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【今日は何の日?】7月28日=大洋漁業が"怪獣"のヒレとフィルムに高額保険(1977年)/ 雑学ネタ帳
《画像はイメージです》
47年前の1977(昭和52)年。さる4月25日、大洋漁業(現・マルハニチロ株式会社)のトロール船「瑞洋丸」(2,455トン、田中昭船長=39人乗り組み)がニュージーランド沖で接触し、いったんはワイヤーでつり上げたものの、あまりに強烈な悪臭のため、一部のヒレのみを保管して再び廃棄した怪獣のような謎の生物の死体が大きな話題となりました。
謎の生物は全長約10m、重さは1,800kg、首の長さは1.5mで、その形態が首長竜に似ていたため、当時話題となっていたネス湖のネッシーにちなんで、ニュージーランドの「ニュー」をつけて「ニュー・ネッシー」と呼ばれました。
あまりの臭さ(腐敗臭)のため、本業である魚に"汚染"してしまうことを恐れ、すぐに廃棄してしまいましたが、大洋漁業では世間の関心を集める重要な資料とあって、万が一、紛失したり盗難にでもあったら、一企業の問題では済まないと唯一の物的証拠となる怪獣のヒレ部分と、船上にて撮影されたカラーフィルムに保険をかけることを、この日に決定したのです。
保険の種類は書画骨董、高級カメラなどにかけられる「動産総合保険」。保険対象となるフィルムは5コマ、長さ20cm程度で直径2mmのアメ色をしたヒレは全部で42本ありましたが、うち3本は分析鑑定のため東京水産大学(現・東京海洋大学)などに提出されました。
これらの財産は台帳に一つひとつ登録されたうえ、大洋漁業の金庫に厳重保管。謎の生物をいくらに評価したかという肝心な保険金額は秘密でしたが、関係者の話を総合したところ、ヒレとフィルムを合わせて数千万円、1億円に近い金額と推定されています。
同社では将来的に、同一物件が引き揚げられ、もし爬虫類の生き残りと判定でもされたら、この資料を博物館へと寄贈する計画でした。
謎の生物は怪獣説、ウバザメ説、クジラ説が挙がり、その後はサメ説が有力となりました、その正体は現在も不明なままです。
ニュージーランド沖で悪臭に耐えながら、引き揚げ作業を担った船員たちは「いまでもサメとは思えない。もちろんクジラでもない。ブリッジの上からだが、後ろ足をはっきり見たんですから」、「船長が『はよ捨てろ』というけど、興味があるのでこっそり触ってみた。白いところはヌルヌルしていて、表面は縦、横の線がはっきり見える繊維状だった。押してみたら、ブスッと指が入るほど肉がゆるんでいた。わしらは魚の脂肪はよう知っとるから、魚の白身の肉が腐ったのと間違えることは絶対にない」と怪獣説で意見が一致していたそうです。
参照 : 昭和52年7月29日付、7月31日付の読売新聞朝刊
文 / 高木圭介
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