かったのです。
自らマンモスコングの着ぐるみを制作し、その中に入って演じていたのは、大正時代から昭和初期にかけて数々の危険極まりない生身のアクションやスタントシーンを演じ、「鳥人スタア」と呼ばれた高木新平さん(当時50歳)でした。往時のフィルムがほとんど残っていないのが残念ですが、のちの千葉真一さんやジャッキー・チェン、トム・クルーズなどにもつながる元祖アクションスターと呼ぶべき存在でしょう。
月光仮面の原作者であり、脚本も担当していた川内康範さん(当時38歳)は「テレビ動画の製作費がきわめて制限されている現状では、特殊技術もなかなか思うようには使えない。私はこの映画によって、子どもたちに夢と希望を与え、平和というものは決して武力をもっては得られないものだということを力説したいと念願してきたし、スタッフの一人一人も意欲に燃えて協力してくれるので、困難な条件もどうにか克服してきているわけだ。とにかく外国テレビ映画の何十分の一という金で作っているのだから、逆にわれわれが欧米なみの製作費をかけることができたら、どんな立派なものでも作ってみせるという自信もできた」と語っています。
製作の宣弘社プロダクションには、ハワイのテレビ会社から買い付けの申し込みが届いており、これが実現していれば、日本のテレビ映画が初めて海外へと輸出することにもなりました。黎明期のテレビ製作現場は、何もかもが手探りながら、熱気にあふれていたことが画面からも伝わってきますね。
参照 : 昭和33年10月21日付の読売新聞夕刊
文 / 高木圭介
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