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【今日は何の日?】11月3日=水爆大怪獣映画『ゴジラ』が公開される(1954年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
ちょうど70年前の1954(昭和29)年。今や日本を代表するキャラクターであり、国産怪獣のパイオニアである映画『ゴジラ』(東宝)がこの日より劇場公開されました。
原作は探検小説や幻想小説でおなじみの香山滋(かやま・しげる)さん。監督は本多猪四郎(ほんだ・いしろう)さん。音楽は伊福部昭さんが担当。これに円谷英二さん(特撮)、渡辺明さん(美術)、向山宏さん(合成)、岸田九一郎さん(照明)ら東宝が誇る特殊技術陣が加わり、モノクロ作品とはいえ、それまでの国産映画にないダイナミックな映像が銀幕に踊ります。
主演は宝田明さんで、その恋人役が河内桃子さん、主人公の恋敵にして薬物化学者役が平田昭彦さん、恋人の父親であり学界の重鎮である古生物学者を当時49歳だった志村喬さんが演じました。
パイオニアゆえ、まだ怪獣映画の楽しみ方などは浸透していません。それどころか終戦からわずかに9年、3月には遠洋マグロ漁船が米国が実施した水爆実験に巻き込まれて被ばくしてしまう「第五福竜丸事件」が起きたばかりとあり、東京の街が破壊され尽くすシーンも、水爆の恐怖も決して銀幕上の絵空事ではなく、身近な日常の延長線上にあったという時代背景でした。
新聞広告には「大東京を火の海と化す巨獣の猛威!」「日本を破壊する水爆大怪獣!」「銀座大通りに暴れ狂う怪獣ゴジラ」「大東京ビル街全滅!」などのコピーが踊っています。
公開と同時に、たちまち評判を呼び、都内4館における初日入場者数は3万3,000人を数え、4月に公開された『七人の侍』(2万5,000人=黒澤明監督)、9月公開の『宮本武蔵』(2万8,000人=稲垣浩監督)を飛び越え、この年の初日興行最高記録を達成しました。
しかし当時は、この手の娯楽映画は一段低く見られる傾向にあり、新聞の映画評コーナーでも「アメリカでは『放射能X」などが作られたが、日本のは科学映画的なものは乏しい。かといって、空想的なおもしろさもない」「とくにゴジラという怪獣があまり活躍せず、性格といったものがないのがおもしろさを弱めた」「宝田明と河内桃子の二人の青年と娘の恋愛が、なにか本筋から浮いているが、これは構成上の失敗だった」などと酷評されています。
エンターテインメントに対する評価や評論など、その時代によってコロコロと変化してしまうものだと思い知らされますね。
参照 : 昭和29年11月3日付の朝日新聞夕刊、同年11月5日付の毎日新聞朝刊
文 / 高木圭介
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