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ニュース 介護業界ニュース 2024/05/14

#インタビュー

高齢者の健康管理にApple Watchを活用した成果は?健康型有料老人ホーム「マゼラン 湘南佐島」

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介護のみらいラボ編集部コメント

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神奈川県横須賀市にある健康型有料老人ホーム「マゼラン 湘南佐島」は、健康な自立の高齢者のみ入居できる高齢者施設です。健康寿命の延伸を実現するためさまざまな取り組みを実施しており、健康管理のため、入居者さんは全員Apple WatchやiPhoneを身につけています。デジタルデバイスを活用した健康管理には、一体どのようなメリットがあるでしょうか。導入によって実感しているメリットや、導入による成果について、マゼラン 湘南佐島の支配人 稲葉淳氏に話を聞いてみました。

1.デジタルデバイスで健康管理をするメリット

――Apple Watchをはじめとしたデジタルデバイスでの健康管理について、実感しているメリットや効果を教えてください。

最大のメリットは、ご入居されているお客さまのヘルスケアデータを時系列で確認できる点だと考えています。当施設では60代から90代の方まで入居されており、それぞれの体力や身体状況には当然差があります。そして、日々体力が上がっているのか、それとも下がっているのか、維持しているのかを正確に把握することは非常に難しいといえます。日々の体調についても、身体状況に関するデータが何もない場合は「この人は今日少し調子が悪いのかな?」と推測することしかできませんが、ヘルスケアデータがあれば、脈拍や睡眠の状況から体調を正確に判断できますよね。もちろん、Apple Watchは医療機器ではないため、必ずしもデータが正確であるとはいえません。しかし、誰でも簡単に身体の状況を理解できるうえに、いつでもそのデータを確認できることは、非常に大きなメリットだと感じています。

2.Apple Watchの導入による成果

――Apple Watchの導入による成果はありましたか。

最初は不安に感じていた点もありましたが、今では数多くの効果を感じています。一番印象的だったのは、ある90代のお客さまのデータについてです。その方は、本格運用の開始前にモニターとしてご入居いただいた方で、体力にあまり自信がなく、ご家族のお墓参りに行くのも諦めているような状態でした。しかし、ご入居からしばらくして運動プログラムを開始したことで、体力が大幅に上昇したのです。当施設は急な坂を登らないと辿りつかないのですが、成人男性でも息が切れるような坂をスタスタと登り降りされるようになりました。装着していたApple Watchによれば、ヘルスケアデータが大幅に改善し、体重や筋肉量、骨密度など全てがアップしたのです。その方は現在も当施設で過ごされており、今ではお墓参りにも定期的に出かけられているほか、施設の敷地内にある小さな畑でジャガイモやブロッコリーなどの野菜を育てるといった、農作業にも取り組まれています。

また、以前に要支援1を取得されたことがある70代の方が、当施設に入居したことにより、杖が不要になったケースもありました。その方は当施設のプログラムに参加したことで、ヘルスケアデータが改善しただけでなく、杖をつかないで普通に歩けるようになったのです。先日は施設のアクティビティの一環として、中野ブロードウェイに遊びに行かれていました。私達は「ある程度年齢を重ねると、健康状態は変わらないのでは」と考えてしまいがちですが、当施設のお客さまを見ていると、健康状態は何歳からでも改善できると感じています。

社会的活動の一環として、施設内のレストランやブックカフェでスタッフとして働く事例もある

社会的活動の一環として、施設内のレストランやブックカフェでスタッフとして働く事例もある

3.スタッフの教育のポイントはお客さまと同じ目線で行動すること

――健康管理に関して、スタッフの教育面で気をつけていることを教えてください。

お客さまと同じ目線で行動することです。具体的には、スタッフも全員Apple Watchを身につけ、入居者さんと一緒にラジオ体操や散歩、フィットネスで運動をしたりするように心がけています。「スタッフまで同じことをする必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、一方的に「Apple Watchをつけてくださいね」と言うよりも、スタッフもお客様と同じことに取り組むことで、説得力や会話の内容が変わるのではないかと考えています。また、職員も健康にならないと、お客さまに「生活習慣を見直しましょう」とは言えないと思っています。健康でい続けることは、スタッフも共通した目標です。お客さまもスタッフも、健康を維持して、夢ややりたいことを実現してもらいたいですね。

4.当施設の形を日本全国に広げていきたい

――今後の展望をお聞かせください。

当施設の形を日本全国に広げていきたいと考えています。日本は少子高齢化に伴い、どんどんシニア層が増えている状態です。ただ、現状の制度のように、要支援や要介護認定を受けてから手厚いサポートを提供するのは遅すぎるのではないかと感じています。自分の意思で立って歩いていける方を1人でも多く増やすには、健康な人をサポートするための場所を整えることが重要なのではないでしょうか。健康なシニアをより健康な状態に保つためにも、当社の健康型有料老人ホーム「マゼラン」をもっと身近な存在として知っていただけたら嬉しいです。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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