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ニュース 介護業界ニュース 2025/02/25

#インタビュー

小中学生が介護職を楽しく体験!佐賀県主催の仕事体験イベント「キッザケア サガ」に注目

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介護のみらいラボ編集部コメント

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佐賀県では、子ども達に介護に関係する職業に興味を持ってもらうため、仕事体験イベントの「キッザケア サガ」を2021年から開催しています。同イベントでは、実際に介護の現場で働いている職員の方々が子ども達をサポート。介護福祉士や看護師などの本格的な体験ができると大変な人気を集めています。同イベントの概要や体験の内容について、佐賀県健康福祉部長寿社会課の西光明氏に話を聞いてみました。

1.「キッザケア サガ」は介護の仕事体験イベント

――「キッザケア サガ」の概要を教えてください。

キッザケア サガは、佐賀県が主催する介護の仕事体験イベントです。介護に関する様々な職業の体験により、県内の小中学生に介護の仕事へ興味関心を持ってもらうことを目的として開催しています。佐賀県に在住または県内の学校に在籍している小学1年生から中学3年生であれば、どなたでもご参加いただけます。なお、キッザケアとは、兵庫県尼崎市の「社会福祉法人あかね」が2015年にスタートした社会貢献イベントで、現在は志を同じくする自治体・企業が参加する全国規模の取り組みとなっています。

キッザケア サガの会場で体験できる職種は、介護福祉士・管理栄養士・理学療法士/作業療法士・看護師/歯科衛生士の計6職種です。当日は以下の3つのコースから、申し込み時に選択した1コースを体験できます。各仕事の体験時間は約30分で、約2時間で4〜5職種を体験していただきます。

  • Aコース:介護福祉士→管理栄養士→理学療法士/作業療法士
  • Bコース:看護師/歯科衛生士→介護福祉士→管理栄養士
  • Cコース:理学療法士/作業療法士→看護師/歯科衛生士→介護福祉士

2.各職種で体験できる内容は?

――具体的にどのような体験ができるのですか。体験の内容について詳しく教えてください。

それぞれ、主に以下のような体験を実施しています。

  • 介護福祉士:移乗支援機器や見守り機器など、介護現場で実際に使用されている先進機器の体験
  • 管理栄養士:栄養状態を評価する体験や、食品ラベルを見て食事バランスを考える体験
  • 理学療法士/作業療法士:歩行訓練機などを使用したリハビリ介助体験
  • 看護師/歯科衛生士:舌や口の周りを動かす体操や歯磨き体験、血圧計や体温計を使用したバイタルチェック体験

上記のプログラムは、どれも実際に介護の仕事に従事されている方々の意見を取り入れながら作成したもので、子ども達が専門的な仕事の内容を理解しやすいように工夫しています。また、各プログラムは、ご協力いただいている現場の職員の方々からの意見や、アンケートの内容を参考にしながら、随時改善しています。例えば2021年に初めて本イベントを開催した際は、介護福祉士の体験では車いす体験を行っていましたが、現在は最先端の機器にも触れられるようなものに見直しました。

歯磨き体験をする参加者さん

歯磨き体験をする参加者さん

3.参加者からの反応が大きい職種は「介護福祉士」

――上記のなかで、特に人気がある職種を教えてください。

どの職種も人気を集めていますが、特に参加者さんからの反応が大きい職種には、介護福祉士が挙げられます。先ほども紹介した通り、介護福祉士の体験では、先進機器を積極的に取り入れています。具体的には、抱きついた状態の利用者さんを抱え上げて車いすなどから移乗する機器や、車いすに座った状態の利用者さんを吊り上げてリフトで移動できる機器などを用意しており、日常生活ではあまり見かけない機器に触れられる点が人気のようです。またお子さんだけでなく、保護者の方にとっても「今はこんなに便利な機器があるんですね!」といった新たな発見に繋がっており、従来の介護イメージからの変化を感じている方も多いようです。

4.現場で働く職員の意見を取り入れたプログラム

――プログラムの考案にあたり、工夫したことはありますか。

実際に介護の仕事に従事している職員の方々の意見を取り入れながら、プログラムを考案・改善していることです。本イベントを最初に開催した2021年は、手探り状態での実施となりました。しかし、翌年からはより本格的なプログラムにするため、老人福祉施設協議会や介護老人保健施設協会、認知症グループホーム協会などの団体や、現場の職員の方々にもご協力いただきながら、実際の仕事に近い体験ができるプログラムに見直しました。

プログラムには介護現場で働く職員の方々による工夫が凝らされている

プログラムには介護現場で働く職員の方々による工夫が凝らされている

5.参加者数は回を追うごとに増加

――参加者さんやご家族からの反応はいかがですか。

実施後のアンケートでは、「介護の仕事への理解や関心に繋がった」といったご感想を多数いただいています。そのほかにも、「あまり介護や栄養について詳しくなかったけれど、とても面白かった」「介護に関する仕事をしてみたいなと思った」や、「ロボット使って人を持ち上げたり、リハビリをするのが凄かった」「楽しかったのでまた参加したい」などの好意的なご感想が寄せられています。

参加者数は回を追うごとに増えており、より多くの方にご参加いただくため、2024年は定員を1,000人に増やしました。また、会場を県内3箇所(唐津市・小城市・吉野ヶ里町)に設けることで、県内各地から参加しやすい環境を整えています。今後もたくさんの方々に、介護の仕事に関する魅力を感じていただければ嬉しいです。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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