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ニュース 介護業界ニュース 2024/11/21

#インタビュー

介護現場や管理者における負担を軽減!株式会社土屋におけるマインドフルネスサークル設立の取り組み

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介護のみらいラボ編集部コメント

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介護のトータルケアサービスを提供する株式会社土屋は、2024年4月に、介護職員や管理者向けのマインドフルネスサークル「Refrel(リフレル)」を設立しました。同サークルでは、オンラインサービスを利用してマインドフルネスに取り組むことで、従業員の精神的負担の軽減や、パフォーマンスの向上を目指しています。サークルの設立背景や活動内容について、株式会社土屋 Well-being委員会の川﨑知子氏と宮本武尊氏に話を聞いてみました。

1.マインドフルネスとは?

――そもそも、「マインドフルネス」とはどのようなものなのでしょうか。

川﨑:マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に目を向ける瞑想方法です。五感に意識を集中させることで、あるがままの現実を受け入れ、脳や心の状態を整えます。マインドフルネスに取り組むと、以下のようなさまざまな効果を得られると言われています。

  • 集中力や記憶力、判断力の向上
  • 自己肯定感や思いやりの心の育成
  • EQ(心の知能指数)の向上
  • 免疫機能や睡眠の質の向上

近年は世界的なブームとなっているため、テレビなどで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。当社では、主に従業員の心身の健康維持を目的として、マインドフルネスを活用しています。

2.設立のきっかけは「従業員の精神的負担の軽減に努めたい」

――マインドフルネスサークル「Refrel(リフレル)」設立のきっかけを教えてください。

川﨑:「従業員の精神的負担の軽減に努めたい」と考えたことがきっかけです。当社では、重度訪問介護や訪問看護、通所介護などを中心としたサービスを提供しており、なかでも重度訪問介護は1対1の長時間支援が多いうえに、ほかのスタッフと交流する時間も限られるため、心身への負担が特に大きい仕事といえます。仕事を継続するためには、自分自身と向き合い心の健康を維持することや、落ち込んだ気持ちを回復させる力が必要となりますが、これらを身につけることは容易ではありません。

また、管理職やバックオフィスのスタッフにおいても、仕事が円滑に進むよう自身の感情をコントロールしながらコミュニケーションをとることや、テレワークならではのストレスがあるなかで日々業務に取り組むことなどが求められており、精神的な負担が多い状態です。2024年現在、当社の従業員数は2,600人を超えており、会社が大きくなり働き方の多様化が進むと同時に、「従業員の心身の健康を維持するための取り組み」を実施する必要性を感じるようになりました。気分を切り替え、心身をリラックスさせることは、精神的な負担の軽減において非常に重要です。当社では、マインドフルネスの活用やサークルの運営により、従業員の心身の健康状態の向上だけでなく、最終的にはクライアントのQOLや、サービスの質の向上にも繋げていきたいと考えています。

3.定例オンラインミーティングを毎月1回実施

――「Refrel」の概要や活動内容について教えてください。

川﨑:「Refrel」は、マインドフルネスに興味がある従業員の集まりです。役職や部署は関係なく、当社の従業員であれば誰でも参加できます。2024年8月現在のメンバー数は35人で、管理職からバックオフィスまで、さまざまなメンバーが集まっています。サークルというと、どこかに集まって活動するイメージがあるかもしれませんが、メンバー同士が実際に顔を合わせることはほとんどありません。当社は全国に拠点があるうえに、多様な働き方を取り入れているため、基本的にはオンラインを中心とした活動を行っています。

活動内容は大きく2つあり、1つ目は、それぞれのメンバーが、自分の好きな時間にマインドフルネスに取り組むことです。当サークルでは、マインドフルネスサービス「MELON(メロン)オンライン」を使用しており、スマートフォンさえあれば、場所や時間を問わずにマインドフルネスができる環境を整えています。2つ目は、定例オンラインミーティングを毎月1回実施することです。定例ミーティングでは毎回10人ほどが集まり、マインドフルネスについての情報を共有するなど、メンバー同士で交流を深めています。

月1回開催している定例ミーティングの様子

月1回開催している定例ミーティングの様子

――単にマインドフルネスに取り組むだけでなく、交流の機会も設けているのですね。定例ミーティングでは、具体的にどのような交流を行っているのでしょうか。

川﨑:定例ミーティングは、マインドフルネスに関するトピックについて気軽に話し合う場です。具体的には、おすすめのマインドフルネスの取り組み方について話したり、知っていると役立つプチ情報の共有などを行ったりしています。また最近では、ミーティング中に参加者全員でマインドフルネスに取り組み、感想を共有する活動なども実施しています。本ミーティングは、普段話す機会が少ない部署との交流の場にもなっており、社内のコミュニケーションの促進にも役立っていると感じています。

4.メンバーからは前向きな感想が多い

――サークル活動について、メンバーからの反応はいかがですか。

川﨑:かなり前向きな感想が多く、嬉しく感じています。最近では、「サークルに入ってから、朝の決まった時間にマインドフルネスに取り組む習慣ができました」「月に一回メンバーの話を聞くことで、毎回気付きを得られて勉強になっています」などの感想が寄せられました。今後も、メンバーがそれぞれのペースでマインドフルネスに取り組みつつ、気付きを共有し合いたいと考えています。

宮本:以前、サークルメンバーの介護職員より「マインドフルネスを始めてから、怒りを感じた際に、その怒りの感情が緩やかにおさまっていくような感覚を覚えるようになりました」という感想をもらったことがありました。実は、私自身も、マインドフルネスを始めてから感情のコントロールがしやすくなったと感じています。活動を継続することで、より多くの従業員にマインドフルネスの魅力を感じてもらえたら嬉しいです。

5.マインドフルネスと幸福度の相関関係を調べたい

――マインドフルネスサークルに関して、今後の展望をお聞かせください。

川﨑:まずは、メンバーを増やしてサークルの輪を広げていきたいですね。マインドフルネスに関する認知度を上げるため、社内に向けた情報発信を積極的に行っていく予定です。また、今後は関東や関西などの地域ごとに集まり、対面でマインドフルネスに取り組む会も開催したいと考えています。

宮本:マインドフルネスと幸福度の相関関係を調べたいと考えています。当サークルでは、はぴテック社の「幸福度診断」を定期的に実施しており、従業員の幸福度の数値化を行っています。今後もこの診断を継続することで、マインドフルネスと幸福度の関係性についての調査や、社外に向けた発信を検討しています。介護業界全体における課題の解消のためにも、マインドフルネスに関連する取り組みを継続していく予定です。

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