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ニュース 介護業界ニュース 2024/06/14

#インタビュー

介護福祉士の仕事を楽しく体験!SOMPOホールディングスがキッザニア東京に出展した「ケアサポートセンター」パビリオンでの体験の内容は?

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ⒸKCJ GROUP

介護のみらいラボ編集部コメント

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2023年7月、子ども達の職業・社会体験施設であるキッザニア東京に、介護福祉士の体験ができる「ケアサポートセンター」パビリオンがオープンしました。同パビリオンは介護事業を担うSOMPOケア株式会社が手掛けており、その背景には、子ども達に介護の仕事についての素晴らしさを知って欲しいとの想いが込められています。

「ケアサポートセンター」パビリオンでは、一体どのような体験ができるのでしょうか。SOMPOケア株式会社 地域包括ケア推進部の薄一臣氏と、同社広報部の佐藤真樹氏、小林美佳子氏に話を聞いてみました。

1.キッザニア東京とはどんな施設?

――まずは、キッザニア東京の概要について教えてください。

薄:キッザニアは3歳から15歳までの子ども達を対象とした、職業・社会体験施設です。実社会の約2/3サイズの街並みに、実在する企業が出展するパビリオンが建ち並んでおり、さまざまな仕事やサービスを体験できます。
また、仕事を体験したあとは、成果物やキッザニアの専用通貨「キッゾ」を受け取ることもできます。まさに、「こどもが主役の街」といえるでしょう。

2.「ケアサポートセンター」パビリオンで体験できること

――「ケアサポートセンター」パビリオンの概要や、体験の流れを教えてください。

薄:「ケアサポートセンター」は、介護福祉士の仕事について学んでいただくことを目的としたパビリオンです。体験の所要時間は約35分で、1回に4名まで参加できます。従来の伝統的な介護と、テクノロジーを活用した未来型の介護の両方を体験できることをコンセプトとしており、主に4つの体験を用意しています。大まかな流れは、以下の通りです。

1. 高齢者の姿勢を体験し、身体状態や気持ちを理解する
2. 睡眠状態を管理するICTシステムに触れてみる
3. 実際に介助を体験する
4. キッザニアの街で車いすによる介助を実践する

それぞれについて説明すると、1つ目は身体に特殊な器具を装着することで、高齢者の身体状態を体験するアクティビティです。腰が曲がった状態で歩く大変さなど、高齢者の身体の動きにくさを体感し、高齢者の身体状態や気持ちを理解していただきます。

その後の2つ目のアクティビティでは、最新のICTシステムである睡眠センサーを活用し、遠隔で高齢者の睡眠状態をチェックします。この睡眠センサーは、当社の介護施設で実際に導入しているもので、ベッドに寝ている方の心拍数や睡眠の状況などを簡単に把握できる、とても便利なシステムです。

そして3番目のアクティビティでは、ベッドに横たわる介護人形の「ケイコさん」を使い、ケイコさんを起こす離床介助と、ベッドから車いすへ移動する移乗介助を行った後に、ケイコさんが外出する準備を整えます。最後となる4番目には、車いすの操作方法を学んだ後で、スーパーバイザー(キッザニアのスタッフ)と一緒にキッザニアの街へ出て、車いすによる介助の実践をします。そしてパビリオンに戻ってきた後、介護福祉士認定の証である写真入りのIDカードを受け取り、体験は終了となります。

パビリオンでの体験は、高齢者の身体の動きにくさを体感することから始まる ⒸKCJ GROUP

パビリオンでの体験は、高齢者の身体の動きにくさを体感することから始まる ⒸKCJ GROUP

3.介護福祉士が体験できるパビリオンができた背景

――なぜキッザニア東京に、介護福祉士の体験ができるパビリオンをオープンすることになったのでしょうか。

薄:「日本の未来を担うお子さんに、介護の仕事の素晴らしさを体験してもらいたい」と考えたことがきっかけです。現代は業界を問わず人手不足の傾向にありますが、なかでも介護業界の人手不足は著しい状況です。特に、2040年には69万人もの介護職が不足すると言われており、介護を受けられない高齢者が続出することが予想されています。
しかし、介護の仕事に対するイメージは前向きではないものが多く、このままでは人手不足を解消できそうにありません。そこで、お子さんに介護職を体験していただき、介護職の素晴らしさや面白さを感じてもらいたいとの考えから、キッザニア東京にパビリオンを出展することになりました。

小林:当社では、その他にも子ども向けの施策に取り組んでいます。具体的には、介護に関する知識を楽しく身につけられるWebサイト「すまいるかいごタウン」を開設したり、当社が運営している介護施設で子ども食堂を開き、地域の子ども達と利用者様との交流を行ったりしています。なお、当社が開催している子ども食堂には、2022年11月から2024年2月末までに計1万9,000人の方が参加されています。

4.介護職が憧れの職業の一つになれば嬉しい

――「ケアサポートセンター」での体験を通して、子ども達にどのような想いを持って欲しいと考えていますか。

薄:やはり、介護の仕事の楽しさについて実感していただきたいと考えています。「ケアサポートセンター」で体験できるのは人形を使った介助であり、本物の高齢者と触れ合うことはできません。ただ、高齢者にしっかりと寄り添って接することの大切さや、介護の重要性について感じていただくことは可能なのではないでしょうか。体験を通して、介護職が憧れの職業の一つになれば、非常に嬉しく思います。

5.4つの体験のなかで、特に人気のある体験は?

――4つの体験のなかでも、特に人気のある体験はありますか。

小林:どの体験も楽しんでいただけているようですが、なかでも車いすに乗ってキッザニアの街に出るアクティビティは、非常に人気が高いようです。また、子ども達が車いすに乗って敷地内を移動している様子を見て、「あれは何の体験なのだろう」「自分もやってみたい」と興味を持っていただけることも多いと聞いています。

6.子ども達やご家族からの反応

――子ども達やご家族からの反応はいかがですか。

佐藤:日々さまざまな感想が寄せられており、こんなにも多くの方に介護福祉士の体験をしていただけたことについて、大変嬉しく感じています。最近寄せられたものでは、「誰かを助ける仕事がしたいからお医者さんになりたいと思っていたけれど、お医者さんの他にも、人を助けられる仕事があることを知りました」「ここで介護の体験をしてみて、将来介護福祉士になってみたいと思いました」といった感想がありました。

また、親御さんからも、「子どもが体験する様子を見て、私も介護の仕事を理解できました」「介護福祉士の体験によって、優しい気持ちが学べたのではないかと思います」など、前向きな感想をいただいています。お子さんに介護福祉士の体験を勧めてくださった親御さんのなかには、介護の仕事をされている方も多いようです。介護の仕事についてお子さんに説明するのは、難しい部分も多いと思います。「ケアサポートセンター」での体験が、介護の仕事について理解を深めていただく良い機会になれば、とても嬉しいです。

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出典:取材・文/タケウチノゾミ 編集/イージーゴー

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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