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ニュース 医療介護最新ニュース 2021/11/02

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【夜間頻尿】症状・原因・対策まるわかり シゴトークLiveイベントレポート

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介護のみらいラボ編集部コメント

「シゴトークLive」では、医療介護保育業界で働くみなさんへ、明日からお仕事に役立つ情報をお届けする動画コンテンツを配信しています。今回のテーマは「夜間頻尿」。
業界の専門家、DASUケアLAB® 代表の大関美里さんによるお役立ち情報です。

講師:DASUケアLAB® 代表 大関美里

文:岩崎

 施設利用者が夜間頻尿になってしまうと、寝ぼけ眼でトイレまで移動することで転倒・骨折の危険があるほかに、昼夜逆転してしまったり、腸内環境が悪化したりする可能性があります。また、ケアする側・される側ともに慢性的な睡眠不足に陥ってしまい、お互いのQOLが低下する恐れがあります。夜間頻尿を改善するにはどのようなポイントに気をつけたらよいか、DASUケアLAB®代表の大関美里さんが解説します。

人間の排尿の仕組みと夜間頻尿の症状の違い

 まず、人間の排尿の仕組みについて見ていきましょう。普段、私たちの身体では腎臓で血液を濾過した後に、不要な水分や老廃物の中から1%が尿として排出されます。睡眠中は脳内の下垂体が抗利尿ホルモンを分泌し、尿を作る量を減らすよう腎臓に働きかけるので、トイレに起きることなく安眠できるようになっています。

 では、夜間頻尿の人は抗利尿ホルモンが正常に機能していないのかと言うと、必ずしもその原因には留まりません。症状を細分化すると ①夜間頻尿のみ ②夜間頻尿と日中の頻尿だけで下部尿路症状を伴わない ③夜間頻尿と日中の頻尿にその他の下部尿路症状を伴う の3パターンが考えられ、それぞれに合った対処法・治療法が必要です。②③については泌尿器に問題がある可能性が大きく、詳しくはほかの動画で解説していますのでそちらをご覧ください。

関連:大関美里~昼間・一日中の頻尿~症状・原因・対策まるわかり【介護職・看護師】

夜間頻尿への対応方法①夜間多尿

 ①のように、夜間のみ頻尿に悩んでいる人への対応方法を見ていきましょう。

 まず、夜間頻尿の定義は、入眠から起床までに1回以上起きなければならず本人や周囲が困っている状態のことを言います。主な原因として夜間多尿または睡眠障害が考えられます。

 夜間多尿が推測できる場合は排尿日誌を最低でも3日間記録し、尿量と回数、時間帯を正常な排尿と比較しチェックしましょう。就寝中の尿量が大切なポイントになりますので、起床後の最初の排尿も夜間の総排尿量に含みましょう。65歳以上の人の場合、1日の尿量のうち入眠から起床までの間の尿量が33%以上を占める場合は夜間多尿になります。尿量とともに比率を確認しましょう。

 ここで注意したいのは、消灯時間が必ずしも入眠時間と一致しないと言うことです。消灯時間を過ぎても起きている、横になっても眠れていない場合もあるため、本当に入眠しているかのチェックが必要です。眠れていない場合は、昼夜逆転や睡眠障害の疑いがあります。

 夜間多尿の原因として、抗利尿ホルモンの加齢による低下や浮腫による心機能低下、膀胱容量の低下、脳梗塞などの予防のための就寝前の多飲などが挙げられます。飲水指導や下肢を動かす運動などの行動療法で様子を見つつ、必要に応じてかかりつけ医や通院先などと相談しながら薬物療法などを検討しましょう。膀胱蓄尿障害や過活動膀胱、前立腺肥大症があった場合はそれぞれに治療薬があることも知っておくとよいでしょう。

夜間頻尿への対応方法②睡眠障害

 また、睡眠障害による夜間頻尿の可能性も考えられます。その場合、利用者さんがトイレに行きたいから目が覚めるのか(尿意)、それとも目が覚めているからトイレに行きたいのか(中途覚醒)を見極めなければいけません。睡眠時無呼吸症候群やうつ病、不眠症の症状がある場合は治療を優先しましょう。

夜間頻尿への対応方法③注意点

 注意点として、もともと多尿の場合や睡眠時間が長かったり短かったりする場合、加えて昼夜逆転の生活を送っている人の場合は夜間頻尿とは言いません。決めつけてしまわないようにアセスメントしましょう。病気ではなく単純に昼夜逆転している場合は、生活習慣の改善や自律神経の調整、副交感神経を高めるマッサージやケアなどを取り入れて、生活リズムを整えられるようにしましょう。

夜間頻尿への対応方法まとめ

 以上をまとめますと、夜間頻尿の人は ①症状を把握し水分・カフェインなどの摂取状況を明らかにする ②排尿日誌で尿量をチェックする ③基礎疾患の有無を確認する という対応が必要です。

 大関さんは自身が解説している「おむつからの外漏れを防ぐ3STEP」で「おむつの外漏れは夜間多尿が原因であるケースも多い」とした上で「尿量や回数を"はかる"ことで、利用者さんの気持ちを思いはかることができます。」話しています。

関連:大関美里「おむつからの外漏れを防ぐ3STEP」

 夜間頻尿を減らすことはおむつ交換の回数が減るだけではなく、その方の生活の質・人生の質をグッと変化させ、結果として利用者さんと介護職・看護職の皆さんの双方の負担が少なくなることにもつながります。夜間頻尿への対応・解決策として、ぜひ"はかる"ことから少しずつはじめてみませんか?

大関さんの夜間頻尿動画へのリンクはこちら!

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