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ニュース 介護業界ニュース 2023/09/17

#インタビュー

オンラインでお遍路体験をしよう!自宅や介護施設にいながら四国巡礼ができる「オンライン遍路」のメリット

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介護のみらいラボ編集部コメント

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歴史を感じられる旅として、幅広い年代層から人気を集めている四国お遍路。しかし、巡礼には急な斜面や多くの階段を登る必要があり、高齢者や身体が不自由な方には難しい旅といえます。そこで年代や障がいの有無に関係なく巡礼の旅を楽しんで欲しいとの考えから生まれたのが、全国どこからでもお遍路体験ができる「オンライン遍路」です。お寺の案内や作法に精通した公認先達による案内を受けながら、画面越しに参拝をしたり、お経を読んだりできます。オンライン遍路のメリットや、参加者さんからの反応について、オンライン遍路の運営企業である株式会社CTTの伊丹 顕治氏と、高野山 真言宗の僧侶であり、公認先達の福田 恵峰氏に話を聞いてみました。

1.オンライン遍路のメリット

――オンライン遍路のメリットを教えてください。

福田:やはり、年齢や身体の状態を問わずお遍路体験ができることです。四国八十八ヶ所霊場会では、お遍路に行けない方のために、霊場の砂を一箇所ずつ集めた袋を足で踏みながら礼拝する「お砂踏み」を時折実施しています。ただお砂踏みは便利な反面、足が不自由な方には礼拝が難しいといえます。一方でオンライン遍路は、どこにいても、どのような状態でも参拝でき、身体が不自由な方も画面越しに手を合わせていただくことが可能です。さまざまな理由によりお遍路を諦めてしまう方は多いため、画面越しにお参りできることは非常にメリットが大きいと考えています。

また、離れて住む家族や友人と一緒にお参りできることもメリットの一つです。例えば遠くに住むお孫さんとおばあさんやおじいさんが画面を通して一緒にお参りすることや、普段疎遠になっているお友達を誘い合って、グループ旅行のようなイメージでオンライン遍路を楽しんでいただくこともできます。旅行気分で、ぜひ幅広い年代の方に参加して欲しいですね。

伊丹:リアルタイムならではの会話ができることは、大きなメリットだと考えています。例えば先達が説明をした際に分からない点があった場合は、「さっきの場所をもう一度映してもらえませんか」「〇〇とはどういった意味なのですか」など、リアルタイムで質問できます。すると先達からすぐに答えが返ってきますし、場合によっては他では聞けないような裏話やウンチクなどを教えてもらえることもあります。数人在籍している公認先達のなかでも、福田先達のお話は詳しく分かりやすいと大変人気で、ノートを取っている利用者さんもたくさんいらっしゃるほどです。ぜひこの機会に、色々な会話を楽しんでもらえたらと思います。

さらに、景色の美しさを楽しんでもらえることもメリットだと感じています。移動中は車内から撮った風景をリアルタイムで映しているので、四季折々の豊かな自然を感じられます。またお寺の近くに観光地がある場合は必ず立ち寄るため、観光気分も味わえますよ。事前に録画しておいた映像を流すだけでは、一方通行になってしまい面白みが半減してしまいます。先達と会話をする、お寺と一緒に季節の花々を楽しむなど、オンラインならではの魅力を味わってもらえたら嬉しいです。

2.サービス提供時に注意していること

―サービスを提供するうえで、気をつけていることはありますか。

福田:やはり分かりやすく、ゆっくりとお話することです。オンラインだと、どうしても私達が発する声と参加者さんの声にタイムラグが生じがちです。なのでお経を読む際は、参加者さんが一緒に唱えられるスピードで読むように意識していますね。

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迫力満点の護摩焚きの様子を見学できることも

3.参加者さんの反応

――参加者さんからの反応はいかがですか。

伊丹:本当に熱心にお参りされる方ばかりで驚いています。現地でお遍路をする際と同様に、白衣や輪袈裟を着用し、数珠を持ってお参りする方も多いですね。「先達の言葉を一言も聞き漏らさないようにしよう」との姿勢で参加されている方ばかりで、画面越しからも熱意が伝わってきます。途中で離席する方もほとんどおらず、お手洗い休憩やお昼休憩の時間になるまで、熱心にお参りされています。

またオンライン遍路ならではの体験に対する、喜びの声をいただくこともあります。一般的な参拝時にご住職とお会いすることはなかなか難しいですが、オンライン遍路ではご住職自らがマイクをつけて説明してくださったり、普段は入れないお堂に入れていただけたりします。また御本尊にカメラを近づけて、仏像に関する詳しいお話をしてくださることもあります。場合によっては、ご住職への質疑応答も可能です。このような体験は一般の方が霊場巡りをした際にはできないため、「オンライン遍路に参加して良かった」と非常に喜んでいただけますね。

福田:「話の内容が濃い」とのお言葉をいただくことが多く、嬉しく感じています。やはりお寺の縁起や参拝の作法などを知ったうえでお参りするのと、知らないままお参りするのでは大きな差が生じると思います。知識を身に着けたうえでお参りすれば、より良いお参りに繋がりますし、参加者さんの満足度も高まると感じています。私が知っていることは、些細なことでも皆さんに共有していきたいです。

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参拝だけでなく、四季折々の風景を楽しめることもオンライン遍路の魅力

4.おすすめの活用方法

――オンライン遍路のおすすめの活用方法があれば教えてください。

伊丹:デイサービスをはじめとした高齢者施設で、プロジェクターや大きなテレビにZoomの画面を映して、レクリエーションの一環として利用者さんに参加していただきたいと考えています。高齢者はスマートフォンやパソコンの扱いに慣れていない方が多く、残念ながらオンライン遍路に参加したくてもできないケースが多いと感じています。しかし高齢者施設であればパソコンの扱いに慣れている方もいらっしゃいますので、開催のハードルはそこまで高くないのではないでしょうか。

「長時間じっと座っていられない利用者さんが多いから難しそう」と感じる施設の方も多いかもしれませんが、高齢者施設用に、オーダーメイドで特別なプランを作成することも可能です。例えば本来のプランでは2ヶ所のお参りをするところ、1ヶ所だけをお参りするなど、利用者さんの介護度や障がいの度合いなどを考慮したうえで、適切なプランを用意できます。お遍路に興味はあるけれど、さまざまな問題で行けなかった利用者さんも多いのではと思います。ぜひ大人数で参加していただけたら嬉しいです。

取材・文/タケウチ ノゾミ 編集/イージーゴー

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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