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【今日は何の日?】3月4日=日本初のヌードポスターモデルが「これは40年前の私です」と名乗り出る(1962年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
63年前の1962(昭和37)年。日本で初めて女性のヌード写真が使用されたポスターは、寿屋(現・サントリー)が1922(大正11)年に製作した赤玉ポートワインのポスターと言われています。新聞記事で40年前の自分の姿を発見した女性がこの日、毎日新聞東京本社に連絡を入れてきたのです。
その女性は東京・新宿区在住の松島栄美子さん(当時68歳)。1892(明治25)年生まれの松島さんは浅草オペラ華やかし頃、寿屋がキャンペーンやキャラバン用に結成した楽劇団「赤玉楽劇座」に、杉寛(すぎ・かん)さん、秋月正夫さんらとともに参加。お得意様を招待しての興行をしているうちに、同座のプリマドンナだった松島さんは、寿屋の創業者である鳥井信治郎社長の依頼で、ポスター用に上半身裸の写真を撮影することに。意外や、松島さんはこの時、すでに30歳だったそうです。
裸の女性がグラスに注がれたワインを手に微笑み、ワインのみがカラー写真というこのポスターは大評判となり、全国の酒屋、薬屋、旅館などに張られるだけでなく、どういうわけか? 地球の裏側にあたる南米の地にまで張り出されていたとか。またドイツでのポスター品評会で最優秀作品に選ばれました。
ところが時代が時代だけに松島さんの親や親類はカンカン。勘当同然になってしまったのだとか。
歴史に残る人気ポスターでしたが、大々的に張り出された直後に関東大震災(1923年9月1日)が起き、そのほとんどは焼失。松島さん自身も東京大空襲(45年3月10日)で失ってしまいました。2月28日朝、毎日新聞朝刊に掲載された「日本の文化・この百年」という特集記事で、自分の姿を発見した松島さんが、すぐに同新聞社に連絡を入れて「これは40年前の私です。ぜひ、写真を下さい」と願い出たことで、とかく謎が多かったモデルの消息が判明したのでした。
松島さんは「その鳥井さんも先日(同年2月20日)亡くなったし、私も戦災で写真を焼いてしまったので...」と語りつつ、往時を懐かしんでいたそうです。
参照 : 昭和37年3月5日付の毎日新聞朝刊
文 / 高木圭介
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介護のみらいラボ編集部コメント
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