ケアマネを助けるウェルモのケアプランAI、今年秋から提供開始へ

《 昨年12月実証時点の画面イメージ。今後変更の可能性あり 》
ケアマネジャーの地域での活躍を後押しするAIエンジン「ケアプランアシスタント」を開発しているウェルモは8日、その提供を今年秋に開始するとアナウンスした。【青木太志】
主にケアプランの第2表の作成に対応したサブスクリプションのクラウドサービス。月額料金はまだ公表されていない。当初は今年夏のリリースを予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大もあって少し遅れた。
ウェルモはケアマネジメントの質の向上、事務作業の効率化などに寄与すると売り込んで普及を目指す。ケアマネに求められる役割、仕事は以前より増えており、重くなる一方の業務負担を軽減できればインパクトはかなり大きい。社会課題を解決するイノベーションへの期待は高く、行政と現場、双方の関係者から注目が集まりそうだ。
ケアプラン作成ではなく、ケアプランを作成するケアマネを支援する − 。ウェルモの「ケアプランアシスタント」のコンセプトだ。
AIは質の高いケアマネジメントに不可欠な多方面の知見を学んでおり、蓄積した過去のデータも活かしてケアプランの内容を提案する。ケアマネは選択肢から最適な文言を選び、個々のケースの特性などを踏まえて必要な加筆・修正を行う。
単に第2表を素早く埋めるだけでなく、AIの提案の根拠や参考文献、他ケースの事例集などをあわせて確認できる点が大きな特徴。これで欠けている知見を補いながら仕事を進めていける。ケアマネがカバーすべき領域の幅広さを考慮した機能だ。日々の業務負担だけでなく、継続的な情報収集や学習の負担も軽減できる設計となっている。
NTTデータ経営研究所は今年4月、厚生労働省から委託を受けて実施した調査研究の結果を公表。39人の居宅のケアマネに「ケアプランアシスタント」を使ってもらった結果、「新たな知識や気付きが得られる」「負担の軽減になる」などの答えが多かったと報告した。サービスがローンチされる秋以降、こうしたポジティブな反応が業界に広がっていくかどうかが焦点となる。
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介護のみらいラボ編集部コメント
ケアマネジャーがたてるケアプランは、ご利用者の自立と幸せを左右する重要なもの。そのケアプランをより良いものにできるよう支援するAI「ケアプランアシスタント」を2020年秋に株式会社ウェルモが公開予定です。クラウド・サブスクリプション型ですが、月額料金はまだ決まっていません。 表を埋めるための文言が用意されているだけでなく、その根拠(参考文献)や、他のケースの事例などが見られる点が特徴と発表しています。