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【今日は何の日?】9月22日=秋の交通安全運動ポスターにムーミンが登場(1972年) / 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
ちょうど半世紀前の1972(昭和47)年。この日からスタートした秋の交通安全運動で、総理府(※現在は内閣府に統合)製作による子ども向けの啓蒙ポスターに、テレビで大人気の『ムーミン』が起用されました。
フィンランド生まれのトーベ・ヤンソンさん原作の『ムーミン』は、日本国内でアニメ版が制作され、69(昭和44)年10月から12月までフジテレビの『カルピスまんが劇場』枠(日曜夜7時30分~)にて放送。大好評につき72年1月から新作のテレビアニメ版が同枠にて放送中。平均で14%の視聴率を記録するほどの人気番組でした。
交通安全ポスターにはムーミン、ノンノン、ミー、スナフキンらテレビでおなじみの人気キャラクターたちが登場し「とまろうね 大きな おめめで みぎ ひだり」「とびだすな くるまの まえうしろ」などの標語とともに計30万枚が印刷され、全国に配布されました。
フジテレビではムーミンの声を担当する女優・岸田今日子さんを伴って総理府を訪問。本名武(ほんな・たけし)総理府総務長官に御礼参りしました。岸田さんが「ポスターにムーミンを使っていただいて、私たちも誇りに思います」と語れば、本名長官も「私には孫が2人いて、ムーミンの大ファンです。これからも頑張って下さい」と激励。和やかムードの表敬訪問となりました。
子どもたちに大人気のムーミンは交通安全と相性が良かったのでしょう。その後もトヨタ自動車が交通安全の教材に製作したムーミンの小冊子が、21世紀初頭まで全国の保育園や幼稚園にて配布され続けていました。
ところが......。原作者のトーベ・ヤンソンさんは、ムーミンの世界観について「ノー・マネー、ノー・ファイト、ノー・カー」を掲げており、自動車を運転したり、自動車に注意するムーミンキャラクターたちの存在は、かなり矛盾のあるモノでした。
ムーミンのアニメは昭和末期まで「再放送の王様」と呼ばれるほど朝や夕方に再放送が繰り返されていましたが、90(平成2)年に、原作の世界観により忠実に制作された『楽しいムーミン一家』(テレビ東京)が放送されて以降、69年版と72年版のアニメは再放送もソフト化も配信も許可されていない状態が続いています。
「ノー・カー」の世界にあるべきムーミンが、交通戦争の世界に身を置いているという矛盾は、かなり根深いモノだったのかも知れません。
参照 : 昭和47年9月26日付の読売新聞朝刊
文 / 高木圭介
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