全ての介護事業者に利用者のハラスメント対策を求める 厚労省 来年度から
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《 社保審・介護給付費分科会 2日 》
厚生労働省は来年度から、現場を支える職員へのハラスメントを防ぐ対策を実施するよう全ての介護事業者に求めていく。各サービスの運営基準を横断的に見直す方針を決めた。【Joint編集部】
次の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会で2日に説明。委員から了承を得た。
利用者・家族が加害者となるケースもある実情を踏まえた施策。本人の状態や認知症などに起因するやむを得ない事例もあるが、そうでない悪質な事例も一部にあると報告されている。
国の2018年度の調査結果によると、過去に利用者から何らかのハラスメントを受けたことが「ある」と答えた職員の割合はかなり高い。特養が71%、介護付きホームが60%、訪問看護が56%、訪問介護が50%など、5割を超えているサービスも珍しくない。
* 本人の状態や認知症などに起因するやむを得ないケースもあるとみられる。
現場の関係者の間では、暴力や暴言、過剰な叱責、見下し、無理な要求、セクハラなど、様々な被害があるとの声があがっている。こうした問題を解消して安心・安全な職場を作り、離職防止や人材確保につなげることが大きな課題だ。
男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法では、相談体制の整備など雇用管理上の措置を事業者に義務付ける、あるいは促す規定がある。厚労省はこれを参考に、新たな運営基準の書きぶりについて更に検討を深めていく構え。介護事業者にどの程度の強さでハラスメント対策を求めるか、詳細は今年度中にアナウンスするとしている。
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介護のみらいラボ編集部コメント
国のアンケートでハラスメントを受けたと回答した介護職は多く、特養では約70%。厚生労働省は来年度から、現場職員に対するハラスメント防止施策をとるよう、すべての介護事業者に求める予定です。