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ニュース 医療介護最新ニュース 2021/03/01

【識者の眼】「空間除菌は無意味どころか...」近畿中央呼吸器センター内科 倉原 優先生

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介護のみらいラボ編集部コメント

コロナの流行で有名になった「空間除菌」。首にかけたり机の上や部屋の隅に置いたりするグッズが広告されていますが、国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科の医師、倉原優先生は医学的に見て全くおすすめできないどころか、使い方やモノによっては人体に害になる可能性もあると指摘します。
たとえ病院に寄付されても、「申し訳ないが、いらない」と回答せざるを得ないとまで倉原先生がいう「空間除菌」製品。その理由と経緯を本文で解説します。

二酸化塩素や次亜塩素酸水で空気中のウイルス除去・除菌をするという、いわゆる「空間除菌」がコロナ禍で流行した(そもそも除"菌"ではないのだが)。当院にも、首に空間除菌のグッズをぶら下げて外来にやってくる患者が少なからずいる。大手企業がCMを打って、ウイルスにも効果があると認識させているのだから当然だろう。

結論から書くと、空間除菌製品は医学的に到底すすめられるものではない。

この製品、薬機法に基づき承認された医薬品・医薬部外品ではなく、雑品にあたるため、そもそも特定のウイルス・菌、疾病等に対して効果があるなどと謳うことはできない。2014年には、消費者庁から「空間除菌に根拠がなく景品表示法違反にあたる」として措置命令すら出ている状況である。そのうえ、新型コロナウイルスやヒトに対する有効性・安全性のエビデンスもない。濃度を濃くすれば空間除菌とやらが可能になるかもしれないが、その場合、ヒトの気道粘膜や結膜などの傷害リスクも上昇するだろう。ウイルスだけを都合よく除去することなど、できない。また、二酸化塩素には酸化作用があるため、金属が露出したもの(楽器など)を腐食させるリスクがある。

厚生労働省は、経済産業省や消費者庁との合同特設ページ1において「消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をすすめない」と明記している。

2021年2月に、某空間除菌製品が無償で病院に寄付されるというニュースが流れた。導入実績ありきで更なる販売を推し進めたいのか、あるいは向かい風の報道により在庫が余りつつあるのか、実のところは知る由もないが、上記の経緯を知っている身としては「申し訳ないが、要らない」と回答せざるを得ない。〈2月26日〉

【文献】

1)新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)

倉原 優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)[医療SNS]

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出典:Web医事新報

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