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【今日は何の日?】11月30日=異色の芸術祭参加ドラマ『青やからわたったんや』が放送(1968年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
56年前の1968(昭和43)年。たとえ青信号であろうと、決して人命は保証されていないという交通戦争下の現実をまざまざと見せる異色の芸術祭参加ドラマ『青やからわたったんや』が午後4時からの1時間枠にて放送(首都圏ではフジテレビ)されました。
制作は関西テレビ。脚本は寺田信義さんが担当しました。企画の発端は約1年前、京都市内で一人の少年が青信号で道路を横断中に信号無視の車にはねられて死んだ事件でした。
この事件に、関西重工業地帯の兵庫・尼崎市内でダンプカーの運転手などに学童たちがビラまきで無事故を訴えたニュースなどを織り交ぜつつ「交通キャンペーンドラマ」という構成で放送されました。
主人公の少年・貫太(湯浅和則さん)は、尼崎市の大浜通りの交差点で、青信号となり渡ろうとした妹・ミカ(藪本美加さん)を、信号無視のライトバンがはねたことにより、失ってしまいます。
「青やったんや、青やから渡ったんや!」と訴える貫太は、ショックから社会のルールにまで不信感を抱きつつ、大切な妹を殺したライトバンを捜すため、ポンコツ置場や町工場を訪ね歩き、同時にガリ版刷りの手紙を信号待ちの車に手渡すなど必死に努力。やがて貫太の「心の傷」を救ってくれた青年までが、交通事故で死んでしまうという、まったくもって救いのない結末でした。
鎌田忠俊ディレクターは「こうした虚無的な少年像を描くことには、企画の段階でかなり反論がありました。しかし現実に交通事故はルールを無視して続発している。この矛盾をつくことは必要だと判断したのです」と説明。
警官やタクシー運転手、医師などの出演者は俳優ではない人を登用し、オールロケでドキュメンタリー風に味付け。ただし物語の鍵を握る交通信号の赤や青色のシーンのみはカラーフィルムで撮影され、テレビドラマでは異色の「パートカラー」作品として放送されています。
トラウマ(による苦情)回避が求められる現在とは違い、当時は恐怖や救いのない結末をもって、あえて視聴者にトラウマを植えつけることによって注意喚起を促すような作品が多かったのです。
参照 :昭和43年11月13日付の読売新聞夕刊、11月30日付の読売新聞朝刊
文 / 高木圭介
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介護のみらいラボ編集部コメント
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