在宅系介護職のワクチン優先接種が進んでいない 介護福祉士会が問題提起

新型コロナウイルス対策のゲームチェンジャーになると期待されるワクチンの優先接種をめぐり、日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長は20日、在宅系サービスの介護職も対象とするよう自治体に改めて呼びかける声明を公式サイトに掲載した。【Joint編集部】
「施設系の介護職の優先接種は少しずつ広がってきているが、在宅系の介護職は十分に広がっていない。不安の声が聞こえている」。
及川会長はそう問題を提起。全国の自治体に対し、「国民の生活を守るため、在宅系の介護職への優先接種を早期に実現して頂きたい。その必要性をご理解頂きたい」などと訴えた。
《 日本介護福祉士会・及川ゆりこ会長 》
政府はもともと、ワクチンの優先接種の対象を施設系の介護職のみに限定していた。今年3月、各方面からの見直しを求める声を受けて軌道修正。自宅療養となった感染者に必要なサービスを提供することなどを条件として、自治体の判断で在宅系の介護職も含められるように弾力化した。
より積極的な動きをみせる自治体もある。福岡市の高島宗一郎市長は今月11日の会見で、在宅系の介護職を無条件で優先接種の対象に含めると発表。「高齢者と介護職をしっかり守っていく」と強調した。
日本介護福祉士会の及川会長は今回の声明で、こうした福岡市の対応を称賛。「介護現場の実情を汲み取った判断。高く評価している」と綴った。
SNSシェア
介護のみらいラボ編集部コメント
日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長が、施設系の介護職への新型コロナワクチン優先接種は進んでいるが、在宅系の介護職には十分に広がっていない、と、問題提起しました。
政府は当初接触人数が多い施設系介護職のみ優先接種する予定でしたが、介護福祉士会などの申し入れなどを受けて、自治体判断で在宅系介護職もワクチン優先接種できるようにしました。
自治体によっては在宅系の介護職の無条件接種に踏み切ったところもあり、対応が分かれています。