Produce by マイナビ介護職 マイナビ介護職

介護の未来ラボ -根を張って未来へ伸びる-

ニュース 今日は何の日?雑学 2022/08/07

#TBS#わんわん物語#ディズニー#ラジオ東京#今日は何の日?#日比谷公会堂#昭和31年#浅沼稲次郎#社会党

【今日は何の日?】8月7日=異色キャストの『わんわん物語』(ラジオ東京)が放送スタート(1956年) / 雑学ネタ帳

東京・日比谷公会堂.jpg

 浅沼氏が凶刃に倒れた東京・日比谷公会堂

介護のみらいラボ編集部コメント

高齢者や同僚との話題が浮かばないときにすぐ使える、ウケる、会話が自然と広がる、雑学ネタや豆知識が盛りだくさん!コミュニケーションの活性化にお役立てください。

66年前の1956(昭和31)年。ラジオ東京(現・TBS)にて、ディズニー映画でおなじみ『わんわん物語』のラジオドラマが放送スタートしました。放送は10月2日までの全9回でした。

ディズニー映画の日本語版公開を翌日(8月8日)に控え、その宣伝も兼ねたラジオドラマ版です。提供はカネボウ毛糸。映画同様にラジオドラマ版の制作にあたっては、三木トリロー(鶏郎)さんが編集監督とクレジットされており、三木さんが率いる冗談工房が深く関わっていました。

映画に出演する日本語版の声優を選定するにあたり、米国よりディズニープロのジョン・カッティング氏が来日。ラジオ番組に聞き入り、これはと思う声の持ち主を発見すると、冗談工房の面々が出演交渉に出向いていたそうです。まだ「声優」という職業が存在しない時代ならではのお話ですね。

主演のレディ役は宝田薫さん、そんなレディに恋してしまうノラ公(トランプ)役が俳優の小林桂樹さん、ナレーターが宇野重吉さんに決定しました。選定に難航したのがブル(ブルドッグ)役で、ラジオを聴いていたカッティング氏が「この声だ!」と白羽の矢を立てたのは、なんと当時、社会党書記長の浅沼稲次郎さんでした。カッティング氏は国会中継を聴いていたのです。早稲田大学時代は相撲部で活躍した立派な体格、政治家になった後も精力的な演説ぶりで「人間機関車」の異名をとった浅沼さんの声こそが「プル役に最適」と判断されたのです。

ギャラはいくらでも払う。10日間時間をくれ」との条件で、浅沼さんとの交渉役を任されたのが当時、冗談工房の一員だった永六輔さんでした。粘り強い交渉も、現職の国会議員を10日間も拘束することは不可能でした。浅沼さんは「次に機会があったら引き受けるから」と言い、出演の話は見送られたそうです。映画版でブル役は落語家の古今亭今輔さんが演じました。

その後、映画ほどは拘束時間がないラジオドラマ版制作にあたり、浅沼さんに再度オファーしたところ、義理堅い浅沼さんは約束通りに快諾。超異色キャスティングとなる現役政治家の声優デビューとなったのです。

浅沼さんは4年後(60年10月12日)、日比谷公会堂での演説中に刺殺されてしまいます。61歳でした。
 
  
 参照 : 昭和31年8月7日付の朝日新聞朝刊
    集英社新書「永六輔の伝言 僕が愛した『芸と反骨』」(矢崎泰久編)

 文 / 高木圭介

【日本全国電話・メール・WEB相談OK】介護職の無料転職サポートに申し込む

最新コラムなどをいち早くお届け!
公式LINEを友だちに追加する

お役立ち情報を配信中!
X(旧Twitter)公式アカウントをフォローする

介護職向けニュースを日々配信中!
公式Facebookをチェックする

SNSシェア

高木圭介(Keisuke Takagi)

フリーライター

1969年、神奈川県川崎市出身。学生時代はレスリング選手として活躍。93年に東京スポーツ新聞社に入社しプロレスや格闘技を中心に取材。社会、レジャー担当記者、デスクを経て2014年9月に退社。現在はフリーライター兼コラムニストとして活動中。主な著書は『ラテ欄で見る昭和』(マイウェイ出版)、『新日本プロレス50年物語 第2巻 平成繁栄期編』(ベースボール・マガジン社)など。

高木圭介の執筆・監修記事