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ニュース 医療介護最新ニュース 2021/01/15

全国介護事業者連盟斉藤理事長解説 今年は"科学的介護元年"。国は報酬改定で大きく舵を切った

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介護のみらいラボ編集部コメント

よく最近聞くものの、中身まであまり知らない人も多いCHASE。厚生労働省をはじめとする政府の肝いり介護データベースで、こちらに定められた介護の情報を入力・活用すると介護報酬の加算ももらえるという力の入れようです。
全国介護事業者連盟の斉藤理事長は、これからは科学的介護が求められていく方向性が鮮明になった、介護事業者も情報通信技術の活用などで対応していく必要がある、と語っています。

今年4月の介護報酬改定は大枠の方向性が固まった。発足から20年あまりが過ぎた介護保険制度に今回、いったいどんな変革が起きたのか? 政府との交渉なども行ってきた全国介護事業者連盟の斉藤正行理事長が、ビッグピクチャーの捉え方の1つを提示する。【Joint編集部】

※ この記事は斉藤氏へのインタビュー取材に基づいてJoint編集部が作成したものです。

今回の改定は色々な意味を持っているわけですが、私が特に重要視しているのは「CHASE」です。正直、こんなに多くのインセンティブが設けられるとは思っていませんでした(*)。厚生労働省はかなり思い切って踏み込んだな、という印象を持っています。

* CHASEと2021年度改定
CHASEは来年度から本格運用が始まる介護保険の新たなデータベース。いわゆる「科学的介護」の基盤とすべく国主導で設計された。厚労省は今回の改定で、利用者情報の提供やフィードバックの活用などを要件とする加算を各サービスに新設する。各種加算でも関連する情報の提供などを評価する方針だ。現場から多くのデータを収集し、将来的な科学的介護の展開につなげていく狙いがある。詳細はこちらの記事でも。

より質の高いサービスを提供し、利用者の自立支援・重度化防止という理念を更に具体化していくうえでは、エビデンスに基づく科学的介護の推進がとても重要です。そうした観点から言うと、今回の改定は1歩も2歩も、いやもっと大幅な前進だったのではないでしょうか。厚労省も遂にこの方向に重きを置いたんですね。私も最初は少し驚きました。

まずはCHASEへの情報提供、あるいはフィードバックの活用が加算の主な要件とされましたが、これはきっと始まりに過ぎません。次の2024年度改定から先は、実際に利用者の状態を改善するアウトカムを評価する仕組みも増えていくでしょう。中長期の視点に立つと、今回の改定の持つ意味が一段と際立って見えてきます。今年をあえて"科学的介護元年"と位置付けたとしても、それは言い過ぎではないかもしれません。

特養や介護医療院などの報酬にも注目すべきです。ここにもCHASE構築の考え方、あるいはアウトカム評価の考え方が組み込まれたことは、やはり特筆すべき変化ではないでしょうか。

"終の棲家"としての性格を有する施設をめぐってはこれまで、こうした施策が馴染まないと言われてきました。改めて強調しておきますが、これは今の潮流が生み出した重要な転換です。国が科学的介護の方向へ大きく舵を切ったことが、ここにも表れていると言えるでしょう。

■ 次の第8期の間に将来への備えを

今後の焦点は新たな加算の単位数です。「点数が低くて割に合わない」となれば、やはり現場の取り組みは広がりません。是非そうならないようにして頂きたい。

私は直に交渉にあたった経験から、「厚労省はかなり戦略的に科学的介護を前進させようとしているな」と感じています。既存の加算の統廃合などと絡め、事業者が"CHASE加算"を積極的に取りにいく仕掛けを作ってくるでしょう。現場の負担と単位数のバランスにもそれなりに配慮した設計になるはずです。データ蓄積を遅れさせないためには当然で、私もそうあるべきだと考えています。

もっとも、CHASEへの情報提供などには相応の事務負担が伴うことは否めません。厚労省にはこれをできるだけ軽減する配慮をして頂きたい。我々事業者にも、ICTツールの有効活用などで生産性を高め、職員を楽にする努力が必要なのだと認識しています。

来年度から多くの加算が新設されるわけですが、変化に対応するのが大変だと感じる人もいるのではないでしょうか。ただ今回はプラス改定。基本報酬が下がることはありません。

そうした環境下で1つずつ、今後を見据えた体制作りを進めていけばいいんです。2024年度以降の改定では、より大きな、より厳しい変革が待っていると覚悟しておいた方がいいでしょう。科学的介護の方向性もより色濃く表れてくるはずですから、次の第8期の間に十分な備えをしておくことを勧めさせて頂きます。

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出典:介護のニュースサイトJOINT

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