介護系マッチングサービスの活用により稼働率90%超を達成!バラエティ豊かなレクの実施も可能に
介護事業を手掛ける有限会社ノーマルライフでは、介護系マッチングサービスの活用により、毎月バラエティ豊かなレクリエーションを実施しています。同社では、どのようなきっかけでマッチングサービスの活用を始めたのでしょうか。有限会社ノーマルライフ代表の杉隆司氏に、活用によるメリットや、活用時の注意点について聞いてみました。
1.マッチングサービス活用のメリット
――マッチングサービスの活用によって感じているメリットはありますか。
大きく2つあります。1つ目は、デイサービスの稼働率が大幅に上昇したことです。デイサービスの稼働率は平均70%程度と言われており、当施設の稼働率も、それほど良い数値ではありませんでした。しかし、マッチングサービスを活用し始めてからは、稼働率が80%後半から90%程度にまで上昇したのです。当施設は認知症対応型デイサービスのため、数時間前のレクリエーションであっても、帰る頃には内容を忘れてしまう方もたくさんいらっしゃいます。ただ、どこかに「この施設は楽しい場所」という記憶が残るようで、マッチングサービスの活用開始後からは、当日のキャンセル率がどんどん下がってきました。利用者さんの反応を見る限り、顧客満足度の向上にも繋がっているのではと感じています。
2つ目は、スタッフの負担が減少したことです。ご応募いただいた方にレクリエーションの開催をお任せすることで、今までレクを実施していた時間にほかの業務を行ったり、交代で休憩を取ったりと、業務に余裕が生まれたように感じています。さらに、スタッフが「自分が働いている施設は、こんな面白いことをやっている場所なんだ」と家族や友人に話すことで、社内リファラル(紹介)という形での、利用者や従業員の応募も増えています。マッチングサービスの活用は、介護施設における課題の解消にも役立つのではないでしょうか。
2.マッチングサービスの活用にあたり難しかったこと
――マッチングサービスの活用にあたり、難しかったことがあれば教えてください。
レクリエーションの内容によっては、当施設での実施が難しいケースがあることです。当施設には認知症の方が多くいらっしゃるため、複雑なルールが設定されたゲームや、覚える項目が多いレク、言葉での説明が多いレクなどは、なかなか内容を理解することができません。
そのため、ご応募いただいた際には、事前に施設の傾向をお伝えしたうえで、想定しているレクの内容について伺うようにしています。認知症の症状が強い利用者さんは、どちらかといえば、歌を歌ったり、身体を動かしたりするレクの方が、喜んでいただける可能性が高いと感じています。反応がほとんどない状態のなかでレクをお願いすることは大変心苦しいため、場合によっては、レクの開催をお断りするようにしています。
地域の高校生によるヒーローショーを兼ねたレクリエーションの様子
3.地域の方々との交流について
――お手伝いしてくださる方は主に地域の方とのことですが、地域の方々との交流はどのように行っているのでしょうか。
特別な取り組みは行っていません。今までお手伝いしていただいた方のなかには、マッチングサービス上の案内を見た方はもちろん、当施設のスタッフからの紹介で来てくださった方もたくさんいらっしゃいます。これからも、「周囲の人に思わず話したくなる楽しい介護施設」を目指して、マッチングサービスの活用を続けていきたいと考えています。
4.今後のマッチングサービス活用の展望
――マッチングサービスの活用について、今後の展望をお聞かせください。
まずは、近隣の事業所さんにマッチングサービスの良さを広めたいですね。同サービスは素晴らしいものではありますが、まだ知名度が低く、利用施設は関東圏に集中してしまっています。2024年現在、大阪府内でこのサービスを活用している施設は、当施設を含めて2つしかありません。お手伝いしていただいている方々からも、「より多くの施設で活動してみたい」という声も上がっているため、積極的な活用を継続することで、どんどん利用施設の輪を広めていきたいです。
2025年度からは、国がこの様な介護マッチングサービス事業に対して、補助金等の提示を検討するといった動きも出てきました。介護人材不足を解消するためには、介護業界に触れる機会を増やすことが重要だと感じています。介護をより身近に感じていただき、介護業界で働く方を増やすためにも、マッチングサービスの魅力を多くの施設に広めていく予定です。
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介護のみらいラボ編集部コメント
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