社会保障審議会医療部会は6月2日、「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針」の修正案を大筋で了承した。前回の部会の議論を反映させ、一部文言修正などを行ったが、大きな内容変更はない。パブリックコメントを経て近く、都道府県などに事務連絡し、関係者への周知を依頼する。

基本方針は、遠隔医療を「オンライン診療等」（医師と患者間での遠隔医療）と、「医師等医療従事者間での遠隔医療」（遠隔コンサルテーションや遠隔救急支援など）の2つの類型に区分。各類型について、①期待される役割、②現状の課題、③今後の取組みの方向性―などを記載した。

遠隔医療の担い手である医療機関や医療従事者に求める役割や取組だけでなく、地域に遠隔医療を普及させるための政策立案や医療機関の導入支援にあたる国や都道府県、市町村の役割にまで広く言及している点が大きな特徴となっている。

たとえば、国に対しては、オンライン診療や遠隔医療の導入にあたっての地域における課題を把握した上で、医療機関が導入時に参考にできるような「事例集」（利用した医師等の意見や、利用した情報通信機器やシステム等）、「手引き書」（導入・利用手順等）、「チェックリスト」（オンライン診療の場合のみ。オンライン診療の実施時に患者に説明すべき内容等）―の作成などを要請。都道府県と市町村には、地域における先行事例を把握し、導入を検討中の医療機関に導入済み医療機関を紹介するなど、医療機関間の連携関係構築への支援を促した。

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出典：Web医事新報